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しおりを挟む「んんー!!」
口は塞がれ、腕は後ろで拘束された。
ヤバイ、なんかやらかしたか?
まさかオネエ神がエロ要素足りないからとかじゃねーよな?
拘束した人物を見ると、見た事もない人だった。
なんだよ、これ!!
「悪ぃな。
あんた羽振りがいい家の下働きなんだろ?
ここの旦那の金目の物の有りかを教えてくれよ」
良かった、普通に強盗だった。
強盗が普通だって思っちゃうのはもう感覚おかしいよね。
昨日セバスチャンにやった、スタンガンをかまして逆に強盗を拘束した。
「セバス!!
強盗だ、警備兵の所へ連れて行け!」
「ラグ!!大丈夫ですか!!?」
家の奥からセバスチャンが急いで現れて、僕が拘束した強盗を警備兵へ引き渡す手配をした。
「侵入されたのは僕も迂闊だったんだ。
それに市場で結構買ったりして、目を付けられやすかったんだよ。」
蒼月に対する警戒だけで、現実の人間の警戒が緩かったと反省した。
資金に余裕が出来るようになったら、何かしらの対策を考えないとな。
そうなると、蒼月の守護者って言ってた精霊王とか聖獣とかが惜しい気がしてきた。
いやいや、そっちに行っちゃダメだから!!
自分で自分に突っ込むとか、ちょっと疲れてるな。
「ラグ、これからは私も必ず一緒に行きますからね」
これはもう止められない案件だな。
醤油を手に入れたので、焼き鳥でも何でも使えるタレを仕込んだ。
タレって時間をかけて継ぎ足しが一番だけど、最初のタレはどうしても角が立ってしまうから、捨ててしまうような部分の肉や野菜を袋に入れて煮込むんだ。
そうすると出汁にもなって角がうまく取れるんだよね。
明日のお弁当に、つくねを入れることにしたから、鶏肉をミンチにしてヤゲン軟骨を刻んで軟骨入りつくねにする事にした。
ヤゲン軟骨の肉を茹でて削ぎ落すと、軟骨も刻みやすいし鶏出汁の良いスープにもなるから捨てる所が無くて助かる。
ミンチと軟骨に卵とほんの少しの片栗粉を入れて味は塩と砂糖とすり下ろしたショウガを入れて混ぜる!!
力技で混ぜる。
卵の水っぽさも混ぜると肉の粘度が増してしっかり纏まるようになるから、水を手に付けて丸くする。
スプーンでも良いけど、僕はさっさとやりたいから、手で作るんだ。
ヒューゴがピーマン食べられるか聞いてなかったわ。
とりあえずつくねをフライパンで焼いて、作ったタレをかけて二度焼きした。
軟骨を茹でて取った鶏出汁を使って、鶏飯を作る事にした。
米を洗ってどけておいて、削いだ軟骨の肉片と出汁に塩を加えて少し濃いめにして洗った米を入れて鍋で炊く。
明日は炊き込みご飯に鶏つくね、出来ればピーマンに乗っけて食べて欲しいけど、それはいつか経験してもらってからにしよう。
副菜に白和えとかでもいいかな。
明日詰めながら考えよう。
「セバス、僕たちはつくねピーマンを食べよう」
「はい、ラグのご飯は美味しいですし、楽しみです!!」
僕も試しに作ったつくねも、タレも食べてみたいから夜は楽しみだ。
結果、ばっちりでした!
ピーマンとつくね、無限に食べられる気がした。
明日のお弁当は決まったし、お風呂に入って眠ることにした。
「ラグ、今日の事もあって心配ですし、一緒に寝ますよ」
「え?いいよ、大丈夫」
「いいえ、これは決定事項です。
それに、邪な奴らが来ないとも限りませんし」
「それってセバスの所為だよね?
顔、見せなきゃそんな心配なかったよね?」
「ええ、ですから責任を取って」
「いいよ、僕は一人で寝るから」
セバスはちょっと反省してもらわないとね。
「お休み、セバス」
お互いの自室に入ってベッドに転がった途端、眠気が襲ってきて眠りに落ちた。
「おい、お前、おい!」
「ん-、このパターンもうお腹いっぱいなんで、また今度にしてください」
「おい!!!」
「もう!うるさいな!
何だよ!」
目を開けると、つい昨日来た精霊王さんが立ってましたよ。
「お前からもらった木の実?が美味くてな」
「はぁ、それで?」
「もっと欲しいのだ」
「えっと、もう関わらないって言いましたよね?」
「守護はな」
「守護も無い小僧に、食べ物だけ欲しがるって精霊王としてどうなんですか?
昨日渡した時はご足労いただいたお礼のつもりでしたけど。」
何で無償で貰えると思ってるの?
「そのもっさりでは、無理だろう?」
「そのもっさりから、おやつ貰うのってどうなんですか?」
さっきから失礼すぎるし、もう、寝かせてくれ。
「精霊王さん、等価交換ってわかります?
持ちつ持たれつってわかりますか?」
「知らん」
「そうですか、帰れ」
このやり取り、もうヤダ。
「酷いな、では、守護をしてやろう」
「いらないです。
その蒼月フラグに繋がりそうな感じ、いらないです!」
きょとん顔すんな!!
「せっかくの蒼月ではないか。
もっさりじゃなければ良かったが」
何その我慢してやる的なのは。
「僕は絶対、貴方と関わりたくないので、ほんともう、帰って?ね?」
餌付けしたつもりは無かったけど、こんな精霊王いらね。
明日はちょっと寝坊させてもらおう。
このガキ臭い精霊王を無視して眠ることにした。
あ、明日、オネェ神様に文句言おう。
警備のために守護が惜しかったと思ったあの時の自分を責めた。
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