607 / 623
607.勝てるガチャポンの小話(カチューシャの唄の日)
しおりを挟む
「湊、ストップ! これやりてえ」
「なになに? ……あ、ガチャポンだ」
「そー。昔のレコードのジャケがキーホルダーになってんの」
「レトロでかわいいね」
「だろ。カチューシャの唄がほしくて何回か回してんだけど、引けねーんだよな」
「あらら」
「でも今回は! ぜってーイケる。から回す」
「絶対?」
「りゃッ。……ほらなー!」
「すごい! どんな魔法を使ったの?」
「種明かししたらなんでもねーんだけどさ。前に引いたとき『蛍の光』が入ってるボールが黄色、『ジミーによろしく』が水色……って一種ずつ色が決まってんのに気付いたんだよ。で、『カチューシャの唄』は黄緑って予想できたから」
「なーるほどね」
次に出てくるボールが黄緑だ、と見て取って、確信を持って回したらしい。法則を把握するまでに何度回したのかは、敢えて訊かないことにする。
(了)230326
「なになに? ……あ、ガチャポンだ」
「そー。昔のレコードのジャケがキーホルダーになってんの」
「レトロでかわいいね」
「だろ。カチューシャの唄がほしくて何回か回してんだけど、引けねーんだよな」
「あらら」
「でも今回は! ぜってーイケる。から回す」
「絶対?」
「りゃッ。……ほらなー!」
「すごい! どんな魔法を使ったの?」
「種明かししたらなんでもねーんだけどさ。前に引いたとき『蛍の光』が入ってるボールが黄色、『ジミーによろしく』が水色……って一種ずつ色が決まってんのに気付いたんだよ。で、『カチューシャの唄』は黄緑って予想できたから」
「なーるほどね」
次に出てくるボールが黄緑だ、と見て取って、確信を持って回したらしい。法則を把握するまでに何度回したのかは、敢えて訊かないことにする。
(了)230326
0
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので芸風(?)が違うのですが、楽しんでいただければ嬉しいです!



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる