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253.雛祭りの支度の小話(二十四節気・雨水)
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「晴海、ちょっと手伝ってくれない?」
「なにを」
「妹の雛人形を飾るのを」
「アー。いつもこの時期だよな」
「うん。今日は二十四節気で雨水、雛人形を飾るのにいい日って言われてるんだ」
「ふうん。なんで?」
「雨水は雪が降るような寒さが緩んで雨になって、雪解けが始まる時期……って意味だけど、雛祭りは昔厄を人形に移して川に流す行事だったから、水と関係の深いこの日に出すのがいいって説があるんだって」
「なるほど……由来を聞くとけっこー恐えやつだ……」
「いけそう? 大丈夫?」
「当然。湊と岬のためなら任せろ」
「良かった。ありがとう」
「つーか雛祭りか。春が来んだな」
晴海は気持ちよさそうに伸びをする。その髪や頬に踊る日の光が温かな金色だから、湊も次の季節の到来を予感する。
(了)220219
「なにを」
「妹の雛人形を飾るのを」
「アー。いつもこの時期だよな」
「うん。今日は二十四節気で雨水、雛人形を飾るのにいい日って言われてるんだ」
「ふうん。なんで?」
「雨水は雪が降るような寒さが緩んで雨になって、雪解けが始まる時期……って意味だけど、雛祭りは昔厄を人形に移して川に流す行事だったから、水と関係の深いこの日に出すのがいいって説があるんだって」
「なるほど……由来を聞くとけっこー恐えやつだ……」
「いけそう? 大丈夫?」
「当然。湊と岬のためなら任せろ」
「良かった。ありがとう」
「つーか雛祭りか。春が来んだな」
晴海は気持ちよさそうに伸びをする。その髪や頬に踊る日の光が温かな金色だから、湊も次の季節の到来を予感する。
(了)220219
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