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250.ご機嫌予報の小話(天気図記念日)
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――今日は遅くなりそうだから、先に帰ってて。
スマートフォンのアプリに届いた湊からのメッセージを読んで、晴海はぺしゃりと教室の机に突っ伏した。放課後である。クラスメイトたちが帰った教室で、晴海は時間を潰していた。湊からバレンタインにもらったガトーショコラを眺めて――まだ食べる踏ん切りがつかない――湊の帰路にほどよく合流できる頃合いに下校しようと思っていたのだ。なのに。
(ウアー)
書を愛し、真面目に部活に参加している湊は、ときどき帰りが遅くなる。やむなくひとりで帰ることもあるが、今日は一刻も早く湊の顔が見たい日だった。晴海の機嫌は台風のように荒れ模様になる。曇りのち雨。ところにより雷。そんな気分で、しょんぼりとした顔の絵文字と、傘のマークを湊に送る。
(涙出そ)
スマートフォンを裏返しても斜めにしても、現実は変わらない。と、そこに着信があった。
「湊」
「泣いてるの?」
第一声がそれだった。
「もうちょいでやばい」
「ごめんね。あんまり遅くまで晴海を外で待たせたくないんだ、僕が」
「テキトーに時間潰してんのに」
「分かった。じゃあ僕の部屋で潰してて」
「マジで」
「うん。寝ちゃっててもいいよ。あっ、ご飯はなにか食べてね」
「食べてく。そんでぜってー起こして」
「そういう気分?」
「そう。湊にどうしても会いてー気分」
「会いたいって言ってもらえるの、すごくいいね」
「もっと言う?」
「言って」
「湊に会いてーから、寝てたら起こして」
「うん。ちゃんと起こすよ」
湊の静かな声を聞いているうちに、晴海の気持ちは凪いでくる。
(すげえな)
大荒れだった天気図に、晴れ間が見えてきたようだった。
(了)220216
スマートフォンのアプリに届いた湊からのメッセージを読んで、晴海はぺしゃりと教室の机に突っ伏した。放課後である。クラスメイトたちが帰った教室で、晴海は時間を潰していた。湊からバレンタインにもらったガトーショコラを眺めて――まだ食べる踏ん切りがつかない――湊の帰路にほどよく合流できる頃合いに下校しようと思っていたのだ。なのに。
(ウアー)
書を愛し、真面目に部活に参加している湊は、ときどき帰りが遅くなる。やむなくひとりで帰ることもあるが、今日は一刻も早く湊の顔が見たい日だった。晴海の機嫌は台風のように荒れ模様になる。曇りのち雨。ところにより雷。そんな気分で、しょんぼりとした顔の絵文字と、傘のマークを湊に送る。
(涙出そ)
スマートフォンを裏返しても斜めにしても、現実は変わらない。と、そこに着信があった。
「湊」
「泣いてるの?」
第一声がそれだった。
「もうちょいでやばい」
「ごめんね。あんまり遅くまで晴海を外で待たせたくないんだ、僕が」
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「分かった。じゃあ僕の部屋で潰してて」
「マジで」
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「もっと言う?」
「言って」
「湊に会いてーから、寝てたら起こして」
「うん。ちゃんと起こすよ」
湊の静かな声を聞いているうちに、晴海の気持ちは凪いでくる。
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大荒れだった天気図に、晴れ間が見えてきたようだった。
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