お隣りのJKさんと料理下手くされ大学生のお裾分け晩御飯

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023 JK達のお泊り会~料理下手男子学生のおもてなし晩御飯~

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一通り神戸まつりを満喫し、旧居留地の路上で演奏されるジャズを聴きながら、カフェのテラスで女子高生三人とティータイムをして過ごした。

神戸のレトロな街並みに響くサックスの音色を聴きながら、翔が“今日の晩御飯はどうするかな”と音楽の教養の欠片もない考えをしているとき、栞が「翔さん!」と声をかけてきた。

「うん…?どうしたの?」

「実はですね、今日の神戸まつりの後、桃花ちゃん家に泊まろうと思ってるんですよ!」

そういえば、双子はいつも通りよくわからない双子コーデであったが、沙織は大きめのリュックを背負い、栞は大きめの手提げかばんを下げていた。

「明日は日曜だもんな。いいじゃないか。それで二人とも、大きめのカバンを持ってたんだね。」

「ようわかったなぁ!そうや!翔さんもおいでや!」

沙織は自分の家に呼ぶわけもないのに、桃花の家でのお泊り会に翔を誘った。

「いやいや、せっかくの三姉妹でのお泊り会にお邪魔するなんて申し訳ないよ。」

「邪魔じゃないですよ。ねっ、桃花ちゃん?」

ちょっとだけ意地悪そうに言う栞の言葉に、桃花は恥ずかし気に頷いた。

「うーん、そうはいわれてもなぁ…。」

せっかくの三人のお泊り会に水を差したくない。しかし、せっかくなら桃花ちゃんのお隣さんとして、何かこちらからもおもてなしをしてあげたい。

そのようないらない気を回した翔は、ある考えを思いついた。

「そうだ!流石に桃花ちゃんのお部屋に泊まるわけにはいかないが、せっかくなら晩御飯は僕が腕を振るっておもてなししてあげたいんだけど。どうだろう?」

自信満々でそう告げた翔に、三姉妹の反応は見事に三通りに分かれた。

「翔さん料理できんの?」っと沙織はからかうように言った。

「それは面白い提案ですね。食べてみたいです!」と栞は興味を示した。

「……ほんとうに、大丈夫ですか?」と桃花は少し青ざめた表情で心配している。

「桃花ちゃんにもいろいろ教わってきたからさ。まぁ任せなさいよ!」

この後、やっぱり一人で任せるんじゃなかったと、桃花は大いに後悔することになる。

「今晩の買い物をしてから帰る。」と、翔は女子高生三人娘と三宮で別れた。

「今日はなにつくるんや?教えろやー。」と沙織がしつこく聞いてきたが、「それは今晩のお楽しみだよ。」と翔は笑顔で応えた。

“さて、何を作ってあげようか…。”

子どもが親にプレゼントを考えるようなわくわくする気持ちで、翔はデパ地下の大きな食品売り場に入った。さすがは品ぞろえが多く、普段見たことのないような食材も多く並ぶ。

“うわーすごいな。アンコウとか売ってるんだ。こっちには…なんだこれ?流石に見たことない食材は料理できないな。”

桃花に以前マッサマンカレーを作った時に叱られた記憶が蘇る。翔は少し珍しいながらも、これならきっと調理できるだろうと思った食材を手に取った。

次に、翔はエビに近いが、しかしちょっと高級な寿司屋で目にする食材を購入した。

“似たようなものはよく食べるし…多分、大丈夫だろ。”

翔は帰宅すると、さっそく調理に取りかかった。
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