奇怪なる怪異城に仕える執事の労苦と福音

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十四話 三女サクラ様のご要望『カマンベール入り生ソフトクリーム』

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 屋敷に戻り、自室に首なしライダーさんの生首を置いてから、撫子夫人に星の貴婦人から預かったサマルダラを手渡しに行った。

「お疲れ様。おつかいご苦労様でした」と撫子様は、僕に労いの言葉をかけてくれた。

「遅くなってしまって申し訳ございません」

「大丈夫ですよ。星の貴婦人から連絡がありました。なかなか頑張ったそうじゃないですか。いい執事を雇ったわねって貴婦人が言っていたわ」
「いえ、大した事はしておりませんよ」

「何はともあれ、これで家族のみんなの要望は応えられたのですか?」
「いえ、まだ末っ子のサクラ様と、次女のエマ様からのご要望が残っております」

「そう……。サクラの要望は、セバスがいつも遊んでくれてるから、もうそれでOKって事にしていいのではないでしょうか」

 撫子夫人はお優しい提案をしてくれた。その優しさは、次女のエマ様が強く引きついだのだろう。ケント様ももう少し引き継いでほしかったものだ。

「いえ、僕としてはもう少しはっきりした要望を出してもらって、きっちりご期待に応えなければ、家族全員から認められたとはいえないと思います」

「自分に厳しいのですね。わかりました。今日はもうゆっくり休んでください」
「ありがとうございます」

 撫子様の部屋を出た後、自室に戻ろうとすると、末っ子のサクラ様がドジッ子メイドのシルフィさんに何やらしがみ付いていた。

「どうされたのですか?」
「わぁっ! セバスだっー!」

「こんばんは……、サクラさ、っぐふ!」

 サクラ様は僕の姿を見ると、いつも一目散に駆けてきて、特攻隊の如く腹に突撃してくる。ハーフの子供らしい天使のような見た目で、ミルクティーみたいなブラウンの髪を三つ編みにしている。年齢はまだ5,6歳といったところだろう。そのお姿はとても可愛らしいのだが、見た目に反してとても力が強く、スタミナも半端ない。彼女と遊ぶのはかなり骨が折れる。

「大丈夫ですか、シルフィさん。」
「ええ、サクラ様に遊んでほしいと捕まってしまい……四肢がもげそうでした」

 よく見ると、シルフィさんの髪はところどころぐちゃぐちゃで、周囲の花瓶や窓も割れている。本能のままに動くサクラ様は、ときおり屋敷の中で遊びまわって破壊の限りを尽くす。それでも皆は、末っ子のサクラ様に対してとても甘い。天使のような彼女の笑顔で全ては許されてしまうのだ。

「ねぇ、セバス! 一緒に窓からぴょーんって跳んで、スタントマンごっこしよう。」

「サクラ様、ここは三階ですよ。普通に死んでしまいます」
「大丈夫だよ~! 絶対に楽しいよ!」

 天真爛漫なご様子で恐ろしいことを言う。

「あの……、サクラ様をセバスさんにお任せしてもいいですか?」

 げっそりした表情で、シルフィさんは乱れたメイド服を直しながら言った。

「ええ、サクラ様のご相手、お疲れ様でした」

 シルフィさんがこそこそと立ち去ろうとしたのを、サクラ様ははっと気づいてしまった。

「どこいくのよ、シルフィ~!」

 背後からサクラ様に両足を掴まれ、シルフィさんは小さな悲鳴を上げながらこけた。両手を万歳したまま倒れ込む、とても綺麗なこけかただった。

 少し赤くなった鼻を押さえる半泣きのシルフィさんをなだめながら、僕はサクラ様の遊びの相手をした。

「ところでサクラ様、僕に何か御願いしたい事とかはありますか?」

「セバスにお願い? ん~~~~?」
「何でもいいですよ」

「っじゃあ~~~、お腹見せてー」
「お腹ですか? 少し恥ずかしいですが、構いませんよ」

 僕は服の裾を捲ろうとしたが、サクラ様はそれをおしとどめた。

「違うよ~! そうじゃなくて、お腹の中がみたいの!」

「お腹の……中……?」

「そだよー! お腹の中って何が入ってるのか気になってたんだぁ! この間バラバラにした虫のお腹の中は、ほとんどスカスカだったけどね。ひとのお腹の中ってどうなってるのかなって。」

「いや……、普通に僕死にますけど」
「それくらい大丈夫だよ~!」

「ちょっと、シルフィさん! サクラ様の情操教育はどうなってるんですか!」
「子供とは本来、内なる残虐性を秘めたものです」

 それは確かにそうだけども。僕だって、子どもの頃はアリを踏みつぶして遊んだこととかある。しかし、それを踏まえても狂っていると思うのだが。

「もっと他のご要望はないでしょうか。血なまぐさくないもので」
「ん~~~。あっ、そうだ!」

 サクラ様は可愛らしく、手のひらををぱちんと合わせた。

「何か思いつきましたか?」
「ソフトクリームが食べたいわ!」

「ソフトクリームですか? 今からですか……」

 今から街まで買い物に行くのはやや面倒くさいが、ご要望であれば仕方あるまい。なにより、腹を切り開くよりかは圧倒的にましな要望だ。

「わかりました。今すぐ街まで出て買ってきます」

「う~ん、そうね。 六甲幻影牧場の生ソフトクリームがいいわ!」
「六甲幻影牧場ですか……。今から行って間に合うかどうか……」

 六甲幻影牧場の生ソフトクリームは、牧場でとれた搾りたての生乳と、カマンベールチーズを隠し味に入れており、その美味しさは神戸界隈で随一である。

 しかし、今から行って営業時間に間に合うかという問題と、ソフトクリームがとけるまでに戻って来られるかという問題がある。こんな時間からサクラ様を牧場まで連れていくのは、気が引けるしどうしたものか。

「あっ、そうだ。あの人に頼めば何とかしてくれるかもしれない」

 僕は財布に入れていた名刺を取り出した。それは以前、僕がジャック・ザ・リッパーに殺されかけた時に、助けてもらった首なしライダーさんの名刺だ。

 最速のバイク便である首なしライダーさんなら、今から牧場まで行ってソフトクリームを買ってくることもできるかもしれない。それに、星の貴婦人から譲り受けた生首の事もある。僕は名刺に書かれていたアドレスにメールを送った。

“先日助けて頂いたセバスと申します。この前は本当にありがとうございました。急な依頼で申し訳ないのですが、今から六甲幻影牧場の生ソフトクリームを一つ、ドラクリヤ邸までデリバリー御願いできないでしょうか。それと、あなたの頭だと思われる生首を見つけて保管しております。連絡お待ちしております。”

 以上の内容を送信した。神戸の伝説的存在の首なしライダーに、ソフトクリームのデリバリーなんかさせていいものかと思ったが、背に腹は代えられぬ。首なしライダーさんからの返事はすぐに来た。

“本当ですか! 今すぐソフトクリーム買ってまいります。少々お待ちください。”

「おぉ、よかった。サクラ様、ソフトクリームはもうしばらくお待ち下さいね」

「うん、ありがとう~! っじゃあ、それまで一緒におままごとしよっ!」
「おままごとですか? まぁ構いませんが」

 構わないが、おままごとなんてやったことがない。おままごとは、想像力やコミュニケーション能力を鍛えるためにいいらしいと聞いたことがあるが、実際どんな感じなのだろう。

「っじゃあ、セバスはお父さんね。それでシルフィがお母さん」

「え、私もやるのですか? やった事ないですよ」とシルフィさんは困惑した表情を見せた。

「そうなの? っじゃあ、最初はサクラが監督してあげるよ!」

 サクラ監督が仕切りながら、執事とメイドによる夫婦設定のおままごとが始まった。

「た、ただいま~。帰ってきたよ」

 僕はなかなかの大根役者であったが、それ以上にシルフィさんはおままごとが苦手だった。

「おかえりなさいませ、セバス様」とシルフィさんは深々と美しい礼をした。
「ちょっと! 何やってるのシルフィ!」

 早速サクラ総監督から指示がとんできた。

「何か問題がありましたでしょうか?」

「そこは……、お帰りなさいあなた。お仕事お疲れ様でした。ねぇ、ご飯にする? お風呂にする? それとも、わ・た・し? っていうのよ」

 どこでそんな言葉を覚えてきたのだろうか。やはりサクラ様の教育環境にはいささかの問題がありそうだ。

「わかりました。オカエリナサイ、アナタ。オシゴトオツカレサマデシタ。ネェ、ゴハンニスル? オフロニスル? ソレトモワタシ?」

 シルフィさんの声は抑揚が全くなく、表情も感情が欠落している無であった。

「だめっ~! 全くだめだわっ! もうシルフィは失格!」

「そうですか。それでは、私はこれで失礼して……」
「それもだめっ~!」

 騒いでいる僕らの声が聞こえたのか、怪訝そうな顔でエマ様が現れた。

「なに騒いでるのよ、あんたたち」

「あっ! エマお姉ちゃんだっ! ねぇねぇ、一緒におままごとやろう!」
「えっ、私はこれから勉強しようと思ったんだけど……」

「……ひぐっ、ぐすっ……。ちょっとだけでも……、だめぇ?」
「も、もちろん、大丈夫だよっ! お姉ちゃんもやりたいな~っ……」

 こうして、サクラ様のお遊びに付き合わされる生贄がもう一人増えてしまった。

「っじゃあ、エマお姉ちゃんはお母さん役ね。それでシルフィは……飼い犬の役ね」

 ずいぶんと格下げされてしまったものだ。そんななくてもいいような役なら、もうシルフィさんは解放してあげてほしい。

「セバスはさっきと同じでお父さんね。これが台本だよ」

「えっ……、セバスと私が夫婦の役なの?」
「すみません。僕ごときがエマ様の夫役だなんて」

「いや、そういうわけじゃないのだけど……。っていうか、台本まであるの?」
「僕とシルフィさんがおままごと初級者なので、サクラ様が総監督として指示をくれています」

「どれどれ……? はぁ!? 何よこの台詞!?」
「お姉ちゃん……ぐすっ、やってくれないの……?」

「あ~もう、わかった! やるってば」

 サクラ様お得意の泣き落としには、エマ様は特に弱いらしい。優しいお姉ちゃんをしているエマ様を見ると、何だかとても心が温かい気持ちになる。

「っじゃあ本番、スタート~!」

「ただいまー。仕事から帰ったよ」

 相変わらずの僕の大根役者っぷりだ。エマ様はどうなのだろうか。

「お……、お帰りなさい。お仕事、おつかれさま……。お風呂に……する? 先に……お夕飯に……する? それとも…………、わ・た・し?///」

 顔を真っ赤にしながらそんな事を言われると、こっちまで恥ずかしくなる。

「それじゃあ……、エマにしようかな」

「セバス! そこで、お姉ちゃんをぐっと抱き寄せる!」

 またしてもサクラ様から、演技指導が入った。

「えっ? こうですか?」

 エマ様の細い腕をとり、ぐっと抱き寄せた。

「ひゃうっ……」とエマ様は小さな声を漏らした。そしてまだ顔が真っ赤だ。というか、先ほどよりいっそう赤みが増している気もする。

「お姉ちゃん、台詞っ!」とサクラ様は容赦なく演技を続けさせた。

「えっ、えっと……。だ、だめだよ……。それは、夜の……お・た・の・し・み……。あとでゆっくり……かわいがってね」

 駄目だ。これ以上は続けるのは、エマ様にとっても、サクラ様にとっても悪影響が多い。

「はい、そこで飼い犬のシルフィが、セバスとお姉ちゃんにとびかかる」

「わおーん。」と言いながら、シルフィさんは四つん這いでとびかかるふりをした。

 しかし、このドジッ娘メイドはまたもや何もない床に躓いて、あわあわ言いながら本当にとびかかってきた。

「大丈夫ですか? エマ様、シルフィさん」

 僕はとっさに二人を抱きかかえた。

「あ、ありがとう……」
「す、すみません……セバスさん」

 二人とも恥ずかしそうにしているので、安全を確認してすぐに離してあげた。

 するとその時、玄関に誰か来訪者があることを告げる声が聞こえてきた。

「お客さんですよー。セバスに要件があるお客さんです」

 あの魔法の玄関に取り付けられたライオンは、来訪者があると屋敷内に響くアナウンスをしてくれる。

「おや、もしかしたらソフトクリームが届いたのかもしれません。サクラ様も行きますか?」
「うん! 私もいく~!」

 ようやくサクラ様から解放され、シルフィさんは安堵の表情を見せた。エマ様は「セバスのお客さん?」と首を傾げた。

「サクラ様が六甲幻影牧場の生ソフトクリームが食べたいという事で、首なしライダーさんにデリバリーを御願いしたのです」

「そうだったんだ。すごいね。首なしライダーと知り合いだったんだ」

「ええ、エマ様も首なしライダーをご存じでしたか?」
「うん。学校の友達とかも、たまに色々噂したりしてるから」

「そうでしたか。っでは、僕は玄関の方へ行ってまいります」
「うん……。あ、あと……今日は、何か勘違いしてごめん」

 おそらく、星の貴婦人の娘である輝子様とのことだろう。勘違いというか、実際彼女とはデートしていたという事にはなるのだけど。

「いえいえ、様子を見に来ようとしてくださり、嬉しかったですよ」
「そっ……、それでさっ。私もセバスにお願いしたい事……できたから、またきいてくれる?」

 エマ様は少し恥ずかしそうにそう言った。

「もちろんです。エマ様の御願いなら、どんな事だって叶えてみせますよ」

「……うん。ありがと。それじゃ、またね」
「はい、それでは失礼します」

 エマ様と別れ、サクラと手を繋ぎながら玄関に向かった。

「すみません、お待たせしました」

 玄関の扉を開くと、そこには茶色の皮のジャケットと、青のジーパンを着ている首なしライダーがいた。

 首なしライダーは、“いえいえ、こちらこそ配達お待たせしてすみません。”と打ち込んだスマホの画面を見せた後、クーラーボックスに入ったソフトクリームをサクラ様に手渡した。

「わーい! ありがとう!」
「急な依頼を受けて頂き、ありがとうございます。お代の方は?」

“お代は結構です。それよりも、メールで仰っていた『頭』の方は?”

「いえいえ、お代はちゃんとお受け取り下さい。頭はあくまで以前に助けてもらったお礼ですから」

 そう言って、僕はデリバリー代金を支払い、その後に例のホルマリン漬けの生首を持ってきた。

「これで間違いないでしょうか」

 首なしライダーは、顔を(実際には顔があるはずの部分をだが)、ホルマリン漬けの生首に近づけてまじまじと眺めているようであった。どうやって見ているのかわからないが、いつもバイクを乗り回しているのだから、きちんと見えているのだろう。それから、手早くスマホに文字を打ち込んだ。

“これは私の首です! 本当にありがとうございます!!!”

 どうやら、このホルマリン漬けの首は、首なしライダー本人のもので間違いないようだ。

「しかし、その首をどうするんですか? 元のようにくっ付けるとか?」

“もとのようにくっ付けるのは不可能でしょう。しかし、自分の頭がきちんと手元にあるというのは、それだけで大きな意味があるのですよ。”

「そういうものですか。すみません、首がとれた事がないので、よくわからないのですけれども」

“ははは。それはそうでしょう。ですが、あなただって自分の大事なものは、自分の元に置いておきたいはずですよ。あなたにとって、大事なものはなんですか? もしそれが自分の傍から切り離され、離れ離れになってしまうことを想像すれば、きっと気持ちがわかると思います。”

「僕にとって大事なものですか」

家族、友達、夢、自分の健康なんかがぱっと思いついた。しかし、それらに踏まえて、今ではドラクリヤ邸の方々の事が思い浮かんだ。そういったものが、自分から遠く離れていってしまうのは、やはりとても辛いことだ。

「そうですね。確かに、大事なものはずっと傍にあったほうがいいですね。」

 首なしライダーさんは、どこでこの生首を見つけたかは聞いてこなかった。もし聞かれても、僕は星の貴婦人の名前を出さなかっただろう。彼女がピアノ線で首を切った犯人ではないだろうが、それでも首なしライダーさんが犯人だと勘違いして、復讐する可能性がないとはいえない。まぁ、温厚そうな首なしライダーさんなら、そんな事は考えていないのだろうけれども。

“本当に助かりました。もし、また何か運んでほしい時はいつでも呼んでください。セバスさんのためなら、一目散に駆けつけて力になりましょう。”

「いえ、こちらこそ助けていただいのでおあいこですよ。ですが、そう言ってもらえると、正直とても心強いです。またお会いしましょう」

 首なしライダーさんは、自分の頭をバイクのボックスにしまいこむと、バイクのエンジンをふかして颯爽と立ち去っていった。

「ソフトクリームはご満足いただけましたか?」

 口の周りにソフトクリームをつけているサクラ様に尋ねた。

「うん~! めっちゃ美味しいよ! セバスもはい、あ~ん!」
「えっ、いいのですか? それでは一口だけ。……うん、とっても美味しいですね」

「ふふ~ん♪ 楽しいな~!」
「サクラ様はごきげんですね」

「うん! なんだか、セバスがお家に来てから、楽しいこと増えたんだ~!」
「そうですか。それはとっても嬉しいお言葉です」

「これからもずっと、うちのお屋敷にいてね」
「はい、もちろんですとも」

 今日も長い一日だったが、サクラ様に元気をわけてもらい、また明日からもがんばろうと思った。
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