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七話 長男ケント様のご要望『ホームズ探偵クラブの会合』
しおりを挟むご家族の中で最初に依頼をしてきたのは、長男のケント様だった。
「セバス、早速だが俺の要望を聞いてくれるか?」
「もちろんでございます」
「俺はこの近辺では工学部の大学院生で通っているんだが、それは表向きに言っているだけで、実際はただのプー太郎だ。そんな金持ちのボンボンの俺をどう思う?」
いきなり何の質問だろうか。
「そうでありますか。まぁ、お金があるなら、金を稼ぐことが目的の労働に意味はないでしょう」
「そうだ。その通りだ。働く必要がない者は、働く必要なんてない。俺の人生は、ロマンを追求するために存在している」
「はぁ……、そのロマンとは?」
「俺は色んな裏組織に所属している。ロマンある言い方をしたら、秘密結社とでもいうべき存在だろう」
そういえば、マリア様からそんな話を聞いていたなと思い出した。
「その中でも最近、ホームズ探偵クラブと神戸港サルベージ調査団という組織において、活発に活動をしているのだが、残念ながらその二つの会合が重なってしまったのだ」
なんとも二つとも胡散臭い名前の組織だ。しかし、ケント様のご要望の内容は大筋掴めた。
「そこで、セシルにはホームズ探偵クラブの方に参加してもらいたい。なに、ただ会合に参加して、クラブ長の指示に従ってもらえればそれでいいんだ。できるかい?」
「もちろんでございます」
「そうか、それは何よりだ」
どんな組織かは知らないが、ただ会合に参加するくらいなら容易なミッションだ。そんな気楽に考えていたことを後悔することになった。
ホームズ探偵クラブの会合は、元町商店街にある「シャーロックカフェ」で行われていた。古くからのローカルな店が多いこの周辺は、どうにも不思議なお店が多く立ち並んでいる。
「失礼します。」
日本の昭和の雰囲気満載の店構えであるが、店主は生粋のシャーロキアンであり、常にホームズ感ある鹿撃帽に、インバネスコートというコスプレをしているらしい。
「いらっしゃい。おっ、その執事服はケント君が言っていた代理の子だね」
「はい、ケント様の代理として参りました。セバスと申します」
「はじめまして。私は表向きはこの店のオーナーだが、裏ではホームズ探偵クラブのクラブ長を務めている。クラブ内ではマイクロフトと呼ばれている」
「マイクロフト……ホームズの兄ですか」
「おぉ、よく知っているね。このクラブでは、みなホームズの登場人物の名をコードネームとしている。そうだな……君にはセバスチャン・モランの名を与えよう」
「はぁ……有難うございます」
僕がセバスと名乗ったことから、その命名なのだろう。モリアーティ―教授の右腕であり、ロンドンで二番目に危険な男と称される者の名を与えられるのは、まぁ複雑な気分である。
「では皆がそろうまで、ゆっくりくつろいでくれたまえ」
クラブのメンバーが揃うまでは、カフェの中に置いてあった本棚から一冊拝借した。見事なまでにホームズ関連の本しか並んでおらず、仕方なくセバスチャン・モランが登場する『空き家の冒険』を読んだ。
「みな集まったな。それでは今日の会合を始めよう」
クラブ長であるマイクロフト店長の号令で、ホームズクラブの会合は始まった。
「おや、見知らぬ顔があるね」
痩せたイタチのような顔のレストレードと名乗る男性は、鋭い目つきでそう言った。
「はじめまして、モラン大佐のコードネームを頂きました。ケント様のもとでお仕えしているセバスです」
「この子が、ジャック・ザ・リッパ-の捕獲のための囮になってくれるわけね」
色っぽい大人の雰囲気の女性がいった。おそらくホームズを出し抜いた女性、アイリーンのコードネームだろう。それよりも、今とても気になる発言があったのだが。
「えっと、ジャック・ザ・リッパ-の囮? 一体何の話ですか?」
「おや、何も聞いてなかったのかい? 元町界隈のヤリチン男性を震わせる存在、ジャック・ザ・リッパ-捕獲作戦のために、元々はケント君が囮になる予定だったんだよ。その代行で君が来たんだろう?」
全く聞いてないのだが。どうやらその囮の役を代わりにさせるために、僕は今日の会合に参加させられたようだ。
「そのジャック・ザ・リッパ-というのは一体……?」と尋ねると、レストレードさんが説明してくれた。
「元町に出没する怪人さ。夜な夜な出没し、ヤリチン男性のペニスを刈り取るんだよ」
それを聞いて、僕は思わず青ざめてしまった。そんな世にも恐ろしい怪人がこの街をうろついているとは初耳だ。
「誰がそんなことを……」
「男に捨てられた女性の犯行だとか、股間の切断が鮮やかなことから、神戸牛を取り扱う肉屋の犯行だと推理しているわ」
アイリーンさんはそう言って、ずずっと啜るようにコーヒーを一口飲んだ。
「まぁ事情を知らないセバスくんに、無理に囮をさせるわけにもいかないな。ケントくんもちゃんと説明しといてもらわないと困るなぁ、全く」とマイクロフト店長は顔をしかめた。
正直なところ、そんな恐ろしい怪人の囮なんて、絶対にやりたくない。しかし、それではケント様の顔に泥を塗ってしまうことになる。
「いや……、やりますよ。僕が囮にでも何でもやります」
執事として、僕は自分の股間を切り取られる覚悟をした。まさかこの若さでそんな決意をすることになろうとは。
「おぉ! やってくれるかね。それでは作戦は今日の夜決行だ」
「しかし、僕はヤリチンというほど女性経験があるわけではないですよ。僕で囮が務まるのでしょうか」
「心配いらない。ちゃんと君がはべらかす美女を用意しておいてやるさ」とレストレードさんは微笑んだ。
「これのどこがは美女なんですか? 説明してくださいよ。」
「どっからみても美女だろ? 二人もはべらかすなんて、この色男が」
「だったら代わってくださいよ。それにこれ、二人じゃないでしょ」
僕の横には、ビニール製の美女が二体いた。いわゆるダッチワイフという代物である。
「こっちのブロンド美女がローラ、そしてこっちの清楚系がステファニーだよ」とレストレードさんは笑顔で言った。
「どっちも見分けつかないんですけど。これってレストレードさんの私物ですか? まさかとは思いますが、使用済みじゃありませんよね?」
「俺の嫁だぜ、大事にしてくれよ」
もうとてつもなく帰りたい。おっさんの中古のダッチワイフを二体も抱えて、街中をうろつかなければならない。それだけでもとんだ羞恥プレイである。ましてや、ヤリチンを狙う怪人の囮になるなんて。
「アイリーンさんが女性役やってくれたらいいのに」と拗ねるように言ったが、「あら? 生身の女性にそんな危ない役をさせるのかしら」とアイリーンさんに軽く流されてしまった。
仕方なく僕は元町の裏路地を、ダッチワイフ二体と腕を組む形で抱えながら歩いた。こんなところを知り合いにでも見られたら、もう二度と口を聞いてもらえないことだろう。そして、そんな事を考えると、嫌な思考は実現してしまうものである。
「……あっ」
聞き覚えある少女の声が聞こえた。
「えっ?」と振り向くと、そこには女子高生らしい制服を着た少女がいた。一気に顔から血の気が引いていくのを感じた。
「エ……エマ様……。何でこんなところに……?」
「……あんたこそ、何してんの?」
最悪のタイミングで、最悪の相手に出くわしてしまった。エマ様は怪訝な表情で、僕とその両脇に抱えるダッチワイフを眺めた。
「……何その気持ち悪い人形?」
幸いな事に、エマ様はダッチワイフが性欲処理道具であることは知らないようだ。彼女の性知識が未熟なことに、僕は心から感謝した。
「あっ……と、これは、厄払い効果がある徳の高い人形でして」
「呪いの人形にしか見えないけど……」とエマ様は訝し気な目でダッチワイフを眺めた。それはともかく、彼女をジャック・ザ・リッパ-なんて怪人がうろつく場所から遠ざけなければならない。
「ケント様のご要望で、少し仕事をしているのです。この辺は近頃、刃物をもった物騒な怪人が出没しているらしいですよ。もう暗くなります、早くお屋敷の方にお戻りください」
そう言って、エマ様の背中を押すようにして表通りへと向かった。
「ちょっと……押さないでよ!」
「ほらほら、こんな路地裏で危険人物に出会ったらどうするんですか」
その時、路地裏の向かいに大きな体格の男が立っている影が見えた。
「ねぇ……。あの男、刃物持ってない?」とエマ様は震える声で言った。
その男の手には、街灯の光を反射して鈍く輝く包丁があった。まさか本当にジャック・ザ・リッパ-が出るなんて! しかもこんなタイミングで!
「お嬢様! 失礼します!」
「ふぇっ?」
僕はローラとステファニーをその場に投げ捨て、エマ様を抱きかかえた。
「ちょっと、いきなり何すんのよっ。 降ろしなさいよ!」
暴れるエマ様を抱きかかえたまま、すぐ近くにいたタクシーを捕まえ、車内に無理やり押し込んだ。
「この娘をドラクリヤ邸までお願いします!」
「ちょっと待って! あんたはどうすんのよ!?」
「いいから早く車を出してくださいっ!」
「っ!? あんた、後ろっ!」
振りむくと、刃物を持った大柄の男がこちらに向かって、すぐそばまで追いかけて来た。これはもう絶体絶命、殺されると心から思った。
「うわぁぁっ!」
「きゃぁぁっ!」
もう駄目だと断末魔の悲鳴をあげた僕達に対して、刃物を持った男は「おや、やはりセバスさんでしたか」と穏やかな声を出した。
「……は?」
その大男の正体は、包丁をコレクションするのが趣味な、屋敷に仕える料理人であった。
「何やってんですかっ!? フランケンさん!」
「いやぁ……元町の鍛冶屋さんで、包丁を新しく買ったんですよ。そしたら帰り道にセバスさんらしき人物がいたので、追いかけてきちゃいました。……おや、エマお嬢様までいたのですか」
エマ様を見ると、大粒の涙をぽろぽろと零しながら、放心状態でタクシーの座席に座っていた。
「全く、おどろかさないでくださいよ! 包丁持ったまま追いかけて来ないでください!」
「すみません。新しい包丁を買ったのが嬉しくてつい……」
「もういいですよ。今から帰りでしたら、放心状態のエマ様を、このまま屋敷まで送ってもらえますか?」
「わかりました。本当にすみません」
フランケンさんは、何度もぺこぺこと頭を下げてからタクシーに乗りこみ、お嬢様と共に屋敷に帰っていった。
「心臓が止まるかと思った……」
ようやく心拍数が元に戻ったところで、物影からいそいそとホームズ探偵クラブの面々が現れた。
「ちょっと、皆さん何してたんですか! 見てたんなら助けて下さいよ」
「いやぁ……あんな恐ろしい姿の人物が現れたら、さすがにねぇ」とレストレードさんはアイリーンさんと顔を見合わせた。
「全く……あれ? マイクロフトさんは?」
辺りを見渡したが、マイクロフトさんの姿は見えない。何だか胸騒ぎしたので、急いで路地裏に戻ってみると、ダッチワイフを抱えたマイクロフトさんが、フードを被った男に襲われかけている姿が目に入った。
僕は道端に落ちていた空き缶を拾い、フードの男にめがけて投げつけた。男が怯んだ隙に、腹部に蹴りを一発いれた。
「逃げてくださいっ!」
「すまん、怪しい男を見かけたもんだから後を付けたんだが……見つかってしまった」
「いいから早く逃げてください!」
マイクロフトさんが逃げる時間を稼ぐために、僕は謎の男と向かい合った。先ほど蹴り飛ばした衝撃でフードが外れ、照明で照らされた男の姿を見て、僕はぎょっとした。
その男の顔は牛の顔をしているのだった。牛の被り物をしているのかと首元を見たが、どうもそういうわけでもないらしい。牛のつぶらな瞳は、確かに瞬きをしたし、その荒い鼻息は生きた牛のものだと感じられた。腰には二本の大きな牛刀を携えていた。その姿は、まさにギリシャ神話のミノタウロスのようであった。
「お前がジャック・ザ・リッパーなのか?」
「……」
男は無言で、腰の牛刀を引き抜いた。さすがに刃物を持った相手に、素手で正面からやり合うほど無謀な事はできない。
周りに武器も見当たらず、足元にあったステファニーを手に取った。ビニール製のダッチワイフでは、どうしたって敵わないのは自明であったが、藁にもすがる思いであった。
「おらぁぁっ!」
ステファニーの脚を持って殴り掛かったものの、あえなく牛頭の男に切り裂かれてしまった。空気が抜けてしぼんでいく彼女を憐れに思いながら、今度は足元で転がっていたローラの首を掴み、彼女の脚で殴り掛かった。
若干の手ごたえがあった。完全なビニル製のステファニーとは違い、ローラは少し高級なダッチワイフだったので、彼女が履いているハイヒールは硬いプラスチック樹脂でできていた。
牛頭の男のこめかみに命中し、相手は少しひるんだ。しかし、それが余計に相手の怒りを買ってしまい、先ほどよりも激しく切り付けてきた。
「っしまった!」
ローラの柔らかいビニル製の太ももを斬りつけられてしまい、ローラもまた帰らぬ人になった。もし僕が生きて帰れたら、ダッチワイフがご臨終した件をレストレードさんに謝ろうと思ったが、どうにもそれは不可能のようだ。完全に壁に袋小路に追い詰められ、牛男は今にも先の鋭く尖った牛刀を振り下ろそうとしていた。
もう駄目だと目を瞑った瞬間、獣のうなるような重低音が耳に響いた。それが大型バイクのエンジン音だと気づいた時には、牛頭の男はバイクに思い切り追突され、五メートルほど先までふっ飛ばされていた。
黒服のライダーは、僕の手を握って後部座席に乗るように促した。急いで僕もバイクにまたがり、ライダーの背中にしがみ付いた。
牛頭の男はバイクにふっ飛ばされたにも関わらず、むくりと起き上がろうとした。しかし起き上がる前に、ライダーはバイクを勢いよく発進させ、地べたに寝ころぶ牛男をおまけに轢いてから走り去った。
「あの……助けていただいてありがとうございます」
「……」
命の恩人である黒のライダースジャケットの人物は、無言で僕を背中に乗せたまま、表通りへと向かって走った。そこで命の恩人であるライダーについて、僕はある事に気が付いた。。
先ほどまで、陰になっていたから、ライダーの顔が認識できないのだと思っていた。しかし、そうではなかった。表通りに出て街灯の照明に照らされても、ライダーの顔は分からなかった。そもそも、ライダーには首から上が無かったのだ。
「あの……あなた……頭は……?」
震える声で尋ねたが、ライダーからの返事はなかった。頭部がないのだから、それは当然といえば当然なのだが、そこまで考える余裕はなかった。
どこに連れられてしまうのだろうと不安に思っていると、JR駅前のロータリーでバイクは停止した。どうやらここで降ろしてもらえるらしい。
「あの……ありがとうございました」
「……」
やはり返事はなかったが、首なしライダーはポケットからスマホを取り出した。そして素早く文字を打ち込むと、画面をこちらに向けて差し出した。
“いや、礼には及ばない。”
「いえ、命を助けて頂いて、何も返さないわけにはいきません。ぜひ何かお礼を……」
そういうと、再び首なしライダーは文字を打ち込み、こちらに差し出した。
“そうだな。っじゃあ、もし私の頭を見かけたら、拾ってくれたら助かるよ。”
そう言って、首なしライダーは名刺を手渡して来た。そこには最速バイク便という文字と、メールアドレスが書かれていた。
「バイク便なんかやってるんですね」
“まぁね。っでは失礼するよ”
首なしライダーは、スマホをポケットにしまいこむと、エンジンを大きくふかして走り去ってしまった。
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