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三章 天下一暗黒天空武道会
020 私…気になります!!
しおりを挟む「おい、そこの銅の剣を携えたあんた。」
低い男らしい声に振り向くと、そこにはがたいのいい筋肉質な身体の中年の男が立っていた。腕に茶色の籠手を身に着け、白のパンツに黒の革製のチョッキを羽織っている。真っ黒な太い眉毛と伸ばした髭が、いかにも強そうな格闘家という雰囲気を醸し出していた。
「何の用ですか?」
勇者ワタルは怪訝な顔で答えた。
「あんたからは、なかなか腕の立つ者の気が感じられる。俺の名は格闘家のゴッサムだ。あんたも天下一暗黒天空武道会に出場するのか?」
「天下一暗黒天空武道会?」
ワタルが首をかしげると、格闘家ゴッサムはどこか懐かしい響きのあるその武道大会について説明した。
「天下一暗黒天空武道会とは、この世界の強者たちが集い、年に一度その強さを証明するための大会だ。お前も出場しないか?」
「いや、僕は旅の途中で立ち寄っただけです。特に参加する予定はないのですけど。」
「そうか…それは残念だ。一度手合わせ願いたかったのだがな。ちなみに優勝すれば、名誉と地位、そして莫大な賞金ももらえる。」
ゴッサムの言葉を聞いて、勇者ワタルの武道会への参加意欲が大きく高まった。
「莫大な賞金ですか?それはちょっと…私…気になります!!」
勇者ワタルは目をキラキラと金貨色に輝かせた。
「今一瞬、ちたん〇えるの姿が見えた気がしたが…。気のせいか。まぁいい。参加する意欲があるなら、お前も大会登録を済ませて置け。」
格闘家ゴッサムはそう告げると、どこかへと去っていった。ワタルとリーシャは、大会本部のある、闘技場へと向かった。
タグ:氷菓
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