ゲームで第二の人生を!~最強?チート?ユニークスキル無双で【最強の相棒】と一緒にのんびりまったりハチャメチャライフ!?~

俊郎

文字の大きさ
326 / 338
新たな始まり

280 皿洗いと瞬間移動

しおりを挟む
 いつも通りの和やかな昼食を終えた。
 お昼ということでボリュームは控え目だったけど、ミルキーとミゼルの二人が作ってくれた、美味しい料理だった。
 食器を纏めて、流しへと運んでおいた。

 タマと葵はリビングの床で、おろし金と並んで長くなっている。
 ミルキーとミゼルは、まだ椅子に座ってお茶を飲んでいるところだ。
 金剛は城へ戻ったっぽい。
 これも、いつもの光景だ。

 いつもと違う所と言えば、家の周囲に一般プレイヤー達がいることだろうか。
 最初の頃は声を掛けたりドアを叩いたりする人もいたが、無視していたらそれも止んだ。
 今は、どちらかと言うと外から入る者が居ないか、注意しているようだ。

 さて、今の状況でちょっと試したいことがある。

「ミゼル、ちょっと実験したいことがあるから、付き合ってもらってもいい?」
「はい、勿論ですわ。けれど、片付けをするので少し待っていただけますか?」

 ミゼルに手伝いを求めて声を掛けてみた。
 今日の実験には、協力者が必要だからだ。

 ミゼルは、快く了承してくれた。
 しかし、すぐに申し訳なさそうな顔に変わった。
 視線の先には、流しへと運ばれた皿。
 なるほど、皿洗いか。
 それは丁度良い。

「それなんだけど、俺にもやらせて欲しいんだ、皿洗い」
「いえ、これは妻として私が」
「お願い、実は、どうしても皿洗いがしたかったんだ」
「ですが……」
「――ミゼル様、私からもお願いします。私も前から言われていたんですけど、中々お任せする機会が無くてですね」

 皿洗い。
 料理と同じく、前からやってみたかったんだ。
 料理自体は少しだけ習ったけど、順番的には皿洗いからが正しい筈だ。
 アニメで見た。

 最初はきっぱりと断られそうになったが、ダメ押しでもう一度お願いしてみた。
 それでも微妙な感じだったが、ここでミルキーの援護が入った。
 前にちょろっとお願いしたことを覚えていてくれたようだ。

「そうなんですの?」
「はい。私達に気を遣っているのもあるかもしれませんけど、本当に皿洗いがしてみたそうなので、良ければ皆で一緒にしませんか?」
「そういうことでしたら、分かりました。夫婦三人でやりとげましょう」
「ありがとう、二人とも」

 俺の熱意とミルキーのアシストで、ミゼルも頷いてくれた。 
 むしろ三人での皿洗いにやる気が沸いて来たようだ。
 小さなガッツポーズが張り切っているのを表していて、妙に可愛い。

 早速皿洗いをしようと思ったが、少し狭い。
 家の改築メニューを開いて……あった。

 ミルキーとミゼルに説明して、問題ないか確認する。
 二人ともあっさりと許可をくれた。
 誰も俺達三人の皿洗いを邪魔出来ないぜ!

 キッチンの項目を選んで、十万cを突っ込む。
 確認のボタンが出るが、間違いない。≪はい≫だ。

 すると、家の中全体が白い光に包まれた。
 光はすぐに収まり、キッチンが広くなっていた。
 キッチンも、二人が同時に洗い物が出来る程のスペースが確保されている。
 蛇口もしっかり二本ある。
 素晴らしいな。

「これでオッケーだな」
「すごいですわね」
「やっぱり広い方が良いですね。≪三日月≫からもらったお金もまだ沢山ありますし、他の部分や畑なんかももっと広げても良いんじゃないでしょうか」
「そうだね」

 拡張された空間を見て、思わず満足な声が出てしまった。
 ミルキーが若干悪い顔をしているが、同意しかない。
 あのお金は≪伊達≫が賭けたものだから、もう俺達のものだ。
 好きに使って問題ない。

 広くなったキッチンで、三人並んで皿洗いだ。
 まず流しの右側で俺がざっと汚れを洗い流してから、洗剤をつけてこする。
 泡塗れにした食器は左側のスペースに置いていく。

 それを左側に立ったミルキーが、綺麗に洗い流す。
 そしてそれを、更に左側に立ったミゼルへと渡す。
 汚れと泡を落とした皿を受け取ったミゼルが綺麗に拭き上げて、終わりだ。

 今日城であったことなんかの雑談をしながら、楽しく和やかに皿洗いは進んでいく。
 気付けば、あっという間に終了した。
 三人でやればあっという間だ。

「あー、楽しかった。これからもどんどんやらせて欲しいな。それで、その内料理もやりたい」
「そうですね。料理も教えてほしいって頼まれてました」
「ふふ、ナガマサ様は面白いですわね。私(わたくし)もまだまだ修行中の身なので、一緒に精進いたしましょう」

 ミゼルが拭きあげた食器を戸棚に仕舞って、完全に終了だ。
 本当に楽しかった。
 でも、もっともっとやりようがある。
 次はもう少しだけでも上手に出来るようにしたい。
 いやー、皿洗いは奥が深いなー!

「ナガマサ様、お待たせしました。何をお手伝いしたらよろしいんですの?」
「うん? ……あっ、そうだった」

 いけないいけない、すっかり忘れていた。
 ミルキーにもミゼルにも笑われてしまっている。
 仕方ないから笑顔で誤魔化しておこう。

「ははははは。じゃあ、こっちに付いてきて」
「はい」

 ミゼルを連れて窓際へ。
 リビングを横断する時は、足元の三人と一匹を踏まないように気を付けて歩いた。
 タマはなんでお昼寝するのに二人になってるんだろうか。
 もしかして、二倍気持ち良かったりするのかな?

「最初に確認するから、少し待っててね」
「はい」

 ミゼルに待っててもらって、カーテンを少しずらす。
 そこから、結構離れた位置に意識を集中させる。
 そして、一歩踏み出した。

 景色が一瞬で変わり、俺は外に立っていた。
 うん、窓越しに瞬間移動は出来るな。これは前にも確認している。

 今度はここから、家の中に戻る。
 しかし、ずらしたカーテンの隙間はここからだと見えづらい。
 実際に一歩踏み出してみたが、発動しなかった。

 なるべく意識を室内に集中しながらゆっくり歩く。
 少し歩いた地点で、ピントが合ったような感覚があり、室内に移動していた。

「おかえりなさいませ」
「ただいま」

 ここまではただの確認だ。
 次のステップに移ろう。

「手を繋いでもいい?」
「ええ、どこまでも引いてくださいませ」
「ははは」

 ミゼルの笑顔が不意打ちすぎて照れる。
 誤魔化すように笑いながら、ミゼルの手を取る。
 柔らかくて、ほんのり温かい。
 ちょっと緊張する。

「それじゃあ、このまま瞬間移動出来るか試してみるよ。いい?」
「はい、いつでも覚悟は出来ていますわ」
「おっけー。じゃあ行くよ」

 手を引いたまま、意識を離れた箇所に合わせる。
 そして一歩。
 景色が切り替わる。

 俺の右手には変わらない感触。
 振り返ると、ミゼルが微笑んでいた。
 成功だ。
 
 瞬間移動は、他人を連れている状態でも発動出来るようだ。
 これで、いくら囲まれていても問題なくなった。
 精神的には、あまり嬉しい状態じゃないのは変わらないけど。

しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~

黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜

音無響一
ファンタジー
わーい、異世界来ちゃった! スキルスキル〜何かな何かな〜 ネットスーパー……? これチートでしょ!? 当たりだよね!? なになに…… 注文できるのは、食材と調味料だけ? 完成品は? カップ麺は? え、私料理できないんだけど。 ──詰みじゃん。 と思ったら、追放された料理人に拾われました。 素材しか買えない転移JK 追放された料理人 完成品ゼロ 便利アイテムなし あるのは、調味料。 焼くだけなのに泣く。 塩で革命。 ソースで敗北。 そしてなぜかペンギンもいる。 今日も異世界で、 調味料無双しちゃいます!

処理中です...