147 / 338
140 植物の株探し
しおりを挟むミゼルの別荘(?)に戻ると、ミルキーが丁度出てきた。
ミゼルとのお話も終わったらしい。
「ナガマサさん、頑張ってください」
なんて言われたのは何故なのか。
聞いても教えてもらえなかった。
タマ、ミルキーと一緒に、中断していた引っ越しの挨拶を終わらせた。
どこもおじさんやおばさんばかりだ。
偶におじいさんも出てきた。
みんな粗品を笑顔で受け取ってくれた。良い人達ばかりみたいで良かった。
家へ戻った。
ああ、自分の家ってだけでなんかテンション上がってくる。
現実では、広いけどずっと同じ部屋にいるのは退屈で仕方が無かった。
第二の人生最高!
リビングでミルキーと畑について話し合う。
さっき買ったものもお披露目だ。
ミルキーも何か植物を植えたいって言ってたしな。
「畑の方はこんな感じの仕様だよ。楽しそうじゃない?」
「そうですね。広さもありますし、好きにいじれるのはすごく楽しみです! 余らなかったらお金を貯めてでも拡張していきたいです」
「そうだね。とりあえず村で売ってた植えられそうなものは買って来たけど、他にも色々あるだろうから狩りしながら探そう」
「いいですね!」
畑の説明をした。
興味があると言っていた通り、わくわくした顔をしている。
植えるもの探しにも乗り気だ。
ストーレの森にも何か生えてたりしないかな。
街でも珍しい植物を誰か売ってるかもしれないし、ああ悩む。
「今日はこれからどうしよう? ストーレの街でお店を周るのも良さそうだけど、お金も少ないし植物探しを兼ねてお金稼ぎはどうかなと思うんだけど」
「そうですねー、私もそれがいいと思います」
「じゃあそうしよう」
「はーい!」
「はい」
今日の予定は決定だ。
素材を探しつつお金稼ぎ。
狩場は≪輝きの大空洞≫で……あそこって植物生えてないよな。
あってコケくらいだ。
「狩場はどうしよう。≪輝きの大空洞≫だと植物生えてないよね?」
「途中の山なら色々生えてそうですよ。狩りをしながら、となるとストーレの森の方が良さそうですけど」
「うーん」
輝きの大空洞があるMAPへ向かう途中の山で採集しつつ、お金の為の狩りは大空洞。
ストーレの森でクワガタを蹂躙しながら、草を探す。
どっちがいいかな。
金銭効率で言えば大空洞だな。
あそこは宝石も取れるし、触手は将軍クワガタと同じくらい強い。
素材もかなり高値で売れる筈だ。
ストーレの森なら草を探す時間が長くとれる。
草もいっぱい生い茂ってるから、いいものが見つけられそうだ。
どっちを取るか。悩む。
「今日は大空洞の方にしようか。お金があれば選択肢も増えるし」
「分かりました」
「はーい!」
決定。
ひとまずお金。
世の中お金だからな。
お金を稼いでおけば街で植物も探せるし、見つからなくても他に必要なものに回せる。
裏口を出るとそこは放牧スペースに繋がっている。
ここも二段階拡張してあり結構広い。
放牧スペースで飼うモンスターも探したいな。
コインが必要だから一旦後回しだけど。
ノンアクティブのモンスター限定なのも難しい。
この村の周りにいた草羊とか良さそうだから、コインが売ってないか探してみてもいいな。
その為にもお金が必要だ。
「キュル」
「おろし金ー! よーしよしよしよし」
「おろし金、大空洞の方まで行くから乗せてくれ」
「キュルル!」
日向ぼっこをしていたおろし金が俺達を見つけて寄ってきた。
カナヘビの走り方って可愛いよな。
タマがおろし金の頭を抱えて可愛がっている。
お願いすると、タマがすっと離れる。
おろし金が短く鳴いてドラゴンモードへ姿を変えた。
何度見てもかっこいい。
黒いオーラを放つコインを食べさせたせいで、ちょっとダークな感じになったから村の人達に誤解されたんだろうな。
それでもかっこいいのは変わらない。
背中に乗って大空洞の方へ。
おろし金には手前の山で降ろしてもらうように改めてお願いした。
タマは飛んでいくようだ。
真っ直ぐ飛ぶおろし金の周りを、高速でぐるぐる回っている。
まるで衛星だな。
あっと言う間に山へ到着した。
おろし金もカナヘビモードへ戻っている。
ドラゴンモードだとさすがに木が邪魔だからな。
「ようし、今から二時間程この山を散策しよう。目的は植物の株。採取もしくは植物系モンスターのドロップ品で手に入るらしいから頑張ろう」
「「おー!」」
いつも元気なタマと、いつもは大人しいミルキーの声が重なった。
ミルキーのやる気も十分だ。
おろし金は一旦コインに戻して全員が別行動を開始した。
今は目的が採集だからこの方が効率がいい。
時間が限られてるから俺達は本気だ。
時々襲ってくるモンスターは適当に蹴散らしながら、地面を凝視して歩く。
何か落ちてないか。
草、草生えてないか。
おっ、なんか違うのを見つけた。
≪トリクワガタ≫
植物/毒草 品質:C レア度:E
真っ赤な花弁を持つ植物。
その根には猛毒が含まれている。
毒草だった。
売れるかもしれないし持っていく。
アイテムには違いないからな。
このマップには植物型のモンスターもいた。
名前は≪プラント≫。
そのまますぎる。
攻撃範囲に入ると地面から根っこを突き上げて攻撃してくる。
剣で切り付けて一撃で倒す。
ドロップアイテムは≪植物の茎≫。
あんまり使い道の無さそうなアイテムだな。
とりあえず時間一杯頑張るぞ。
地面に隠れてる草を見つけるんだ。
試しにスキル一覧を開いてみた。
取得可能スキルの覧に≪植物採集の道≫というスキルが生えていた。
効果は植物系アイテムのドロップ率アップ。
早速取得だ。
俺達三人に共有されるし、これで効率アップ間違いない。
0
お気に入りに追加
1,190
あなたにおすすめの小説
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
神様との賭けに勝ったので異世界で無双したいと思います。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。
突然足元に魔法陣が現れる。
そして、気付けば神様が異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
もっとスキルが欲しいと欲をかいた悠斗は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―――
※チートな主人公が異世界無双する話です。小説家になろう、ノベルバの方にも投稿しています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる