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雷を通さなくて丈夫で堅いもの。なーんだ

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「動くな!動いたらコイツを殺す!」

私はあっという間に後ろから羽交い締めにされてしまった。

滝隆二はギラギラとした目で私を睨み付けてくる。先程までの余裕の表情は何処へ行ったのやらその口元はニタニタと醜く歪んでいる

「大人しくお前達の隠れ家へ案内しろ。そうすれば命だけは助けてやる。どうだ?」

嫌らしい笑みで私に解いてくる。絶対この人約束守る気ない。というか、転生者ファイルに載っていた顔写真からじゃ分からなかったけど、この人何というか・・・幼い。外見は立派な大人の体格なんだけど、なんか近くで見てみると、所々幼い所作が見える。まあいい、とりあえずこの人を大人しくさせないと。

「いいか、変な動きをするなよ!変なことをしたら雷で撃ち殺すからな!」

言葉では強がっているけど、私を押さえている手が微妙に震えている。ライドと戦ってかなり怖かったんだろうか、私を捕まえてほっとしているように見える。

「よ、よし、そうだ。大人しく案内しろ。」

私は大人しく案内する、振りをして滝隆二を思いきり突き飛ばす。

「!お前・・・」

私に向って少ない魔力を絞り出し雷を放とうとする。だが、

「今よ!」

私の一声で、地中からにゅっと、泥にまみれたサラマンダーの前脚が飛び出し、滝隆二の脚を掴んだ。

「な、何を!」

自分を掴んでいるサラマンダーの前脚に慌てて雷を放つが、雷は泥にはじかれてしまう。私の目的は滝隆二の捕獲。しかし、普通に捕まえたところで雷を放たれたんじゃたまったものではない。そこで私は地中に潜行することの出来るサラマンダーにお願いしたのだ。粘土があるところを探してくるようにと。

蔦縄で捕獲したとしても、電気熱で切られてしまうだろうが、粘土ならば熱に強いし、電気も通さない。それに、さっきまでライドと戦っていた所為で彼の魔力はほぼスッカラカン。魔法で抵抗しようとしても無駄だろう。

サラマンダーが粘土を探している間、ライドに時間稼ぎをして貰い、合図がでたら私はわざと滝隆二に捕まる。そして私を人質にして安心しているところで、サラマンダーに滝隆二を捕まえて貰い、粘土を使って拘束するという、まあかなり杜撰な作戦だったけど、何とか上手くいったのでよし。それに、魔力が切れているからしばらくの間は身体能力の強化も使えないから逃げ出す心配もほとんど無い。

「う、うわあああ!やめろおおお!」

情けない声を上げながら、滝隆二はそのまま地面へと引きずり込まれてしまった。

そして暫くすると、サラマンダーが泥人形を抱えて地中から出てきた。かなり頑丈に創ったんだろう。滝隆二の二倍くらいの大きさになっている。その上かなり精巧に作られている。ぱっと見精悍になったハニワだ。ちゃんと目と口の部分に穴が空いていて行きも出来るようになっている。それに周りを覆っている泥もかなりカチコチだ。まるで光る泥団子みたいに光沢を帯びている。

「クロロ?クロロクルル」

どうだい?良い出来だろう。と言った風にサラマンダーが私を見てくる。

私は

「ぐっどじょぶ!」

と、親指を上げ、下手くそな英語でサラマンダーをねぎらった。サラマンダーも親指を立てて応えてくれた。
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