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魔力石の秘密

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幼女(妖精)に言われたとおり、左のポケットに入っていた物を取り出し、テーブルの上に置く。それはタマミが私にくれた緑色の綺麗な石だ。

「お主、それがなんだか分かるか?」

幼女(妖精)がそう問いかけてくる。

「魔力石・・・でしょうか?」

「うむ、確かに魔力石の一つじゃ。じゃが、魔力石には様々な種類があるということは知っておるか?」

魔力石に種類?そんなことエリックさんもルミナールさんも言ってなかった気がするけど・・・

「それはそうじゃろ。人間はこの石を魔力が詰まった石ころだとしか認識しておらんからな。」

ん?どういうこと?

「魔力石とは元々魔神だったのじゃ。お主の持っているのは魔神の目の一部じゃな。」

は?

ぽかんと口を開け呆ける私を余所に、幼女(妖精)は静かに語り始めた。

・・・・・

・・・

まあ、ざっと5000年くらい前の話じゃ。その時代は今よりも魔法が盛んであった古の時代。まあ儂がいたいけな乙女だった時代じゃ。

おい、何じゃその顔は。文句は受付けんぞ?

え?今もいたいけな幼女?馬鹿者!これでも5000年前よりは成熟しておるんじゃ!

まあいい。その時代には魔神という存在が猛威を振るい、この世界の平穏を脅かしておった。
魔神とはとある魔法に優れた者が作り出した人工の神じゃ。

その者は世界を平和にするために魔神を作り出したのじゃが、予想に反して魔神は破壊の限りを尽くし、終いには世界を焼き始めた。

その者は魔神に問うた。“何故世界を焼くのか”と。

魔神は答えた。“争いが起こらない世界にするためには初めから作り直さねばならぬ。だがら世界を真っ白な状態に戻す。”と

魔神を創りだした者は絶望した。何というものを創り出してしまったのかと。平和を思って創り出した神が逆に平和を脅かす存在となるとは思わなかったのじゃ。

魔神を造りだした物は絶望にうちひしがれ、どこかへと消えてしまったそうじゃ。

その後、人や神獣、そして儂ら妖精達は互いに協力し、全力を尽くし、何とか魔神を打ち倒した。

打ち倒された魔神は断末魔の悲鳴を上げながら魔神は石化し、砕け散った。

その砕け散った石こそが現在では魔力石と呼ばれるようになったのじゃ。

そして打ち倒された場所こそが、儂の管理するこの森なのじゃ。だからこの森には今でも魔神の一部である魔力石が点在していると言うわけじゃ。

で、お主が拾ってきたその魔力石は元々魔神の目の一部分じゃったというわけじゃ。

魔力石は、先も言ったように元々魔神の一部じゃ。だからどんなに小さくとも芳醇な魔力を秘めておる。じゃが魔力石の本当にすごいところはここからじゃ。

なんと魔力石は所有者にある程度の身体強化を施すのじゃ。お主の場合は目の一部じゃから、目が強化されておる。この場所への入り口を見つけることが出来た位じゃ。かなり強化されておるじゃろう。
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