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異世界でも物理と化学が通用するから理系は勝ち組
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「ヴェル様!サポートお願いします!」
「分かった!」
ヴェルと金髪の女の子が杖を振り下ろすと、無数の氷の礫が私達に向かって放たれる。かろうじて避けると、私の後ろにあった木がメキメキと音を立てて倒れた。さっきの炎の矢よりも物理的な威力は高そうだ。
ライドの体に何発かは命中するが、ライドを傷つける前に纏う炎によって全て蒸発している。だが
「炎の勢いが弱まって・・・?」
氷の礫が当たる度にライドの炎の勢いは弱まっていた。それにライドの息が不自然に上がっている。
何かがおかしい、そう思って近くに落ちていた氷の礫を拾ってみると、白い煙を出しており、火傷するかと思うくらい冷たかった。もしかしてこれは・・・ドライアイス!
そういうことか!
ドライアイスは蒸発しても二酸化炭素になるから、ライドの炎でドライアイスは蒸発するけど、かわりにライドの周りでは二酸化炭素の濃度が高くなる。これならライドの炎が弱まったのも、ライドの息が不自然に上がっていたのも説明が付く。
ここは逃げるしか無い!私はライドを呼び戻し、急いで逃げようとするが
「“逃がさない!”」
ヴェルがそう言った瞬間、私の足は地面に縫い付けられたかのように動かせなくなった。
「嘘でしょ~!」
妖精(おっさん)もライドも動かせないらしい。これはマズい。ヴェルの方を見ると、先程の氷の礫とは比べものにならない、巨大な氷塊を作り出していた。
瞬間、白い何かが私達の前に立ちふさがる。それは、尻尾が何故か3本に増えているサラちゃんと一緒にいるはずのブリザード・ウルフの子だった。
「駄目!早く逃げて!」
私の叫びも空しく、ヴェルの杖は振り下ろされ、巨大な氷塊が
「何?!」
私達に当たるはずだった氷塊は見えない何かに跳ね返されたのか、氷塊を作り出したヴェルの元へと戻り
「ぎゃああああ!!」
予想もしていなかった攻撃にヴェルは自分の作り出した氷塊に押しつぶされ、地面に張り付いたように動かなくなっていた私達の足は自由に動かせるようになった。
「よ、よくもヴェル様を!」
金髪の女の子が氷の礫をブリザード・ウルフの子に向けて放つが、すべて当たる寸前に砕け散る。
「クゥオォォォォオン!!」
「きゃあああ!」
そして仕返しと言わんばかりに金髪の女の子に数多の雷が降り注ぐ。それだけでは無く、口から放たれた業火が追い打ちを掛け、あっという間に女の子は沈黙した。
「ブリザード・ウルフってすごく強いんですね・・・ってどうしたんですか?!」
妖精(おっさん)の顔を見ると、もの凄く青くなって、ダラダラと信じられない量の汗をかいている。
「あ、あ、あれ・・・ブリザード・ウルフの子供なんて可愛いものじゃ無かったわ・・・」
え?じゃあ何?
「あれは!神獣!九尾狐の子供よぉ!」
・・・まじ?
「分かった!」
ヴェルと金髪の女の子が杖を振り下ろすと、無数の氷の礫が私達に向かって放たれる。かろうじて避けると、私の後ろにあった木がメキメキと音を立てて倒れた。さっきの炎の矢よりも物理的な威力は高そうだ。
ライドの体に何発かは命中するが、ライドを傷つける前に纏う炎によって全て蒸発している。だが
「炎の勢いが弱まって・・・?」
氷の礫が当たる度にライドの炎の勢いは弱まっていた。それにライドの息が不自然に上がっている。
何かがおかしい、そう思って近くに落ちていた氷の礫を拾ってみると、白い煙を出しており、火傷するかと思うくらい冷たかった。もしかしてこれは・・・ドライアイス!
そういうことか!
ドライアイスは蒸発しても二酸化炭素になるから、ライドの炎でドライアイスは蒸発するけど、かわりにライドの周りでは二酸化炭素の濃度が高くなる。これならライドの炎が弱まったのも、ライドの息が不自然に上がっていたのも説明が付く。
ここは逃げるしか無い!私はライドを呼び戻し、急いで逃げようとするが
「“逃がさない!”」
ヴェルがそう言った瞬間、私の足は地面に縫い付けられたかのように動かせなくなった。
「嘘でしょ~!」
妖精(おっさん)もライドも動かせないらしい。これはマズい。ヴェルの方を見ると、先程の氷の礫とは比べものにならない、巨大な氷塊を作り出していた。
瞬間、白い何かが私達の前に立ちふさがる。それは、尻尾が何故か3本に増えているサラちゃんと一緒にいるはずのブリザード・ウルフの子だった。
「駄目!早く逃げて!」
私の叫びも空しく、ヴェルの杖は振り下ろされ、巨大な氷塊が
「何?!」
私達に当たるはずだった氷塊は見えない何かに跳ね返されたのか、氷塊を作り出したヴェルの元へと戻り
「ぎゃああああ!!」
予想もしていなかった攻撃にヴェルは自分の作り出した氷塊に押しつぶされ、地面に張り付いたように動かなくなっていた私達の足は自由に動かせるようになった。
「よ、よくもヴェル様を!」
金髪の女の子が氷の礫をブリザード・ウルフの子に向けて放つが、すべて当たる寸前に砕け散る。
「クゥオォォォォオン!!」
「きゃあああ!」
そして仕返しと言わんばかりに金髪の女の子に数多の雷が降り注ぐ。それだけでは無く、口から放たれた業火が追い打ちを掛け、あっという間に女の子は沈黙した。
「ブリザード・ウルフってすごく強いんですね・・・ってどうしたんですか?!」
妖精(おっさん)の顔を見ると、もの凄く青くなって、ダラダラと信じられない量の汗をかいている。
「あ、あ、あれ・・・ブリザード・ウルフの子供なんて可愛いものじゃ無かったわ・・・」
え?じゃあ何?
「あれは!神獣!九尾狐の子供よぉ!」
・・・まじ?
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