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社長面接?それなんかより王様謁見の方が緊張します
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さて・・・とうとうこの日が来てしまった・・・すごく緊張する。なんていうか就活をしていたらいきなり社長面接に飛ばされたような、そんな感じがする。
朝早くからケラノスさんとマキンソンさんが馬車で迎えに来てくれたので、私はラケシスさんから送られてきた、この世界での正装だという水色のドレス(正直こんなの着たことないから恥ずかしい・・・)を着て、ラケシスさんのアドバイス通り高級な菓子折をもって王城へと向かった。(残念ながらライドはお留守番)
王城に着いた私は、アウディベル子爵の屋敷で通された応接室なんかよりもさらに豪華な部屋に通された。
ふかふかのソファーに座っているとしばらくして
「アウディベル子爵に三女神との話し合いの場を設けたのは其方か」
「・・・はい、そうです!」
トランプのキングのような服を着て、金色の王冠を被り、そして金色の杖を持った人が入ってきた。
「失礼名乗るのが遅れたな。我はファンデルワース・ド・エブリミス。この国イザベルを治める王だ。」
「望結と申します。」
私が自己紹介をするや否や王様は私のことをまじまじと見つめこういった。
「ふむ、見たところ其方の魔力は脆弱。しかし貴様は苦も無く女神を『真理の魔道具』を用いて擬似的に召喚したと聞いておる。何故其方は女神とそこまで近しいのだ。」
あー・・・分かってたけどやっぱり私魔力無いんだ・・・じゃなくて!
「わ、私、三女神様からの命により世界中を旅しておりますので。そのためめ、女神様達との連絡はみみ密に取れるようにしております。」
か、噛んだ・・・恥ずかしい・・・
「なんと、そうであったか。」
王様が驚いたような顔をする。よかった噛んだことはスルーしてくれた。
「で、一つ頼みがあるのだが、我にも女神と一目会わせてはくれぬか?」
「・・・わかりました。」
ここで私は自分のスマホを起動し、ラケシスさんにビデオ通話をかける。三回もコールしないうちにラケシスさんは出てくれた。
『お呼びですか?望結さん』
私のスマホに映し出されるラケシスさんの姿に王様は驚きはしたが、すぐに自己紹介を始めた。
「私はイザベルの国王ファンデルワース。女神よお会いできて光栄です。」
『・・・私はモイライの一柱、女神ラケシスです。』
・・・なんかラケシスさんの挨拶がすごいシンプル。王様がかなり丁寧に挨拶しているのに対し、ラケシスさんの挨拶はかなり冷え切っているような感じがする。これが普通なのかと思っていたら、王様がラケシスさんに対して
「疑うわけではありませんが、貴女が本物のラケシス様であるという証拠を見せて貰いたい。」
と言う質問を投げかけてきた。やっぱりすぐに信じるわけはないかと思いつつ、私は何も出来ないのでラケシスさんの反応を待つ。
当のラケシスさんは少し考えると、とんでもないことを口にした。
『では一つだけ。本物のファンデルワース王は何処ですか?』
朝早くからケラノスさんとマキンソンさんが馬車で迎えに来てくれたので、私はラケシスさんから送られてきた、この世界での正装だという水色のドレス(正直こんなの着たことないから恥ずかしい・・・)を着て、ラケシスさんのアドバイス通り高級な菓子折をもって王城へと向かった。(残念ながらライドはお留守番)
王城に着いた私は、アウディベル子爵の屋敷で通された応接室なんかよりもさらに豪華な部屋に通された。
ふかふかのソファーに座っているとしばらくして
「アウディベル子爵に三女神との話し合いの場を設けたのは其方か」
「・・・はい、そうです!」
トランプのキングのような服を着て、金色の王冠を被り、そして金色の杖を持った人が入ってきた。
「失礼名乗るのが遅れたな。我はファンデルワース・ド・エブリミス。この国イザベルを治める王だ。」
「望結と申します。」
私が自己紹介をするや否や王様は私のことをまじまじと見つめこういった。
「ふむ、見たところ其方の魔力は脆弱。しかし貴様は苦も無く女神を『真理の魔道具』を用いて擬似的に召喚したと聞いておる。何故其方は女神とそこまで近しいのだ。」
あー・・・分かってたけどやっぱり私魔力無いんだ・・・じゃなくて!
「わ、私、三女神様からの命により世界中を旅しておりますので。そのためめ、女神様達との連絡はみみ密に取れるようにしております。」
か、噛んだ・・・恥ずかしい・・・
「なんと、そうであったか。」
王様が驚いたような顔をする。よかった噛んだことはスルーしてくれた。
「で、一つ頼みがあるのだが、我にも女神と一目会わせてはくれぬか?」
「・・・わかりました。」
ここで私は自分のスマホを起動し、ラケシスさんにビデオ通話をかける。三回もコールしないうちにラケシスさんは出てくれた。
『お呼びですか?望結さん』
私のスマホに映し出されるラケシスさんの姿に王様は驚きはしたが、すぐに自己紹介を始めた。
「私はイザベルの国王ファンデルワース。女神よお会いできて光栄です。」
『・・・私はモイライの一柱、女神ラケシスです。』
・・・なんかラケシスさんの挨拶がすごいシンプル。王様がかなり丁寧に挨拶しているのに対し、ラケシスさんの挨拶はかなり冷え切っているような感じがする。これが普通なのかと思っていたら、王様がラケシスさんに対して
「疑うわけではありませんが、貴女が本物のラケシス様であるという証拠を見せて貰いたい。」
と言う質問を投げかけてきた。やっぱりすぐに信じるわけはないかと思いつつ、私は何も出来ないのでラケシスさんの反応を待つ。
当のラケシスさんは少し考えると、とんでもないことを口にした。
『では一つだけ。本物のファンデルワース王は何処ですか?』
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