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異世界でも人の家に土足で上がってはいけない
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皆さんこんにちは神様達の不始末を片付けるために異世界に派遣された本田望結です。私は今
「待てやゴラアアアア!!」
「いやあああああ」
背中からちっちゃい翼の生えた巨漢の男に追いかけ回されています。
何でこんなことになったのかというと・・・
~30分前
「うう・・・ここどこ・・・?」
進んでも進んでも同じ景色。当然ながら周りに人なんて居ない。半泣きになりながら森の中を進んでいたらいきなり拓けた場所に出た。よかったここで少し休も・・・
「ララララ~」
な、なんか背中からちっちゃい翼を生やしたおっさんが鼻歌を歌いながらスキップして横切っていった。
だ、大丈夫だここは異世界。翼の生えたおっさんが鼻歌歌いながらスキップしていたって何ら不思議はない。ここは見なかったフリをして・・・
「・・・」
だめだ見つかった。めちゃくちゃ私のことじっと見てる。
「見たな」
おっさんは私にそう言うといきなり全力で追いかけ始めた
・・・
というわけで私はこの人に追いかけ回されているのである。
ああもうどうしよー!異世界転移数時間で早くも命の危機だよ!
とか思っていたらスマホに着信があった。
やっぱり神様!ここぞと言うときに手を差し伸べてくれる!
「大丈夫ですか?」
大丈夫じゃないです!絶賛命の危機です!筋肉ゴリゴリの翼の生えたおっさんに追いかけ回されています!
「あー妖精の縄張りにはいってしまったのですね」
え?妖精?こんなゴツいのに?!ていうか妖精の縄張りって何?なんでこの人こんなに怒っているの?!
「その世界は魔力が満ちていることから人と妖精の距離感は近しいものとなっています。だから人間が妖精と出くわすことは珍しくないのです。」
え?じゃあ私何も悪くなくない?鼻歌歌いながらスキップしてた所を見られたのは恥ずかしかったかもしれないけどさ。
「でも妖精の縄張りはいわゆるプライベート空間のようなものなので、いくら温厚な妖精でも入ってきたものには容赦がありません。」
「じゃあつまり、勝手に自分の家に土足で入ってきたから怒っているっていうこと?」
「そういうことです」
そりゃ怒るわ!
「でも普通の人間は妖精の縄張りには入れないので、向こうもかなり驚いていると思いますよ?」
「え?」
じゃあ何で私は入れたの・・・?
あ
もしかして・・・
「ちなみに妖精の縄張りには入れたものは幸運の持ち主とその世界では言われています。」
やっぱりあんたらのくれたちょっと幸運になる力のせいじゃないか!!
てかそうじゃなくて!この状況どうしたら良いの?!
「怒ってしまったからには仕方ありません。望結さん、何か甘いものはありませんか?」
「あ、甘いものですか・・・?飴玉ならありますけど」
「それを妖精に差し出してください。それで大抵の妖精の怒りは収まります。」
ま、まじか。
・・・
現在私はおっさん(妖精)に向かって人生初の土下座を披露していた。
「んで?何で俺の縄張りに入った。」
「あ、あなた様に貢ぎ物をしようと思いまして」
「あん?貢ぎ物?」
「そ、そうです!あなた様に貢ぎ物をしようと思いまして!」
「ふうん・・・じゃあ何で逃げた」
うぐっ痛いところを・・・
「まあいい俺が鼻歌を歌っていたことは誰にも言うなよ」
わ、分かっております。何卒お許しを・・・
「ふん。もう二度と勝手に入るなよ」
私が差し出した飴玉をひったくり、おっさんは森の奥へと消えていった。
た、助かった・・・
「待てやゴラアアアア!!」
「いやあああああ」
背中からちっちゃい翼の生えた巨漢の男に追いかけ回されています。
何でこんなことになったのかというと・・・
~30分前
「うう・・・ここどこ・・・?」
進んでも進んでも同じ景色。当然ながら周りに人なんて居ない。半泣きになりながら森の中を進んでいたらいきなり拓けた場所に出た。よかったここで少し休も・・・
「ララララ~」
な、なんか背中からちっちゃい翼を生やしたおっさんが鼻歌を歌いながらスキップして横切っていった。
だ、大丈夫だここは異世界。翼の生えたおっさんが鼻歌歌いながらスキップしていたって何ら不思議はない。ここは見なかったフリをして・・・
「・・・」
だめだ見つかった。めちゃくちゃ私のことじっと見てる。
「見たな」
おっさんは私にそう言うといきなり全力で追いかけ始めた
・・・
というわけで私はこの人に追いかけ回されているのである。
ああもうどうしよー!異世界転移数時間で早くも命の危機だよ!
とか思っていたらスマホに着信があった。
やっぱり神様!ここぞと言うときに手を差し伸べてくれる!
「大丈夫ですか?」
大丈夫じゃないです!絶賛命の危機です!筋肉ゴリゴリの翼の生えたおっさんに追いかけ回されています!
「あー妖精の縄張りにはいってしまったのですね」
え?妖精?こんなゴツいのに?!ていうか妖精の縄張りって何?なんでこの人こんなに怒っているの?!
「その世界は魔力が満ちていることから人と妖精の距離感は近しいものとなっています。だから人間が妖精と出くわすことは珍しくないのです。」
え?じゃあ私何も悪くなくない?鼻歌歌いながらスキップしてた所を見られたのは恥ずかしかったかもしれないけどさ。
「でも妖精の縄張りはいわゆるプライベート空間のようなものなので、いくら温厚な妖精でも入ってきたものには容赦がありません。」
「じゃあつまり、勝手に自分の家に土足で入ってきたから怒っているっていうこと?」
「そういうことです」
そりゃ怒るわ!
「でも普通の人間は妖精の縄張りには入れないので、向こうもかなり驚いていると思いますよ?」
「え?」
じゃあ何で私は入れたの・・・?
あ
もしかして・・・
「ちなみに妖精の縄張りには入れたものは幸運の持ち主とその世界では言われています。」
やっぱりあんたらのくれたちょっと幸運になる力のせいじゃないか!!
てかそうじゃなくて!この状況どうしたら良いの?!
「怒ってしまったからには仕方ありません。望結さん、何か甘いものはありませんか?」
「あ、甘いものですか・・・?飴玉ならありますけど」
「それを妖精に差し出してください。それで大抵の妖精の怒りは収まります。」
ま、まじか。
・・・
現在私はおっさん(妖精)に向かって人生初の土下座を披露していた。
「んで?何で俺の縄張りに入った。」
「あ、あなた様に貢ぎ物をしようと思いまして」
「あん?貢ぎ物?」
「そ、そうです!あなた様に貢ぎ物をしようと思いまして!」
「ふうん・・・じゃあ何で逃げた」
うぐっ痛いところを・・・
「まあいい俺が鼻歌を歌っていたことは誰にも言うなよ」
わ、分かっております。何卒お許しを・・・
「ふん。もう二度と勝手に入るなよ」
私が差し出した飴玉をひったくり、おっさんは森の奥へと消えていった。
た、助かった・・・
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