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05 勇者 vs 剣聖
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賢者を仲間にした勇者一行は次に
大国「モンテロー」に向かう。
そこでも勇者の認定を受け、剣聖の啓示を受けた者を紹介された。
私の目の前に派手な衣装の男が立っている。
優男のような感じでとても剣の達人には見えない。
しかも仮面を被っており顔も分からない。
しかし、この男が剣聖で間違いないのだろう。
「私はレオンという。宜しくな」
「………剣聖だ。宜しく」
ぶっきらぼうな男だ。
しかもマリーから超絶イケメンと聞いていたのだが
仮面をされては分からない。
「私はアリシアです。
未熟ですが聖女の啓示を受けています。
宜しくお願いします」
「ああ、宜しく聖女」
「私は賢者マリーン宜しくね」
「ああ、よろしく賢者」
あまりの素っ気なさに二人も困惑気味だった。
「それで、君はなんと呼べばいい?」
「剣聖と呼んでくれ。勇者」
「そ、そうか、しかしできれば名前を教えてくれないか?
これから共に戦うんだ。それくらいはいいだろう?」
「それくらい……だと?」
「あ、ああ、気に触ったなら申し訳…」
「この僕の気高く!美しい! この僕の名前を!
それくらいだと!」
こ、コイツまさか!
激昂した剣聖だったがすぐに冷静になった。
「ふぅ。取り乱してしまって済まない。
僕としたことが美しく無いね。申し訳なかった」
「いや、こちらこそ済まなかった。
貶めるつもりだった訳ではないんだ」
「ああ、わかっているとも。どうにも僕は
僕のことになると我を忘れてしまう悪い癖があってね。」
「そ、そうか」
もう面倒だし剣聖でいいか。
「美しいレディー達も済まなかったね。
しかし、僕の美しい名前を呼んでいいのは美しい僕だけ。
だから 剣聖と呼んでほしい。
そんな僕が君たちの名前を呼ぶのは不公平だろうから
僕も君たちの名前は呼ばないでおこう。」
「そう…ですか」
「ふーん、了解」
アリシアは困惑した表情。
マリーは興味をなくした様だ。
「一応聞くが、その仮面も?」
「ああ、僕の美しく尊い顔を拝謁できるのも僕だけなのさ」
もう突っ込むとかは無しだ。
触れてはいけないゾーンだということはよく判った。
アリシアとマリーも無言で頷いた。
きっと私と同じ結論に至ったと思われる。
「わかった。とにかく宜しく」
「任せてくれ、勇者」
こいつからも人前で勇者と呼ばれるのか。
しかもこんなに香ばしいと目立って仕方がないな。
町ではなるべく一緒に居ないようにしよう。
しかし、超絶イケメンと聞き心配していたが
超絶ナルシストというなら話は別だ。
アリシアにちょっかい出される事も無いだろう。
「剣聖さ」
「何かな?賢者」
マリーが剣聖に話しかけた。
何か良くないことを企んでいる……気がする。
「挨拶代わりに貴方の実力を見てみたい。
勇者レオン様と手合わせをお願いできないかしら?」
ぶは! いきなり何を!
それに勇者レオン様って……
「お安いご用さ。勇者もいいかい?」
「ああ、そうだな、お互いの技量を確認した方がいいか。」
驚きはしたが考えてみれば
マリーの提案はいかにも彼女らしい。
マリーは戦いに関して慎重だった。
剣聖の実力値を見極めて
立ち回り方を構築しなおすのだろう。
「あと、マリー。その呼び方は止めて欲しい」
「だって、お姉ちゃん」
やはりアリシアの差し金か。
「名前で呼んで欲しいと仰っていたのに」
アリシアが残念そうだ。
「肩書を付けないで是非呼んでくれ」
「もう勇者様いじわるなんだから」
やはり名前では呼んでくれない。少しヘコむな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
剣聖と手合わせをした。
そして惨敗。
正直悔しい。
私は勇者の啓示を受ける前から
騎士として毎日鍛錬は欠かしていない。
剣技においても強者である自負があった。
しかし剣聖は天才だった。
私の努力では太刀打ち出来なかったのだ。
お互いスキルは使わず純粋に剣技での勝負だった。
悔しい、悔しいのだが嬉しい。
情けなくも嬉しいという複雑な心境だ。
何故嬉しいのか?
それはアリシアに膝枕をしてもらって治療を受けているからだ。
私は負けた際、転んで頭を打って気絶しまった。
情けない限りだ。
目が冷めた時、私はアリシアに膝枕されていた。
気絶していたのはほんの1,2分との事だった。
最初は状況がつかめず、やがて膝枕に気づいた時
慌てて起き上がろうとしたのをアリシアに止められた。
頭を打ったので大事をとってヒールする必要があると
言われてしまったのだ。
「勇者様、大事をとってもう少し動かないで下さいね」
「ああ、有難う」
「勇者、僕の剣技の前で5分も立っていられたんだ。
称賛に値するよ」
剣聖が変な慰め方をしてきた。
「それは、誇っていいのか?」
「ああ、誇っていいさ。普通は10秒未満だからね」
それで、〝ああそうなのか、それは凄い!〟と
なる男はいないだろう。当然ながら私もそうだ。
男としてアリシアにいい所を見せたかったのだがな。
「二人ともおつかれー。だいたい判ったよ」
「マリーの役に立てて何よりだ」
「まぁまぁレオン役得なんだから怒らない。
ね、お姉ちゃん」
マリーの言葉を受けて顔が赤くなるアリシア。
ん?どういう事だ?
「なるほどね、そういうことか。納得したよ」
「そういうこと剣聖」
「そういうことなら、先に行っているよ。
美しい僕をあまり汗だくのままにしておきたくない。
まあ僕の汗も美しく、芳しいけどね」
「そだね。 私も先に行ってるねー」
ニヤニヤしながらマリーは行ってしまった。
何なのだ一体。
「アリシア済まない重いだろう。もうそろそろ
いいんじゃないか?」
「重くなんてありません。勇者様もう少しだけこのままで」
「あ、ああ分かった」
ではお言葉に甘え、もうすこし膝枕を堪能しよう。
しかし、負けた上に膝枕でヒールを受ける勇者か。
「なぁ、アリシア」
「なんでしょう勇者様。」
「時々思うのだが、何故神は私に啓示を下さったのかな?
もっと強い者は一杯いるだろうに。」
「勇者様はお強いです。
勇者に必要な強さはきっと戦う力とは違うもの。
だからレオン様を勇者にお選びになったのだと思いますよ?」
「え!?」
今、名前で呼んでくれた…
「もう!恥ずかしいのですから言わせないで下さい。」
「あ、ああ済まない。」
この時の私は気付かなかった。
ヒールにそもそも膝枕は必要ないし、
こんなに長い時間が必要なはずが無いことに。
了
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Winner:剣聖と思いきや聖女(乱入参加)
決まり手:膝枕ヘブンからの名前呼びというご褒美により
勇者はもうタジタジのメロメロ。
これは何度も立ち上がる勇者へ
聖女からのご褒美なのだ。
膝枕される男とする女、どちらも顔は真っ赤だった。
~賢者マリーンの日記より抜粋
大国「モンテロー」に向かう。
そこでも勇者の認定を受け、剣聖の啓示を受けた者を紹介された。
私の目の前に派手な衣装の男が立っている。
優男のような感じでとても剣の達人には見えない。
しかも仮面を被っており顔も分からない。
しかし、この男が剣聖で間違いないのだろう。
「私はレオンという。宜しくな」
「………剣聖だ。宜しく」
ぶっきらぼうな男だ。
しかもマリーから超絶イケメンと聞いていたのだが
仮面をされては分からない。
「私はアリシアです。
未熟ですが聖女の啓示を受けています。
宜しくお願いします」
「ああ、宜しく聖女」
「私は賢者マリーン宜しくね」
「ああ、よろしく賢者」
あまりの素っ気なさに二人も困惑気味だった。
「それで、君はなんと呼べばいい?」
「剣聖と呼んでくれ。勇者」
「そ、そうか、しかしできれば名前を教えてくれないか?
これから共に戦うんだ。それくらいはいいだろう?」
「それくらい……だと?」
「あ、ああ、気に触ったなら申し訳…」
「この僕の気高く!美しい! この僕の名前を!
それくらいだと!」
こ、コイツまさか!
激昂した剣聖だったがすぐに冷静になった。
「ふぅ。取り乱してしまって済まない。
僕としたことが美しく無いね。申し訳なかった」
「いや、こちらこそ済まなかった。
貶めるつもりだった訳ではないんだ」
「ああ、わかっているとも。どうにも僕は
僕のことになると我を忘れてしまう悪い癖があってね。」
「そ、そうか」
もう面倒だし剣聖でいいか。
「美しいレディー達も済まなかったね。
しかし、僕の美しい名前を呼んでいいのは美しい僕だけ。
だから 剣聖と呼んでほしい。
そんな僕が君たちの名前を呼ぶのは不公平だろうから
僕も君たちの名前は呼ばないでおこう。」
「そう…ですか」
「ふーん、了解」
アリシアは困惑した表情。
マリーは興味をなくした様だ。
「一応聞くが、その仮面も?」
「ああ、僕の美しく尊い顔を拝謁できるのも僕だけなのさ」
もう突っ込むとかは無しだ。
触れてはいけないゾーンだということはよく判った。
アリシアとマリーも無言で頷いた。
きっと私と同じ結論に至ったと思われる。
「わかった。とにかく宜しく」
「任せてくれ、勇者」
こいつからも人前で勇者と呼ばれるのか。
しかもこんなに香ばしいと目立って仕方がないな。
町ではなるべく一緒に居ないようにしよう。
しかし、超絶イケメンと聞き心配していたが
超絶ナルシストというなら話は別だ。
アリシアにちょっかい出される事も無いだろう。
「剣聖さ」
「何かな?賢者」
マリーが剣聖に話しかけた。
何か良くないことを企んでいる……気がする。
「挨拶代わりに貴方の実力を見てみたい。
勇者レオン様と手合わせをお願いできないかしら?」
ぶは! いきなり何を!
それに勇者レオン様って……
「お安いご用さ。勇者もいいかい?」
「ああ、そうだな、お互いの技量を確認した方がいいか。」
驚きはしたが考えてみれば
マリーの提案はいかにも彼女らしい。
マリーは戦いに関して慎重だった。
剣聖の実力値を見極めて
立ち回り方を構築しなおすのだろう。
「あと、マリー。その呼び方は止めて欲しい」
「だって、お姉ちゃん」
やはりアリシアの差し金か。
「名前で呼んで欲しいと仰っていたのに」
アリシアが残念そうだ。
「肩書を付けないで是非呼んでくれ」
「もう勇者様いじわるなんだから」
やはり名前では呼んでくれない。少しヘコむな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
剣聖と手合わせをした。
そして惨敗。
正直悔しい。
私は勇者の啓示を受ける前から
騎士として毎日鍛錬は欠かしていない。
剣技においても強者である自負があった。
しかし剣聖は天才だった。
私の努力では太刀打ち出来なかったのだ。
お互いスキルは使わず純粋に剣技での勝負だった。
悔しい、悔しいのだが嬉しい。
情けなくも嬉しいという複雑な心境だ。
何故嬉しいのか?
それはアリシアに膝枕をしてもらって治療を受けているからだ。
私は負けた際、転んで頭を打って気絶しまった。
情けない限りだ。
目が冷めた時、私はアリシアに膝枕されていた。
気絶していたのはほんの1,2分との事だった。
最初は状況がつかめず、やがて膝枕に気づいた時
慌てて起き上がろうとしたのをアリシアに止められた。
頭を打ったので大事をとってヒールする必要があると
言われてしまったのだ。
「勇者様、大事をとってもう少し動かないで下さいね」
「ああ、有難う」
「勇者、僕の剣技の前で5分も立っていられたんだ。
称賛に値するよ」
剣聖が変な慰め方をしてきた。
「それは、誇っていいのか?」
「ああ、誇っていいさ。普通は10秒未満だからね」
それで、〝ああそうなのか、それは凄い!〟と
なる男はいないだろう。当然ながら私もそうだ。
男としてアリシアにいい所を見せたかったのだがな。
「二人ともおつかれー。だいたい判ったよ」
「マリーの役に立てて何よりだ」
「まぁまぁレオン役得なんだから怒らない。
ね、お姉ちゃん」
マリーの言葉を受けて顔が赤くなるアリシア。
ん?どういう事だ?
「なるほどね、そういうことか。納得したよ」
「そういうこと剣聖」
「そういうことなら、先に行っているよ。
美しい僕をあまり汗だくのままにしておきたくない。
まあ僕の汗も美しく、芳しいけどね」
「そだね。 私も先に行ってるねー」
ニヤニヤしながらマリーは行ってしまった。
何なのだ一体。
「アリシア済まない重いだろう。もうそろそろ
いいんじゃないか?」
「重くなんてありません。勇者様もう少しだけこのままで」
「あ、ああ分かった」
ではお言葉に甘え、もうすこし膝枕を堪能しよう。
しかし、負けた上に膝枕でヒールを受ける勇者か。
「なぁ、アリシア」
「なんでしょう勇者様。」
「時々思うのだが、何故神は私に啓示を下さったのかな?
もっと強い者は一杯いるだろうに。」
「勇者様はお強いです。
勇者に必要な強さはきっと戦う力とは違うもの。
だからレオン様を勇者にお選びになったのだと思いますよ?」
「え!?」
今、名前で呼んでくれた…
「もう!恥ずかしいのですから言わせないで下さい。」
「あ、ああ済まない。」
この時の私は気付かなかった。
ヒールにそもそも膝枕は必要ないし、
こんなに長い時間が必要なはずが無いことに。
了
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Winner:剣聖と思いきや聖女(乱入参加)
決まり手:膝枕ヘブンからの名前呼びというご褒美により
勇者はもうタジタジのメロメロ。
これは何度も立ち上がる勇者へ
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