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28.アークサンドにて
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アーティア達一行が、フェリス公爵領の領都を出てから3日経っていた。
一行は既に国境を抜け、アークサンド帝国に入っている。
「ジジ殿 まさかここを生きて通り抜けれるとは思いませんでしたよ」
ジャンがそう言うのも無理は無い。
一行が人に知られる事無く国境を超えるべく取ったルートは入ったら最後、二度と帰れないと言われる通称”帰らずの森”と呼ばれる場所だったのだ。
実際、多くの勇気ある者達がこの森に足を踏み入れ、そして誰一人帰ってこれた者はいない。
「ほっほっほ。この森は古の賢人達の術が掛けられておってな。ある邪悪な魔物が森から出てこられぬ様、迷い続ける森にしておるのじゃよ」
「それで、森に入った者も出てこれなくなると」
「うむ」
「でもジジ様、では私達はどうして迷わなかったのですか?魔物にも一切出会いませんでしたし」
「そーだよ。何かカラクリがあるんでしょ」
ジジの説明に3人は首をかしげた。
確かにジジの説明通りなら何故自分たちは出てこれたのか。
「ほっほ、アーティアにかけて貰った”おまじない”のお陰じゃよ」
「森に入る前にジジ様に頼まれた祝詞がですか?」
「あれって只のおまじないじゃないの?」
「光属性に高い資質を持つ者の祝詞が迷わぬ為に必要な儀式なんじゃよ。昔は常識じゃったんだがのう」
そう言ってジジは髭を撫でた。
「そうなんだ。 お祖父ちゃんとお姉ちゃんのお陰だね」
カロンは今日も絶賛猫かぶり中だった。
ジャンがいる限り、本性を現すことは無いと思われる。
あまりに聞き慣れない「お祖父ちゃん」にジジは顔が少し引き攣り、アーティアは内心苦笑した。
「さて、ワシの判るのはここまでですわい。帝国内の案内はジャン殿にお任せしますかのう」
「はい、お任せ下さい」
ジジの言葉を受けたジャンの先導で一行は旅路を急ぐのであった。
向かう先はアークサンドの帝都だ。
◇◆◇
何事も無く、そう本当に何事も無く帝都に着いた一行。
これには理由があり、ジジとカロンがジャンを意識し、お互い猫を被っていたからだった。
カロンはお祖父ちゃんっ子を演出していたし、ジジも好好爺をを演出した。
途中で立ち寄った温泉でも本当に何事も起きなかったのだ。
但し、ジジはジャンと一緒に入ったお風呂にてこっそり泣いた。
「ジジ殿、有難うございました。アーティア、カロンも有難う。ここから先は危険だから俺一人で行くよ。必ず戻って来るから宿屋で待っていて欲しい」
数日の旅ではあるが、ジャンはアーティアとの距離を詰めていた。
「アーティアさん」と呼んでいたのが「アーティア」になっている。
その呼び方はより親しみが籠もっていた。
呼び方の変化は当然ジジもカロンも気づいていたが2人の進展を暖かく見守っていたのである。
一方のアーティアも邪法の影響を受けずに親しくしてくれるジャンにだいぶ安心して話せるようになった。
しかし未だに「ジャン様」と敬称が付くのはリリアーシア時代の口調が抜けないからで、本人としては一歩前に進んで”ジャンさん”と呼びたいのに、どうしても”様”になってしまう。
だからアーティアはカロンの人懐こさがとても羨ましいのだった。
それはそうとして、ジャンの要望は3人に向けてというよりもアーティア1人に向けられた言葉だった。
その事に気付かないのもまた、アーティアだけだったが。
「そんな、危険と判っているのに1人で行くだなんて。私達に手伝える事は何か無いのですか?」
アーティアは自分に何が出来るのか判らないが、何でもいいからジャンの役に立ちたかった。
その気持ちがどこから来るのかアーティアはわかっていない、いや気付かない様にしている。
友情からなのか、それとも……
「ありがとうアーティア。でもここは俺に任せて欲しい。実は既に手を打ってある」
ジャンの瞳には強い決意が込められていた。
その瞳に見つめられてアーティアもそれ以上は何も云えず、彼の言葉に従うより無くなってしまった。
去っていくジャンの後ろ姿を見えなくなってもアーティアは見続けていた。
さて、ジャンの後ろ姿を見つめるのアーティア後ろでカロンととジジが被っていた猫を脱いでいた。
「ふはー、あー疲れた。ジジィ、後で足の裏マッサージしてよ」
「同じく疲れたのうって、こりゃカロン立場が逆じゃ」
「ジジィのマッサージなんてごめんだね」
「カロンにマッサージ任せたらこっちが大変じゃ。それよりカロン……」
「んー(背伸びしながら)わかってますってジジィ」
・
・
・
「大変ですジジ様。カロンちゃんの姿が見えません」
ジャンの後ろ姿をじっと見つめていたアーティアが我に返って振り返った時、ジジと一緒に居たはずのカロンの姿が無いことに気づき、迷子になったのではと顔を青くした。
それに対し、ジジの口調は穏やかそのもの。
「カロンなら少し市場を見て回りたいからと行ってしまったぞい」
「え、こんな大きな、初めての都市で……探さないと」
「アーティア落ち着きなさい。儂の作ったお守りを持たせてあるから安心じゃよ。宿の場所も教えてあるし、たまにはいいじゃろうて」
「ジジ様がそうおっしゃるなら」
ジジの特性お守りの効果がどの様なものかは判らないが、ジジが許可して行かせたのなら大丈夫だろうとアーティアは思った。
「さてアーティア。儂らはジャン殿が手配した宿で吉報が届くのを待つとしようかの」
「はい……」
ジャンはいつの間に宿を手配したのだろう?
そんな疑問が浮かびはしたが、ジャンを心配にする気持ちが上回り、アーティアはさして気に止めなかった。
指定された宿屋に着くまでは。
「こりゃ凄いのう」
ジジは驚きの声を上げた。
宿屋は大きかったでは済まないレベルだった。
馬車での乗り降りを可能にする為の車道が整備された美しい前庭がある、まるでお屋敷のような高級宿屋だったのである。
アーティアはリリアーシアとして生きていた頃、この様な高級宿屋を利用していた。
王都と公爵領を行き来する途中の宿はこの様な貴族向けの宿を利用してていたのである。
そしてだから判ってしまった。
ジャンが只の騎士ではなく、爵位の高い貴族であることを。
宿に入るのにも、扉の横に立つ制服を着た従業員2人が、礼儀正しくお辞儀をして扉を開けてくれた。
この2人はドアマンなのだろう。
「ジャン様のお連れであらせられるジジ様とアーティア様でございますね。ジャン様より丁重にお饗しする様に仰せつかっております。まずは部屋までご案内致します」
中に入ると執事服を着た姿勢の正しい男がやってきて、アーティア達に一礼すると、話しかけてきた。
その内容にアーティアは驚いた。
本来は、旅人の格好をしたジジとアーティアは追い出される格の宿屋だ。
その様な宿を事前に手配し、しかも話を通してあるとは。
アーティアの驚きはまだ続いた。
案内された部屋がどう考えてもロイヤルスイートクラスだからだった。
しかもジジに一部屋、アーティアとカロンに一部屋だ。
公爵令嬢リリアーシアだった頃でさえ、このクラスの部屋で宿泊したことは無い。
部屋で一人になったアーティアは豪華なソファに遠慮がちに腰を下ろす。
アーティアの頭の中を占めるのはジャンついて。
ジャンは一体何者なのか。
アーティアは考えるのが怖くなった。
答えを出してしまえば、遠い、とても遠い存在になってしまうのが判ってしまったのだ。
考えても考えなくても事実は変わらない。
しかしそれでも考えを止めたのは、お別れの時が近い予感を感じたアーティアのささやかな抵抗。
ジャンを思うアーティアの体は薄っすらと光っていたが、その事にアーティアは気付かなかった。
一行は既に国境を抜け、アークサンド帝国に入っている。
「ジジ殿 まさかここを生きて通り抜けれるとは思いませんでしたよ」
ジャンがそう言うのも無理は無い。
一行が人に知られる事無く国境を超えるべく取ったルートは入ったら最後、二度と帰れないと言われる通称”帰らずの森”と呼ばれる場所だったのだ。
実際、多くの勇気ある者達がこの森に足を踏み入れ、そして誰一人帰ってこれた者はいない。
「ほっほっほ。この森は古の賢人達の術が掛けられておってな。ある邪悪な魔物が森から出てこられぬ様、迷い続ける森にしておるのじゃよ」
「それで、森に入った者も出てこれなくなると」
「うむ」
「でもジジ様、では私達はどうして迷わなかったのですか?魔物にも一切出会いませんでしたし」
「そーだよ。何かカラクリがあるんでしょ」
ジジの説明に3人は首をかしげた。
確かにジジの説明通りなら何故自分たちは出てこれたのか。
「ほっほ、アーティアにかけて貰った”おまじない”のお陰じゃよ」
「森に入る前にジジ様に頼まれた祝詞がですか?」
「あれって只のおまじないじゃないの?」
「光属性に高い資質を持つ者の祝詞が迷わぬ為に必要な儀式なんじゃよ。昔は常識じゃったんだがのう」
そう言ってジジは髭を撫でた。
「そうなんだ。 お祖父ちゃんとお姉ちゃんのお陰だね」
カロンは今日も絶賛猫かぶり中だった。
ジャンがいる限り、本性を現すことは無いと思われる。
あまりに聞き慣れない「お祖父ちゃん」にジジは顔が少し引き攣り、アーティアは内心苦笑した。
「さて、ワシの判るのはここまでですわい。帝国内の案内はジャン殿にお任せしますかのう」
「はい、お任せ下さい」
ジジの言葉を受けたジャンの先導で一行は旅路を急ぐのであった。
向かう先はアークサンドの帝都だ。
◇◆◇
何事も無く、そう本当に何事も無く帝都に着いた一行。
これには理由があり、ジジとカロンがジャンを意識し、お互い猫を被っていたからだった。
カロンはお祖父ちゃんっ子を演出していたし、ジジも好好爺をを演出した。
途中で立ち寄った温泉でも本当に何事も起きなかったのだ。
但し、ジジはジャンと一緒に入ったお風呂にてこっそり泣いた。
「ジジ殿、有難うございました。アーティア、カロンも有難う。ここから先は危険だから俺一人で行くよ。必ず戻って来るから宿屋で待っていて欲しい」
数日の旅ではあるが、ジャンはアーティアとの距離を詰めていた。
「アーティアさん」と呼んでいたのが「アーティア」になっている。
その呼び方はより親しみが籠もっていた。
呼び方の変化は当然ジジもカロンも気づいていたが2人の進展を暖かく見守っていたのである。
一方のアーティアも邪法の影響を受けずに親しくしてくれるジャンにだいぶ安心して話せるようになった。
しかし未だに「ジャン様」と敬称が付くのはリリアーシア時代の口調が抜けないからで、本人としては一歩前に進んで”ジャンさん”と呼びたいのに、どうしても”様”になってしまう。
だからアーティアはカロンの人懐こさがとても羨ましいのだった。
それはそうとして、ジャンの要望は3人に向けてというよりもアーティア1人に向けられた言葉だった。
その事に気付かないのもまた、アーティアだけだったが。
「そんな、危険と判っているのに1人で行くだなんて。私達に手伝える事は何か無いのですか?」
アーティアは自分に何が出来るのか判らないが、何でもいいからジャンの役に立ちたかった。
その気持ちがどこから来るのかアーティアはわかっていない、いや気付かない様にしている。
友情からなのか、それとも……
「ありがとうアーティア。でもここは俺に任せて欲しい。実は既に手を打ってある」
ジャンの瞳には強い決意が込められていた。
その瞳に見つめられてアーティアもそれ以上は何も云えず、彼の言葉に従うより無くなってしまった。
去っていくジャンの後ろ姿を見えなくなってもアーティアは見続けていた。
さて、ジャンの後ろ姿を見つめるのアーティア後ろでカロンととジジが被っていた猫を脱いでいた。
「ふはー、あー疲れた。ジジィ、後で足の裏マッサージしてよ」
「同じく疲れたのうって、こりゃカロン立場が逆じゃ」
「ジジィのマッサージなんてごめんだね」
「カロンにマッサージ任せたらこっちが大変じゃ。それよりカロン……」
「んー(背伸びしながら)わかってますってジジィ」
・
・
・
「大変ですジジ様。カロンちゃんの姿が見えません」
ジャンの後ろ姿をじっと見つめていたアーティアが我に返って振り返った時、ジジと一緒に居たはずのカロンの姿が無いことに気づき、迷子になったのではと顔を青くした。
それに対し、ジジの口調は穏やかそのもの。
「カロンなら少し市場を見て回りたいからと行ってしまったぞい」
「え、こんな大きな、初めての都市で……探さないと」
「アーティア落ち着きなさい。儂の作ったお守りを持たせてあるから安心じゃよ。宿の場所も教えてあるし、たまにはいいじゃろうて」
「ジジ様がそうおっしゃるなら」
ジジの特性お守りの効果がどの様なものかは判らないが、ジジが許可して行かせたのなら大丈夫だろうとアーティアは思った。
「さてアーティア。儂らはジャン殿が手配した宿で吉報が届くのを待つとしようかの」
「はい……」
ジャンはいつの間に宿を手配したのだろう?
そんな疑問が浮かびはしたが、ジャンを心配にする気持ちが上回り、アーティアはさして気に止めなかった。
指定された宿屋に着くまでは。
「こりゃ凄いのう」
ジジは驚きの声を上げた。
宿屋は大きかったでは済まないレベルだった。
馬車での乗り降りを可能にする為の車道が整備された美しい前庭がある、まるでお屋敷のような高級宿屋だったのである。
アーティアはリリアーシアとして生きていた頃、この様な高級宿屋を利用していた。
王都と公爵領を行き来する途中の宿はこの様な貴族向けの宿を利用してていたのである。
そしてだから判ってしまった。
ジャンが只の騎士ではなく、爵位の高い貴族であることを。
宿に入るのにも、扉の横に立つ制服を着た従業員2人が、礼儀正しくお辞儀をして扉を開けてくれた。
この2人はドアマンなのだろう。
「ジャン様のお連れであらせられるジジ様とアーティア様でございますね。ジャン様より丁重にお饗しする様に仰せつかっております。まずは部屋までご案内致します」
中に入ると執事服を着た姿勢の正しい男がやってきて、アーティア達に一礼すると、話しかけてきた。
その内容にアーティアは驚いた。
本来は、旅人の格好をしたジジとアーティアは追い出される格の宿屋だ。
その様な宿を事前に手配し、しかも話を通してあるとは。
アーティアの驚きはまだ続いた。
案内された部屋がどう考えてもロイヤルスイートクラスだからだった。
しかもジジに一部屋、アーティアとカロンに一部屋だ。
公爵令嬢リリアーシアだった頃でさえ、このクラスの部屋で宿泊したことは無い。
部屋で一人になったアーティアは豪華なソファに遠慮がちに腰を下ろす。
アーティアの頭の中を占めるのはジャンついて。
ジャンは一体何者なのか。
アーティアは考えるのが怖くなった。
答えを出してしまえば、遠い、とても遠い存在になってしまうのが判ってしまったのだ。
考えても考えなくても事実は変わらない。
しかしそれでも考えを止めたのは、お別れの時が近い予感を感じたアーティアのささやかな抵抗。
ジャンを思うアーティアの体は薄っすらと光っていたが、その事にアーティアは気付かなかった。
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