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14.悪女の登城2
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「私もビニートス殿がまさかこの様な恐ろしい行動に出るとは考えても……しかし私がその様に考えていると思われたのなら、この罪は私に有りますわ」
ナルシリスはあくまでビニートスが勝手に間違った忖度をしたと言った。
そして間違った行動を望んでいる様に思われた自分に罪があると。
「ルリは悪くない! そんなつもりで言ったのでは無いんだ」
アルドリヒは慌てた。
もともとナルシリスを疑っていた訳ではないし、ビニートスが侯爵邸に出入りしていると発した真意は、ビニートスの情報を何か持っていないか聞きたいだけだった。
ほんの少しだけ嫉妬もあって責めるよう感じで言ってしまっただけ、それがまさかこんな事になるとは。
「殿下……しかし私の発言が取り返しのつかない勘違いをビニートス殿にさせてしまいましたわ。その様な者は王太子妃には相応しくありませんわ」
「そんな事言わないでくれルリ。君の発言に問題は何一つない。僕としてはあの会話であの男がどうしてそんな解釈をしたのか不思議なくらいだ」
「殿下はお優しすぎますわ。でも私を快く思わない者達はどんなに隠してもいずれ見つけ出すと思うのです。そうなれば追求を受けるのは避けれませんし、殿下にご迷惑をおかけしてしまいますわ。私にはそれが耐えられないのです」
「ああ、ルリ。僕を気遣ってくれるなんて、優しいのは君の方だ。 大丈夫、大丈夫だとも、ルリを悪く言う者は全て排除するから。ルリは心配しないで全て僕に任せてくれ」
「アル……」
なんて事だ。
リリアーシア嬢の護衛騎士がとんでもない事をしでかしてくれた。
元とは言え王太子の婚約者であった公爵家のご令嬢を手に掛けるとは。
しかし、護衛の騎士に殺されるとは、護衛騎士だった男に問題があったのか、公爵家に問題があったのか、それともご令嬢本人に問題があったのか。
いずれにせよ、婚約破棄されてからも自らの死でナルシリス様との仲を裂こうとし、殿下に迷惑を掛けるとはなんと疫病神のような女か。
会話を聞いていた侍従はそう思った。
侍従はそれが操作された感情だとは思っていない。
「兎も角、殺人犯はこちらで直ぐに捕らえよう」
もはや泳がせずにビニートスを捕らえるべきだとアルドリヒは考えた。
ナルシリスに不利な証拠があれば隠滅しなければならない。
王太子の婚約者である者に変な噂が立つのは困るのだ。
「それには及びませんわ。実はビニートス殿はそのまま当家でもてなしておりまして、今頃は薬で眠っている筈ですわ。それよりももう一つの方を聞いて下さいまし」
ナルシリスの魔力に反応し、魔道具に記録されていたナルシリスとビニートスのもう一つの会話が再生される。
『それで……どうしてリリアーシア様の形見が土産になるんですの?それは貴方の物でしょう。私には必要の無いものですわ』
『もうリリアーシア様はこの世におりません。それが私の土産です。マスクはその事を示しているに過ぎません』
『リリアーシア様の死が私への土産……貴方は何を言っているの?百歩譲って彼女の死が土産だとして、ソレに関して貴方は何をされたのかしら。彼女を死を只利用しようとしているだけではありませんこと?』
『……それは』
『彼女の死を利用し彼女を侮辱するなど彼女の親友として到底許せる事では有りませんわ。ですがリリアーシア様はお優しい方。護衛騎士だった貴方を処罰することは望まないでしょう。ですからお話はこれまで。もうお引き取り下さらないかしら』
『俺が、俺だからこそ、このマスクを手に入れることが出来たんだ』
『つまり、貴方はリリアーシア様の自殺に関係があると』
『ああ、そうだ』
『私にとってリリアーシア様がが邪魔な存在なので貴方が私の為に彼女を自殺に追い込んだ、そう言いたいのかしら』
『そういう話だっただろう。お察しの通り俺があの女を陥没湖に突き落とした。落ちたものを全て沈めてしまう魔の陥没湖にな』
再生が終わった時、王太子がため息を漏らす。
「ルリやはり君は優しい女性だ。君が法的に裁かれるなんて事は無い。それでこの魔道具を預かっていいかな。貴族殺しは死罪だ。この録音は最大の証拠になる」
アルドリヒはビニートスがリリアーシアを陥没湖に突き落とした事を影の報告により確認していたが、裁判で場で影の報告は証拠にならない。(王家に有利すぎて公平性を保てないから)
今更、リリアーシアなどどうでもいいが、公爵家が婚約破棄の報復に動き出すと困る。
そこできっちり裁判で有罪にし、怒りの矛先を王家からビニートスに替えてもらおうじゃないか、と考えていた。
娘殺しの罪人を公爵に引き渡せば、後は勝手に処分してくれるだろう。
その際は、公爵の恨みがナルシリスへも向かうことが微塵もないにしなければならない。
何にせよこの自供の記録はありがたいものだ。
そしてこちらの記録があれば、最初の記録は握り潰しても構わない。
さすがルリだ、とアルドリヒはナルシリスを心中で褒め称える。
ビニートスは間違った。
いざという時ナルシリスを道連れにしたかったなら魔道具の送り先は王太子ではなく、王太子妃の座を狙う他の高位貴族家に送るべきだった。
しかしビニートスからの連絡が途絶えた時、王太子に送るように手配済で、もはや手遅れだった。
そして王太子を喜ばせ、ナルシリスに失笑される事になる。
「アルのお心のままに」
「有難うルリ。殺人犯はこちらで引取ろう。直ぐに向かわせる」
アルドリヒは侍従の一人に目配せををする、侍従は一礼し急ぎ部屋より出ていった。
ビニートス確保の為に動き出したのだろう。
「僕の優しいルリ。心配しないでくれ。僕の前では笑っていてほしい」
真面目な話は終わったとばかりにアルドリヒはナルシリスの肩に手を回してきた。
「アル……皆様が見ておりますわ。私の口からこれ以上言わさせないで下さいまし」
「少しだけだよ。本当にルリは可愛い人だな」
王太子の行為に再びナルシリスは顔を赤くした。
◇◆◇
帰りの馬車の中ナルシリスはご満悦だった。
ほぼ目論見通りに事が進んだからだ。
(ふふふ、間抜けのおかげで邪魔者の影響を排除できそうだわ)
ナルシリスの登城目的、それは自身が王太子妃になるのを快く思わない者達の意見を排除する事だった。
そのためにビニートスを利用したのだった。
そもそも正式に婚約が破棄され、更に正式に自分が婚約者になった時点でリリアーシアは脅威でもなんでも無い。
今更リリアーシアが返り咲くなど不可能なのだ。
だから、放置しておいても構わなかった。
ずっと醜くなった顔を嘆いて生きていけばいいとも思った。
それはそれで、自らを差し置いて王太子の婚約者に収まっていた女にはふさわしい罰ではないか。
ただ、復讐に走られて足を引っ張られても面倒だ。
ビニートスの間抜けが勝手に勘違いしてリリアーシアを殺してくれるなら、それはそれで歓迎だった。
そしてそれならリリアーシアの死を最大限に利用して親友だった自分の役に立って貰おうと言う魂胆だった。
間違えば自滅しかねない危険な謀ではある。
しかしアルドリヒの心はガッチリ捕まえている。
果たして、アルドリヒはこの婚約に反対の者は排除すると言ってくれた。
如何に王族とは言え簡単に排除出来ないのはナルシリスも百も承知だ。
ましてや彼らは王に仕えているのであって王太子にではないし、王太子にそこまでの権力は与えられていないという事も。
しかし、侯爵令嬢であるナルシリスよりは王太子の発言には重みが在るのは間違いないのだ。
そして国王も既に味方だ。
意見を封じ込める位ならやってくれるだろう。
やがて王妃となった時、邪魔者勢力をじわじわと削っていけばいい。
そんな事を考えていたナルシリスだったが、急に顔を赤らめた。
王太子の破廉恥な言動を思い出したからだった。
(アルったら、人前で恥ずかしいわ。でももしアルに口付けを求められたらどうしたら……それにもし婚前交渉を求められたら……)
「うううう」
真っ赤になって唸るナルシリス。
そこにいるのは先程まで他者を貶める事を考えていた悪女ではなく、17歳の乙女だった。
ナルシリスはあくまでビニートスが勝手に間違った忖度をしたと言った。
そして間違った行動を望んでいる様に思われた自分に罪があると。
「ルリは悪くない! そんなつもりで言ったのでは無いんだ」
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もともとナルシリスを疑っていた訳ではないし、ビニートスが侯爵邸に出入りしていると発した真意は、ビニートスの情報を何か持っていないか聞きたいだけだった。
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「殿下……しかし私の発言が取り返しのつかない勘違いをビニートス殿にさせてしまいましたわ。その様な者は王太子妃には相応しくありませんわ」
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「ああ、ルリ。僕を気遣ってくれるなんて、優しいのは君の方だ。 大丈夫、大丈夫だとも、ルリを悪く言う者は全て排除するから。ルリは心配しないで全て僕に任せてくれ」
「アル……」
なんて事だ。
リリアーシア嬢の護衛騎士がとんでもない事をしでかしてくれた。
元とは言え王太子の婚約者であった公爵家のご令嬢を手に掛けるとは。
しかし、護衛の騎士に殺されるとは、護衛騎士だった男に問題があったのか、公爵家に問題があったのか、それともご令嬢本人に問題があったのか。
いずれにせよ、婚約破棄されてからも自らの死でナルシリス様との仲を裂こうとし、殿下に迷惑を掛けるとはなんと疫病神のような女か。
会話を聞いていた侍従はそう思った。
侍従はそれが操作された感情だとは思っていない。
「兎も角、殺人犯はこちらで直ぐに捕らえよう」
もはや泳がせずにビニートスを捕らえるべきだとアルドリヒは考えた。
ナルシリスに不利な証拠があれば隠滅しなければならない。
王太子の婚約者である者に変な噂が立つのは困るのだ。
「それには及びませんわ。実はビニートス殿はそのまま当家でもてなしておりまして、今頃は薬で眠っている筈ですわ。それよりももう一つの方を聞いて下さいまし」
ナルシリスの魔力に反応し、魔道具に記録されていたナルシリスとビニートスのもう一つの会話が再生される。
『それで……どうしてリリアーシア様の形見が土産になるんですの?それは貴方の物でしょう。私には必要の無いものですわ』
『もうリリアーシア様はこの世におりません。それが私の土産です。マスクはその事を示しているに過ぎません』
『リリアーシア様の死が私への土産……貴方は何を言っているの?百歩譲って彼女の死が土産だとして、ソレに関して貴方は何をされたのかしら。彼女を死を只利用しようとしているだけではありませんこと?』
『……それは』
『彼女の死を利用し彼女を侮辱するなど彼女の親友として到底許せる事では有りませんわ。ですがリリアーシア様はお優しい方。護衛騎士だった貴方を処罰することは望まないでしょう。ですからお話はこれまで。もうお引き取り下さらないかしら』
『俺が、俺だからこそ、このマスクを手に入れることが出来たんだ』
『つまり、貴方はリリアーシア様の自殺に関係があると』
『ああ、そうだ』
『私にとってリリアーシア様がが邪魔な存在なので貴方が私の為に彼女を自殺に追い込んだ、そう言いたいのかしら』
『そういう話だっただろう。お察しの通り俺があの女を陥没湖に突き落とした。落ちたものを全て沈めてしまう魔の陥没湖にな』
再生が終わった時、王太子がため息を漏らす。
「ルリやはり君は優しい女性だ。君が法的に裁かれるなんて事は無い。それでこの魔道具を預かっていいかな。貴族殺しは死罪だ。この録音は最大の証拠になる」
アルドリヒはビニートスがリリアーシアを陥没湖に突き落とした事を影の報告により確認していたが、裁判で場で影の報告は証拠にならない。(王家に有利すぎて公平性を保てないから)
今更、リリアーシアなどどうでもいいが、公爵家が婚約破棄の報復に動き出すと困る。
そこできっちり裁判で有罪にし、怒りの矛先を王家からビニートスに替えてもらおうじゃないか、と考えていた。
娘殺しの罪人を公爵に引き渡せば、後は勝手に処分してくれるだろう。
その際は、公爵の恨みがナルシリスへも向かうことが微塵もないにしなければならない。
何にせよこの自供の記録はありがたいものだ。
そしてこちらの記録があれば、最初の記録は握り潰しても構わない。
さすがルリだ、とアルドリヒはナルシリスを心中で褒め称える。
ビニートスは間違った。
いざという時ナルシリスを道連れにしたかったなら魔道具の送り先は王太子ではなく、王太子妃の座を狙う他の高位貴族家に送るべきだった。
しかしビニートスからの連絡が途絶えた時、王太子に送るように手配済で、もはや手遅れだった。
そして王太子を喜ばせ、ナルシリスに失笑される事になる。
「アルのお心のままに」
「有難うルリ。殺人犯はこちらで引取ろう。直ぐに向かわせる」
アルドリヒは侍従の一人に目配せををする、侍従は一礼し急ぎ部屋より出ていった。
ビニートス確保の為に動き出したのだろう。
「僕の優しいルリ。心配しないでくれ。僕の前では笑っていてほしい」
真面目な話は終わったとばかりにアルドリヒはナルシリスの肩に手を回してきた。
「アル……皆様が見ておりますわ。私の口からこれ以上言わさせないで下さいまし」
「少しだけだよ。本当にルリは可愛い人だな」
王太子の行為に再びナルシリスは顔を赤くした。
◇◆◇
帰りの馬車の中ナルシリスはご満悦だった。
ほぼ目論見通りに事が進んだからだ。
(ふふふ、間抜けのおかげで邪魔者の影響を排除できそうだわ)
ナルシリスの登城目的、それは自身が王太子妃になるのを快く思わない者達の意見を排除する事だった。
そのためにビニートスを利用したのだった。
そもそも正式に婚約が破棄され、更に正式に自分が婚約者になった時点でリリアーシアは脅威でもなんでも無い。
今更リリアーシアが返り咲くなど不可能なのだ。
だから、放置しておいても構わなかった。
ずっと醜くなった顔を嘆いて生きていけばいいとも思った。
それはそれで、自らを差し置いて王太子の婚約者に収まっていた女にはふさわしい罰ではないか。
ただ、復讐に走られて足を引っ張られても面倒だ。
ビニートスの間抜けが勝手に勘違いしてリリアーシアを殺してくれるなら、それはそれで歓迎だった。
そしてそれならリリアーシアの死を最大限に利用して親友だった自分の役に立って貰おうと言う魂胆だった。
間違えば自滅しかねない危険な謀ではある。
しかしアルドリヒの心はガッチリ捕まえている。
果たして、アルドリヒはこの婚約に反対の者は排除すると言ってくれた。
如何に王族とは言え簡単に排除出来ないのはナルシリスも百も承知だ。
ましてや彼らは王に仕えているのであって王太子にではないし、王太子にそこまでの権力は与えられていないという事も。
しかし、侯爵令嬢であるナルシリスよりは王太子の発言には重みが在るのは間違いないのだ。
そして国王も既に味方だ。
意見を封じ込める位ならやってくれるだろう。
やがて王妃となった時、邪魔者勢力をじわじわと削っていけばいい。
そんな事を考えていたナルシリスだったが、急に顔を赤らめた。
王太子の破廉恥な言動を思い出したからだった。
(アルったら、人前で恥ずかしいわ。でももしアルに口付けを求められたらどうしたら……それにもし婚前交渉を求められたら……)
「うううう」
真っ赤になって唸るナルシリス。
そこにいるのは先程まで他者を貶める事を考えていた悪女ではなく、17歳の乙女だった。
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