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60話(閑話)大賢者である私の文化創生
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ミリーの活躍から300年後のお話。
聖王国にて。
今、一人の聖女が誕生しようとしていた。
「ウル様、お時間は過ぎてございます」
豪華に部屋に一人の少女がいる。
少女は彼女に為に用意されている、これまた豪華な椅子には座らず椅子の周りをウロウロしていた。
「うー、どうしてもやらないとダメ?」
声をかけてきた老いた侍女らしき女性に抗議の声をあげるウルと呼ばれた少女。
涙目だ。
「この〝聖音の儀〟をもって聖女となられるしきたりなのです」
「判っているわ!誰よ、こんな儀式考えたのは!」
「たしか大聖女ミリー様が降臨された300年程前からとされています。この聖王国の聖女であらした王女様が決められた仕来りにございます」
「なんて迷惑なご先祖様なの!」
「お怒りをお沈め下さい。ですが代々の聖女様方はこの〝聖音の儀〟を受けた後、皆この儀の重要性をご理解され廃止されず今に伝わるのでございます。先代様も同様でございました」
先代の聖女は少女ウルの母親であり、現聖王国女王でもある。
いつからか聖王国は女王制となっていた。
そして代々聖女が女王を務めている。
つまりこの儀式を受け聖女に認定されることは次の女王となることを示す。
極めて重要な儀式なのだ。
ただし、この儀式を受ける為には、かなりの勇気が必要だった。
女性にとっては特に。
「お母様にも言われたわ。失う物がある代わりに得る物は大きいともね」
「アラバスタル王国にも似たようなお祭りがあります。ウル様も気楽にお考えくださいませ」
「あちらはせいぜい周囲に居る人に聞かれるだけじゃないの。私は全国民に聞かれるのよ!」
顔を真っ赤にして訴える。
聖王国王女ウルフェアリース。
『聖音の儀』
それは全国民が集まる広場の前で、聖女になる者がおならの音が鳴るクッションに座るいう極めてシンプルな儀式である。
聖女になるものは、この聖なる音をもって国民に祝福を与える。
聖女の最初の仕事でもあった。
聖音は音声拡散魔法によって、大きい音では無いはずなのに広場にいる全国民に余すこと無く届けられるのだ。
この日は1年前に公示され、当日は祝日となる、聖王国国民はこの日、祝福を受ける為にこの王城前広場に集まるのだ。
「ウル様、覚悟をお決め下さいませ。お嫌でしたらさっさとお済ましになられれば良いではないですか」
「同盟諸国からのご来賓もいらしているのよ。晩餐会でどんな顔で会えばいいのよ」
「それこそ儀式無しではこの国の面子が立ちません。聖音を聞くために遥々いらしているのですよ?それに儀式を受けられましたらそんな些事は気にならなくなると、先代様も仰っていました」
「うーーーー!わかったわよ!受ければいいんでしょ!」
その言葉を待ってましたとばかりに老侍女は手を打ち鳴らす。
控室の扉が開かれ、そこには一人の執事が立っていた。
「儀式の開始の合図を」
老侍女の言葉に執事は一礼をすると、急ぐようにその場を後にした。
ウル王女は相当、粘っていたようだ。
老侍女に背中を押されるように王女が部屋を出ると、通路には騎士の礼装の甲冑を身に着けた男たちが10名、廊下の片側に並んで立っている。
この10人は聖騎士にして将軍だ。
いわばこの国の最高戦力達である。
式典用である白い甲冑は光り輝き、聖騎士らしい威厳を放っている。
しかし、聖女となるウル王女の白いドレスは所々に、魔法によってより光輝いている宝石が散りばめられ、彼ら以上に神聖さを引き立たせている。
王女ウルの美貌もドレスの神聖さと調和がとれていて、さながら女神の様ですらある。
歩きだしたウル王女に聖騎士たちが2列となって付き従う。
王女の目の前で広場に面するバルコニーへの扉が開らき、同時にファンファーレが鳴りだした。
いよいよ覚悟を決めるしか無い。
王女がバルコニーに出た時、眼下に広がる広場は人で埋め尽くされており、大歓声を上げていた。
また、広場の両脇の城壁上には来賓席が設けられており、同盟国の国王や宰相なそれぞれの国を担う者達の姿が合った。
思わず意識が遠くなる王女だったが、ここで倒れる訳にはいかなかった。
この中で、自身の音では無いものの、おならの音を皆に聞かせなければならない。
バルコニーの先端に立つ王女。
聖騎士達が出入り口の壁際に一列になって並ぶ。
暫く王女が黙っていると、やがて広場は静かになった。
皆、新たな聖女の言葉を持つ。
ウル王女はここに来てようやく覚悟が定まった様だ。
涙目ではあったが。
王女の後ろに椅子が用意されたのが気配で判る。
「聖王国国民の皆様!ご来賓の皆様。本日この日の為にお集まり頂き有難うございます。 私、サムーン聖王国 王女ウルフェアリースは、本日より聖女として皆様の為に尽くして行く所存です。今から鳴らす聖音を持って皆に祝福を!」
ここまでのセリフを一気に言い切った王女。
後は椅子に座るだけである。
場は静まりかえっている。
皆、聖音を心待ちにしているのだ。
目をきつく瞑り、ままよ、と椅子に腰を落とす王女。
「ぷぅーーーーーーーー………」
大きめな音が広場に鳴り響く。
音が静まり、数秒の静寂。
その静寂のあと一気に歓声が上がった。
「聖王国バンザーイ!」
「新聖女ウルフェアリース様バンザーイ!」
万歳コールは暫く鳴り止まなかった。
広場で聖音を聞いた国民の中に泣いている老人がいた。
彼は3代に渡り、聖音を聞いた。
「ワシは3代に渡り聖音を聞いたが今回の聖音が一番良かった!心に染みたワイ」
老人は涙ながらに周囲に語るのだった。
無事聖音の儀は終わった。
控室にウル王女、いや、聖女ウルが戻って来た。
儀式の前とで彼女の顔つきが変わった事に、待っていた侍女は気付く。
「お疲れ様でございました。今の聖女様のご表情、見違えるようで御座います」
「ありがとう。私も代々の聖女様達のお気持ちが理解できました。この儀式を受けたなら、こう怖いものはこの世に在りません。この儀式は後世に受け継いでいくべきです」
「ご立派なお考えです。ウル様」
聖女ウルの言葉に感激し涙ぐむ老侍女。
ウル王女が赤子の頃から側にいたのだ。
その成長に感慨深いものを感じていた。
<この羞恥、私の代で終わらせてなるものですか!この思い、必ず次の聖女にも受け継いで貰います!>
ミリーより始まったこの暗い情念は、聖女サファに受け継がれ、その後代々の聖王国聖女にも受け継がれていった。
彼女たちの暗い情念は聖女ウルの思いも乗せて次の聖女へと受け継がれていくのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
某月某日、アラバスタル王国にて。
今日は年に1日のお祭りの日。
この日、大人たちは椅子やソファーなどに座るのを避ける。
今日は子供たちが大人達におならの音が鳴るクッションを仕掛けていい日なのだ。
昨今では、大人が大人にイタズラを仕掛けたり、イタズラの種類も増えており、国民全員で楽しむ乱痴気騒ぎの様相を呈していた。
この日を楽しむ為、外国からの観光客も多い。
その為か数年前から前夜祭が行われるようにもなった。
祭りは年々より盛大に行われる様になってきており、祭りによる経済効果も馬鹿に出来ない様になっていた。
この祭りの起源を遡れば、やはり大聖女ミリーの時代にまで遡る。
時の宰相は近衛魔道士長にして、この国初の女性宰相だったという。
その宰相が国民のガス抜きを目的としてこの祭りを制定したとされる。(表向きは)
ミリーは図らずも、2つの国に大きな影響を与える文化を作ることになったのだった。
聖王国にて。
今、一人の聖女が誕生しようとしていた。
「ウル様、お時間は過ぎてございます」
豪華に部屋に一人の少女がいる。
少女は彼女に為に用意されている、これまた豪華な椅子には座らず椅子の周りをウロウロしていた。
「うー、どうしてもやらないとダメ?」
声をかけてきた老いた侍女らしき女性に抗議の声をあげるウルと呼ばれた少女。
涙目だ。
「この〝聖音の儀〟をもって聖女となられるしきたりなのです」
「判っているわ!誰よ、こんな儀式考えたのは!」
「たしか大聖女ミリー様が降臨された300年程前からとされています。この聖王国の聖女であらした王女様が決められた仕来りにございます」
「なんて迷惑なご先祖様なの!」
「お怒りをお沈め下さい。ですが代々の聖女様方はこの〝聖音の儀〟を受けた後、皆この儀の重要性をご理解され廃止されず今に伝わるのでございます。先代様も同様でございました」
先代の聖女は少女ウルの母親であり、現聖王国女王でもある。
いつからか聖王国は女王制となっていた。
そして代々聖女が女王を務めている。
つまりこの儀式を受け聖女に認定されることは次の女王となることを示す。
極めて重要な儀式なのだ。
ただし、この儀式を受ける為には、かなりの勇気が必要だった。
女性にとっては特に。
「お母様にも言われたわ。失う物がある代わりに得る物は大きいともね」
「アラバスタル王国にも似たようなお祭りがあります。ウル様も気楽にお考えくださいませ」
「あちらはせいぜい周囲に居る人に聞かれるだけじゃないの。私は全国民に聞かれるのよ!」
顔を真っ赤にして訴える。
聖王国王女ウルフェアリース。
『聖音の儀』
それは全国民が集まる広場の前で、聖女になる者がおならの音が鳴るクッションに座るいう極めてシンプルな儀式である。
聖女になるものは、この聖なる音をもって国民に祝福を与える。
聖女の最初の仕事でもあった。
聖音は音声拡散魔法によって、大きい音では無いはずなのに広場にいる全国民に余すこと無く届けられるのだ。
この日は1年前に公示され、当日は祝日となる、聖王国国民はこの日、祝福を受ける為にこの王城前広場に集まるのだ。
「ウル様、覚悟をお決め下さいませ。お嫌でしたらさっさとお済ましになられれば良いではないですか」
「同盟諸国からのご来賓もいらしているのよ。晩餐会でどんな顔で会えばいいのよ」
「それこそ儀式無しではこの国の面子が立ちません。聖音を聞くために遥々いらしているのですよ?それに儀式を受けられましたらそんな些事は気にならなくなると、先代様も仰っていました」
「うーーーー!わかったわよ!受ければいいんでしょ!」
その言葉を待ってましたとばかりに老侍女は手を打ち鳴らす。
控室の扉が開かれ、そこには一人の執事が立っていた。
「儀式の開始の合図を」
老侍女の言葉に執事は一礼をすると、急ぐようにその場を後にした。
ウル王女は相当、粘っていたようだ。
老侍女に背中を押されるように王女が部屋を出ると、通路には騎士の礼装の甲冑を身に着けた男たちが10名、廊下の片側に並んで立っている。
この10人は聖騎士にして将軍だ。
いわばこの国の最高戦力達である。
式典用である白い甲冑は光り輝き、聖騎士らしい威厳を放っている。
しかし、聖女となるウル王女の白いドレスは所々に、魔法によってより光輝いている宝石が散りばめられ、彼ら以上に神聖さを引き立たせている。
王女ウルの美貌もドレスの神聖さと調和がとれていて、さながら女神の様ですらある。
歩きだしたウル王女に聖騎士たちが2列となって付き従う。
王女の目の前で広場に面するバルコニーへの扉が開らき、同時にファンファーレが鳴りだした。
いよいよ覚悟を決めるしか無い。
王女がバルコニーに出た時、眼下に広がる広場は人で埋め尽くされており、大歓声を上げていた。
また、広場の両脇の城壁上には来賓席が設けられており、同盟国の国王や宰相なそれぞれの国を担う者達の姿が合った。
思わず意識が遠くなる王女だったが、ここで倒れる訳にはいかなかった。
この中で、自身の音では無いものの、おならの音を皆に聞かせなければならない。
バルコニーの先端に立つ王女。
聖騎士達が出入り口の壁際に一列になって並ぶ。
暫く王女が黙っていると、やがて広場は静かになった。
皆、新たな聖女の言葉を持つ。
ウル王女はここに来てようやく覚悟が定まった様だ。
涙目ではあったが。
王女の後ろに椅子が用意されたのが気配で判る。
「聖王国国民の皆様!ご来賓の皆様。本日この日の為にお集まり頂き有難うございます。 私、サムーン聖王国 王女ウルフェアリースは、本日より聖女として皆様の為に尽くして行く所存です。今から鳴らす聖音を持って皆に祝福を!」
ここまでのセリフを一気に言い切った王女。
後は椅子に座るだけである。
場は静まりかえっている。
皆、聖音を心待ちにしているのだ。
目をきつく瞑り、ままよ、と椅子に腰を落とす王女。
「ぷぅーーーーーーーー………」
大きめな音が広場に鳴り響く。
音が静まり、数秒の静寂。
その静寂のあと一気に歓声が上がった。
「聖王国バンザーイ!」
「新聖女ウルフェアリース様バンザーイ!」
万歳コールは暫く鳴り止まなかった。
広場で聖音を聞いた国民の中に泣いている老人がいた。
彼は3代に渡り、聖音を聞いた。
「ワシは3代に渡り聖音を聞いたが今回の聖音が一番良かった!心に染みたワイ」
老人は涙ながらに周囲に語るのだった。
無事聖音の儀は終わった。
控室にウル王女、いや、聖女ウルが戻って来た。
儀式の前とで彼女の顔つきが変わった事に、待っていた侍女は気付く。
「お疲れ様でございました。今の聖女様のご表情、見違えるようで御座います」
「ありがとう。私も代々の聖女様達のお気持ちが理解できました。この儀式を受けたなら、こう怖いものはこの世に在りません。この儀式は後世に受け継いでいくべきです」
「ご立派なお考えです。ウル様」
聖女ウルの言葉に感激し涙ぐむ老侍女。
ウル王女が赤子の頃から側にいたのだ。
その成長に感慨深いものを感じていた。
<この羞恥、私の代で終わらせてなるものですか!この思い、必ず次の聖女にも受け継いで貰います!>
ミリーより始まったこの暗い情念は、聖女サファに受け継がれ、その後代々の聖王国聖女にも受け継がれていった。
彼女たちの暗い情念は聖女ウルの思いも乗せて次の聖女へと受け継がれていくのであった。
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某月某日、アラバスタル王国にて。
今日は年に1日のお祭りの日。
この日、大人たちは椅子やソファーなどに座るのを避ける。
今日は子供たちが大人達におならの音が鳴るクッションを仕掛けていい日なのだ。
昨今では、大人が大人にイタズラを仕掛けたり、イタズラの種類も増えており、国民全員で楽しむ乱痴気騒ぎの様相を呈していた。
この日を楽しむ為、外国からの観光客も多い。
その為か数年前から前夜祭が行われるようにもなった。
祭りは年々より盛大に行われる様になってきており、祭りによる経済効果も馬鹿に出来ない様になっていた。
この祭りの起源を遡れば、やはり大聖女ミリーの時代にまで遡る。
時の宰相は近衛魔道士長にして、この国初の女性宰相だったという。
その宰相が国民のガス抜きを目的としてこの祭りを制定したとされる。(表向きは)
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