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24話 大賢者である私を賭けたバトルロイヤル1
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いやー、嫌な雰囲気だね。
なんというか、ギスギスしている。
脱落した参加者達のギルドへの不満が渦巻いているね。
ここまで深刻なヒーラー不足に有効な対策を取れていないギルドにも問題あるわ。
ただヒーラーが登録しただけでここまで大騒ぎになってしまうのはどうかしている。
私のお気楽生活の為には皆を黙らせる必要があるだろう。
ここはいっちょやってやるか。
===============
「なんだか知らないうちに残り10人に入っちゃった」
リッキルトは先程から心臓がばくばくしている。
こうなったらやるしか無い!
と言い聞かせても 自分より明らかに強いだろうメンツしか残っていない現実に押しつぶされそうになっている。
現在は午後1時、ここで一旦休憩が入り午後2時より最終オーディションの内容が発表される事になっている。
脱落者達に帰るものはおらず観客側にまわっているようだ。
オーディション合格者を見届けるのだろう。
合格したパーティーはそれからが試練になる。
Aランクチーム「龍殺」であれば文句もでないだろうが、まかり間違って「ビフテの星」が合格しようものなら暗殺されかねない不穏さが会場には漂っていた。
「なんか、凄い雰囲気悪いね」
フェル王子はリリー、カリスとミルファら「青薔薇の戦乙女」と一緒に居た。
「下手すると不満は全てギルドに向かうな」
「そうね。セバはどうするつもりかしら?」
カリスの指摘にリリーも不安を覚えた。
冒険者が他国に大量に流れる事があったら大問題に発展してしまうだろう。
とはいえ、ヒーラー不足はどの国も頭を悩ましている共通問題なのだが。
「ねぇ、ミリーはどこかな?最初に声だけ聞こえたけど姿が見えないね」
「そうですね。国王様と宰相様はいらっしゃってますけどね」
ミルファの言葉に頭をかかえるリリー。
まさか、こんな形で出てくるとは。
「ランク非公開チーム『マッスル&マジック』、ね。さすがに伝説のSランクランクチーム『暴走するメガマッシャー』じゃバレバレだからね」
カリスも呆れ気味に呟いた。
「アレク兄さんにゴリ押ししたんだろうね」
「そうね」
フェルの言葉にリリーは苦笑した。
ただでさえ忙しい最中、国王がお忍びで参加するなど警備計画の練り直しになってしまう。
観客の中にスペシャルガードが何人もいるが一般人が気付くことはないだろう。
「そういえば、あのミリミリって娘、ミリーに似てるよね」
「そういえばそうだな」
「言われてみればそうね」
とは、カリス、リリーの言葉だ。
「ふふふ」
ミルファだけは静かに笑っていた。
「さて嫌だけどそろそろ私も仕事の準備に入るわ」
「面白そうじゃないか」
「そういう事なら代わるわよ?」
「いや遠慮しとく」
リリーとカリスの会話を聞きながら
笑顔のフェルが姉を送り出す。
「姉さん。頑張ってね! 楽しみにしてるよ」
「フェルの期待になるべく応えられる様に頑張るわ。」
ため息をついたリリーは、げっそりとした笑顔で言った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
時刻は午後2時。
会場中央には直径30mはあろう大きな円筒上の光の壁が出現していた。
魔術師20人がかりで作ったもので人は通過できるが、矢などの飛び道具と魔法を通さない結界防壁である。
クーンもこの防壁作りに駆り出されている。
その円筒の中には勝ち残った10名とセバが居る。
観客は円筒から5mくらい離れた位置で円筒を囲んでいる闘技場のようにすり鉢状にはなっていないので前の方は座り、後ろは立ち見である。
「皆様、ご静粛に!これより最終競技の説明を致します」
セバの声に静まり返る会場。
いつもながら有無を言わせない強制力がある。
セバは満足して頷く。
「最終競技では残った10名でバトルロイヤルをして頂きます。
私は審判を致します。光の壁より出た者は失格。競技は最後の1人になるまで続けて頂きます。ただし、殺さないようにお願いしますよ」
バトルロイヤルと聞いて盛り上がる会場。
観客たちはこういった展開を待っていたのだ。
「開始は私の合図があるまでお待ち下さい。スタート時の位置取りも作戦の内です。これ以上の説明は不要でしょう。健闘を期待します」
セバの説明を受け、各々思い思いの位置に移動する。
その時、ギルドの受付ナルカラの声が会場に響いた。
「あーあーテステス!私はギルドの受付をしておりますナルカラです。本日のメインイベント、『ミリー嬢争奪!ドキドキ大バトルロイヤルだよ♡』の実況を担当させて頂きます」
少しぎこちないながらも噛むこともくナルカラは実況を開始した。
「本日はこの為にスペシャルな解説をお招きしました。Aランクパーティー『青薔薇の戦乙女』リーダーのリリエナスタ王女です」
歓声があがる。リリーは人気のようだ。
ちなみにナルカラはお酒の力を借りてこの大役を実行中だった。
「解説をさせて頂きますリリエナスタです。宜しくお願いします」
「リリー様と呼ばさせて頂きます。さて、いよいよ始まりますね」
「ここまで生き残った実力者達ですからどういう結果になるのか大変楽しみです」
リリーの解説もなかなか様になっていた。
「さて今回生き残った10名の猛者たちですが、なかなか異色ですね」
「前評判では『龍殺』『剣武』『一矢百中』でしたが、Aランクの実力者でここに残っているのは『龍殺』のみですね」
「龍殺のリーダー、ルキメデ氏を含む3名が残っています。そしてなんと言っても今回の台風の目と言っていいでしょう、ソロの武闘家ミリミリ!彼女の肝の太さとスピードには目を見張るものがあります。何者でしょうか?」
「私もAランクの冒険者をしておりますが今まで聞いたこともありません」
「謎の武闘家ミリミリ。この競技でもきっと実力を見せつけてくれることでしょう! 次に、今回尤も異色の二人組ランク非公開『マッスル&マジック』のマッスル氏とマジック氏です。この2人も初めて聞く名ですね。ランク非公開とかよくセバ様が認めたものです」
「この二人については私から言うことはありません。好きにさせておきましょう」
「そ、そうですか、最初お爺さん2人組をみて大丈夫か?と思いましたが圧倒的な実力を見せてくれました。ここでも大暴れしてくれるでしょう。あと、Bランクが3人いますね。健闘を祈ります」
「ナルカラさん。貴女なかなか酷いわね。彼等の名前は思い出せませんが実力は確かですよ」
「リリー様、フォローになっていません。以上9名、いえもう一人いました。失礼致しました。スーパーラッキーボーイというのかスーパーアンラッキーボーイと言うのか私はかける言葉が見つかりません。今回1番のダークホース、Eランクチーム『ビフテの星』のリーダー、リッキルト君」
「私には熊達を目の前にした怯える子犬の様に見えますね。大惨事になる前に辞退をお勧めしたいです」
リリー王女は純粋に心配したのだが言い方が不味かった。
会場より笑いが起こる。
リリエナスタ王女にまで散々に言われ、リッキルトは泣きたくなった。
<そんな事は言われなくてもわかっている。わかっているけど、ここまで必死で生き残ったんだ!>
怒れ!
その時ミリミリの声が聞こえた、気がした。
リッキルトは丹田に力を込める。
「ば、ば、馬鹿にするな!!僕だってここまで勝ち残ったんだ!!」
その叫びに反応する者がいた!
マッスルである。
「よく言った!少年!!王女様よ!いかな身分ある立場といえ。ここまで残った勇士を侮辱するでないわ!」
「そのとーり! いい?王女様、いつの時代もヒーローは最初は無名なんだからね!」
マッスルに続いて上がった声はミリミリからだった。
なんというか、ギスギスしている。
脱落した参加者達のギルドへの不満が渦巻いているね。
ここまで深刻なヒーラー不足に有効な対策を取れていないギルドにも問題あるわ。
ただヒーラーが登録しただけでここまで大騒ぎになってしまうのはどうかしている。
私のお気楽生活の為には皆を黙らせる必要があるだろう。
ここはいっちょやってやるか。
===============
「なんだか知らないうちに残り10人に入っちゃった」
リッキルトは先程から心臓がばくばくしている。
こうなったらやるしか無い!
と言い聞かせても 自分より明らかに強いだろうメンツしか残っていない現実に押しつぶされそうになっている。
現在は午後1時、ここで一旦休憩が入り午後2時より最終オーディションの内容が発表される事になっている。
脱落者達に帰るものはおらず観客側にまわっているようだ。
オーディション合格者を見届けるのだろう。
合格したパーティーはそれからが試練になる。
Aランクチーム「龍殺」であれば文句もでないだろうが、まかり間違って「ビフテの星」が合格しようものなら暗殺されかねない不穏さが会場には漂っていた。
「なんか、凄い雰囲気悪いね」
フェル王子はリリー、カリスとミルファら「青薔薇の戦乙女」と一緒に居た。
「下手すると不満は全てギルドに向かうな」
「そうね。セバはどうするつもりかしら?」
カリスの指摘にリリーも不安を覚えた。
冒険者が他国に大量に流れる事があったら大問題に発展してしまうだろう。
とはいえ、ヒーラー不足はどの国も頭を悩ましている共通問題なのだが。
「ねぇ、ミリーはどこかな?最初に声だけ聞こえたけど姿が見えないね」
「そうですね。国王様と宰相様はいらっしゃってますけどね」
ミルファの言葉に頭をかかえるリリー。
まさか、こんな形で出てくるとは。
「ランク非公開チーム『マッスル&マジック』、ね。さすがに伝説のSランクランクチーム『暴走するメガマッシャー』じゃバレバレだからね」
カリスも呆れ気味に呟いた。
「アレク兄さんにゴリ押ししたんだろうね」
「そうね」
フェルの言葉にリリーは苦笑した。
ただでさえ忙しい最中、国王がお忍びで参加するなど警備計画の練り直しになってしまう。
観客の中にスペシャルガードが何人もいるが一般人が気付くことはないだろう。
「そういえば、あのミリミリって娘、ミリーに似てるよね」
「そういえばそうだな」
「言われてみればそうね」
とは、カリス、リリーの言葉だ。
「ふふふ」
ミルファだけは静かに笑っていた。
「さて嫌だけどそろそろ私も仕事の準備に入るわ」
「面白そうじゃないか」
「そういう事なら代わるわよ?」
「いや遠慮しとく」
リリーとカリスの会話を聞きながら
笑顔のフェルが姉を送り出す。
「姉さん。頑張ってね! 楽しみにしてるよ」
「フェルの期待になるべく応えられる様に頑張るわ。」
ため息をついたリリーは、げっそりとした笑顔で言った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
時刻は午後2時。
会場中央には直径30mはあろう大きな円筒上の光の壁が出現していた。
魔術師20人がかりで作ったもので人は通過できるが、矢などの飛び道具と魔法を通さない結界防壁である。
クーンもこの防壁作りに駆り出されている。
その円筒の中には勝ち残った10名とセバが居る。
観客は円筒から5mくらい離れた位置で円筒を囲んでいる闘技場のようにすり鉢状にはなっていないので前の方は座り、後ろは立ち見である。
「皆様、ご静粛に!これより最終競技の説明を致します」
セバの声に静まり返る会場。
いつもながら有無を言わせない強制力がある。
セバは満足して頷く。
「最終競技では残った10名でバトルロイヤルをして頂きます。
私は審判を致します。光の壁より出た者は失格。競技は最後の1人になるまで続けて頂きます。ただし、殺さないようにお願いしますよ」
バトルロイヤルと聞いて盛り上がる会場。
観客たちはこういった展開を待っていたのだ。
「開始は私の合図があるまでお待ち下さい。スタート時の位置取りも作戦の内です。これ以上の説明は不要でしょう。健闘を期待します」
セバの説明を受け、各々思い思いの位置に移動する。
その時、ギルドの受付ナルカラの声が会場に響いた。
「あーあーテステス!私はギルドの受付をしておりますナルカラです。本日のメインイベント、『ミリー嬢争奪!ドキドキ大バトルロイヤルだよ♡』の実況を担当させて頂きます」
少しぎこちないながらも噛むこともくナルカラは実況を開始した。
「本日はこの為にスペシャルな解説をお招きしました。Aランクパーティー『青薔薇の戦乙女』リーダーのリリエナスタ王女です」
歓声があがる。リリーは人気のようだ。
ちなみにナルカラはお酒の力を借りてこの大役を実行中だった。
「解説をさせて頂きますリリエナスタです。宜しくお願いします」
「リリー様と呼ばさせて頂きます。さて、いよいよ始まりますね」
「ここまで生き残った実力者達ですからどういう結果になるのか大変楽しみです」
リリーの解説もなかなか様になっていた。
「さて今回生き残った10名の猛者たちですが、なかなか異色ですね」
「前評判では『龍殺』『剣武』『一矢百中』でしたが、Aランクの実力者でここに残っているのは『龍殺』のみですね」
「龍殺のリーダー、ルキメデ氏を含む3名が残っています。そしてなんと言っても今回の台風の目と言っていいでしょう、ソロの武闘家ミリミリ!彼女の肝の太さとスピードには目を見張るものがあります。何者でしょうか?」
「私もAランクの冒険者をしておりますが今まで聞いたこともありません」
「謎の武闘家ミリミリ。この競技でもきっと実力を見せつけてくれることでしょう! 次に、今回尤も異色の二人組ランク非公開『マッスル&マジック』のマッスル氏とマジック氏です。この2人も初めて聞く名ですね。ランク非公開とかよくセバ様が認めたものです」
「この二人については私から言うことはありません。好きにさせておきましょう」
「そ、そうですか、最初お爺さん2人組をみて大丈夫か?と思いましたが圧倒的な実力を見せてくれました。ここでも大暴れしてくれるでしょう。あと、Bランクが3人いますね。健闘を祈ります」
「ナルカラさん。貴女なかなか酷いわね。彼等の名前は思い出せませんが実力は確かですよ」
「リリー様、フォローになっていません。以上9名、いえもう一人いました。失礼致しました。スーパーラッキーボーイというのかスーパーアンラッキーボーイと言うのか私はかける言葉が見つかりません。今回1番のダークホース、Eランクチーム『ビフテの星』のリーダー、リッキルト君」
「私には熊達を目の前にした怯える子犬の様に見えますね。大惨事になる前に辞退をお勧めしたいです」
リリー王女は純粋に心配したのだが言い方が不味かった。
会場より笑いが起こる。
リリエナスタ王女にまで散々に言われ、リッキルトは泣きたくなった。
<そんな事は言われなくてもわかっている。わかっているけど、ここまで必死で生き残ったんだ!>
怒れ!
その時ミリミリの声が聞こえた、気がした。
リッキルトは丹田に力を込める。
「ば、ば、馬鹿にするな!!僕だってここまで勝ち残ったんだ!!」
その叫びに反応する者がいた!
マッスルである。
「よく言った!少年!!王女様よ!いかな身分ある立場といえ。ここまで残った勇士を侮辱するでないわ!」
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