17 / 48
魔獣募集中――
しおりを挟む
子供たちが旅立って幾日か。静かになった家の中で一人考え事をしていた。
それは先日の、手紙を運んでくれる魔獣選びの件。どんな魔獣がいるのかよくわからない。
たまに森を散策しているとユニコーンのような魔獣や、うさぎやオオカミのような魔獣には出くわすけど……彼らが従魔契約に足るかどうかはまた別の話。仕方ない、ここはファフくんに聞いてみるか。
……。
「というわけで、ファフくん。従魔契約を結びたいんだけど、おすすめの魔獣とかある?」
「先日のやつか。……そうだな、皇国や王国は魔獣被害も多発している国だ。人目につく事も考慮して知性のある魔獣を選らんだ方がいい。フェンリルかバイコーンあたりか?」
「鳥系の魔獣は?空の移動もできるし」
「僕は鳥が好かん。あいつら知能は高いが、プライドも一人前に高い。この間なんか、空を飛んでいたら僕を追い抜かして、遅いと言わんばかりに鼻で笑ったんだぞ?……まったく、命知らずで不敬なやつらだ」
世界に厄災を及ぼすといわれ、生きとし生けるものに恐れられているファフくんを鼻で笑う鳥とか……逆に興味が湧くんだけど。
「鳥系は絶対に許さん。グリフォンとか、ファイアバードとか契約した日には……僕はこの家をどうするかわからんぞ?」
「ちょ、それ脅し?いっとくけど、中にはお酒だって保管してるんだから。火なんて掛けた日には森中が焼野原だよ?」
「……そうだな、何より酒がもったいない」
「そこじゃないんだけど……」
がっかりしたように肩を落とすファフくん。そんなに鳥系と契約して欲しくないのか。友達が嫌がるなら敢えて鳥系の魔獣との従魔契約はしないけどさ。
だったら足の早そうなバイコーンとかフェンリルとか……?
今からこの森を探索したとしてお眼鏡に叶う魔獣がいるかどうか……。
ファフ君は私の心の中を読んだみたいで、得意げに微笑んだ。
「ならば今から森中に招集をかけてはどうだ?魔獣は魔物と違って知能があり、人間の言葉を理解する。【今から従魔契約するから、希望のあるやつは集まれ】とでも言えば森中から集まるだろう」
「……便利だけど、従魔契約ってそんなのでいいの?なんかもうちょっと契約までのストーリーとかさ……」
「魔獣はより強い奴との契約をなによりの誇りとしている。誇れる主人に仕えたいと思うのは本能だ。それに、おまえは仮にもこの森の魔女だ。僕ほどではないが、武力があり、知識もある。契約したい魔獣は多いだろう。それになにより生活環境がいい」
それでいいのか魔獣よ。というか森の大賢者なんて認識されているの、私。いったいこの森に住んでいる魔獣って私に対してどんな恐ろしい認識でいるのやら。
……まぁ、探す手間が省けたので、ファフくんの言う通り、森全体にテレパシーを掛けて【私と従魔契約をしたい魔獣は私の家にあつまれ~】と軽々しく言ってみる。
するとものの数秒で森中がざわつき始めた。
★
「がるるるるるッ……」
「ギャーッ、ギャーッ」
「ヒヒィーン、ブルルルルッ」
庭中が動物園と化した……と表現してもいいくらい、森の中にいる強そうな魔獣が集結した。中には空から飛来した、ファフくんが嫌いな鳥系の魔獣もいる。
その魔獣に関しては嫌そうな顔をしたものの、ファフくんはこの光景に感嘆した。
「予想はしていたがフェンリルシーフやグレーターバイコーン、ユニコーンまで声に応じるとは恐れ入った」
「その魔獣は強いの?」
「フェンリルシーフは風属性の魔法を得意としている。グレーターバイコーンはバイコーンの上位種で足が速く、防御力がとにかく高くて戦争用の魔獣としても重宝されている。この2匹だけでも小さいな街ひとつは壊滅できるぞ」
「戦争するわけじゃないからなぁ……」
フェンリルの方は大きい犬……サモエドみたいな感じだし、バイコーンの方はちょっといかつい馬くらいな感じで凄みを感じない。といったらファフくんはどんな反応をするのだろう。
こう簡単に目の前に現れたので、凄さがイマイチ理解できない。
「ガゥ、ガゥゥゥゥゥ」
「ブルルルル、ブルル」
「なんて言ってるの?」
言葉が理解できているようで、2匹はこちらになにかを訴えかけているようだった。魔獣の言葉などわかりはしないので、わかってそうなファフくんに助けを求める。
「お役に立てるので、ぜひ従魔に御取立てください……と」
「意外に礼儀正しいなッ!」
と冗談半分で魔獣たちにツッコミを入れてみる。それはもう嬉しそうに尻尾を振ったり、嘶いたり……これは嬉しがっているのだろうか?
にこり、と魔獣相手に愛想笑いを浮かべてみるとさらに嬉しそうな反応を返してくれる。……危険なのだろうけど、この子たち可愛い。この子たちにしようかなと心が揺れ動き始めていると、一旦静まった魔獣たちが再び騒ぎ始めた。
さらにファフくんに通訳を求める。
「……ええと、「抜け駆けをするなただの犬と馬風情が」「私の方がお役に立てれますよ!賢者様」「そこの魔獣より我の方が強い、一度機会を頂ければお役に立てると証明してみせます」……まだあるが、これ全部通訳するのは骨が折れるのだが」
「いや、全部通訳しなくていいよ……ピックアップして通訳して貰えれば」
ファフくんは頷いたが、なにか気になる言動があったのか。その視線を一点に向ける。
「……ん?何?おい、そこの害獣、今なんといった?この僕が暴力以外なんの取り柄もない鈍足ドラゴンだと?大きく物をいったものだな」
ファフくんは急に1匹の魔獣に向けて言い放った。殺気はないがその声には怒りが混じっている。その視線の先にいたのは、ここに集結した魔獣より2周りほど大きい鳥の魔獣だった。
「この子は?」
「寒い地方の山脈に生息するブリザードグリフォンだな。グリフォンの中でも特に飛翔能力が高い。氷魔法も使え、飛ぶ速度が速くプライドが高いだけの取り柄のないただの害獣だ」
鋭い目つきでにらみつけるが、ブリザードグリフォンは怯える素振りもなく毛繕いを始め、余裕の態度を見せつける。
グリフォンや私に一倍のアピールを見せつけてくれた魔獣を除き、魔獣はファフ君が不機嫌な態度に体を震わせていた。
グリフォンの態度が気にくわないファフくんは視線を私に向けた。
「おい、こいつは論外だ。とっとと帰らせろ。というかおまえ……この間湖に行くときに僕を挑発したグリフォンじゃないか!?」
「ギュルルルル」
「……なに?「いつも通る道に大きな岩が浮遊していたのですが、あれはファフニール様だったのですか?失礼しました。とても飛翔速度が遅く、イライラしていたので暴言を吐いてしまいましたお許しを……」って鼻で笑っても説得力がないだろうが!」
まるで一人で漫才でもしているようだ。それにグリフォンの方も、あのファフくんに恐れひとつ見せないとか中々の度量を持っている。空飛べるし、強ければ森から国までの往復も無事戻ってこられるだろうし。
…...でも大きいな。
「私は子供たちに手紙を届けてくれる魔獣を欲してるの。でもあなたたちだとこう......他の魔獣よりも大きいし......都市の往復は目立つかも......」
一段とアピールしてくれた魔獣たちは少なくとも人間形態のファフくんより体が大きい。ギリギリフェンリルシーフくんが妥協点ではあるけど。
あとなんか結構身に宿る魔素の量も多いし。
「......なになに「我らは魔素量の認識阻害の術を持っていますので、一般の従魔を装うことができます。体の大きさや多少の姿見も偽造可能なので、お役に立てれます」......と。おまえが気になっている魔獣たちが言ってるぞ。ブリザードグリフォンを除いて」
「ギャーーーーッ、ギャーーーーーッ」
「うるさい、わめくな。なにが我の通訳をしろだ!おまえは眼中にないからさっさと山に帰れ!」
「......ファフくん、意地悪しないでよ。世界最強のドラゴンなんだから、これくらい多めにみてあげなよ」
非難するとショックを受けたかのように歯切れが悪くなるファフくん。ちょっとガラスのハート過ぎないか? グリフォンは勝ち誇ったかのように鳴いた。
ちょっとプライドが高いし、ファフくんと反りが合わなさそうだけど、私の言うことは聞いてくれそうだし。なにより従魔契約の用途に合う魔獣だ。フェンリルの方もバイコーンの方も、今後子供たちに合いに行く時の交通手段としてはいいかな?
「決めた、そこのブリザードグリフォンと、グレーターバイコーンと......あとフェンリルシーフと契約する!後の魔獣たちは今回はごめんね?またなにかあったら力になってね」
魔獣たちはがっくりと肩を落として、悲しそうに鳴いて自分の住処にかえっていった。反対に残された3匹はそれはもう嬉しそうに全体で気持ちを表現していた。
フェンリルシーフは尻尾を大きく振り、グレーターバイコーンは嘶き、ブリザードグリフォンは羽を広げた。
グレーターグリフォンの反応だけ、ファフくんは過剰に反応し返していたが、ちょっと黙っててもらった。話が先に進まないし。
「じゃあ、従魔契約するけどいいよね?こういうのって約款とか必要?」
「相手の条件と自分の条件を提示して、契約魔法を使った契約をすればいい。一例だが、主となる方は魔獣に条件を提示し、魔獣の方はその条件に対しての見返りを求める。合意すれば契約成立......といった感じだ。立会人が入ればさらに契約魔法に互いは強力に結ばれる。離れていてもお互いの位置、生存の有無が確認できるほどにな。......なので、立ち合い人は僕がなろう」
「お願い。条件の提示なら魔獣たちの条件の通訳よろしくね」
「わかっている。では、まずはフェンリルシーフから――」
それは先日の、手紙を運んでくれる魔獣選びの件。どんな魔獣がいるのかよくわからない。
たまに森を散策しているとユニコーンのような魔獣や、うさぎやオオカミのような魔獣には出くわすけど……彼らが従魔契約に足るかどうかはまた別の話。仕方ない、ここはファフくんに聞いてみるか。
……。
「というわけで、ファフくん。従魔契約を結びたいんだけど、おすすめの魔獣とかある?」
「先日のやつか。……そうだな、皇国や王国は魔獣被害も多発している国だ。人目につく事も考慮して知性のある魔獣を選らんだ方がいい。フェンリルかバイコーンあたりか?」
「鳥系の魔獣は?空の移動もできるし」
「僕は鳥が好かん。あいつら知能は高いが、プライドも一人前に高い。この間なんか、空を飛んでいたら僕を追い抜かして、遅いと言わんばかりに鼻で笑ったんだぞ?……まったく、命知らずで不敬なやつらだ」
世界に厄災を及ぼすといわれ、生きとし生けるものに恐れられているファフくんを鼻で笑う鳥とか……逆に興味が湧くんだけど。
「鳥系は絶対に許さん。グリフォンとか、ファイアバードとか契約した日には……僕はこの家をどうするかわからんぞ?」
「ちょ、それ脅し?いっとくけど、中にはお酒だって保管してるんだから。火なんて掛けた日には森中が焼野原だよ?」
「……そうだな、何より酒がもったいない」
「そこじゃないんだけど……」
がっかりしたように肩を落とすファフくん。そんなに鳥系と契約して欲しくないのか。友達が嫌がるなら敢えて鳥系の魔獣との従魔契約はしないけどさ。
だったら足の早そうなバイコーンとかフェンリルとか……?
今からこの森を探索したとしてお眼鏡に叶う魔獣がいるかどうか……。
ファフ君は私の心の中を読んだみたいで、得意げに微笑んだ。
「ならば今から森中に招集をかけてはどうだ?魔獣は魔物と違って知能があり、人間の言葉を理解する。【今から従魔契約するから、希望のあるやつは集まれ】とでも言えば森中から集まるだろう」
「……便利だけど、従魔契約ってそんなのでいいの?なんかもうちょっと契約までのストーリーとかさ……」
「魔獣はより強い奴との契約をなによりの誇りとしている。誇れる主人に仕えたいと思うのは本能だ。それに、おまえは仮にもこの森の魔女だ。僕ほどではないが、武力があり、知識もある。契約したい魔獣は多いだろう。それになにより生活環境がいい」
それでいいのか魔獣よ。というか森の大賢者なんて認識されているの、私。いったいこの森に住んでいる魔獣って私に対してどんな恐ろしい認識でいるのやら。
……まぁ、探す手間が省けたので、ファフくんの言う通り、森全体にテレパシーを掛けて【私と従魔契約をしたい魔獣は私の家にあつまれ~】と軽々しく言ってみる。
するとものの数秒で森中がざわつき始めた。
★
「がるるるるるッ……」
「ギャーッ、ギャーッ」
「ヒヒィーン、ブルルルルッ」
庭中が動物園と化した……と表現してもいいくらい、森の中にいる強そうな魔獣が集結した。中には空から飛来した、ファフくんが嫌いな鳥系の魔獣もいる。
その魔獣に関しては嫌そうな顔をしたものの、ファフくんはこの光景に感嘆した。
「予想はしていたがフェンリルシーフやグレーターバイコーン、ユニコーンまで声に応じるとは恐れ入った」
「その魔獣は強いの?」
「フェンリルシーフは風属性の魔法を得意としている。グレーターバイコーンはバイコーンの上位種で足が速く、防御力がとにかく高くて戦争用の魔獣としても重宝されている。この2匹だけでも小さいな街ひとつは壊滅できるぞ」
「戦争するわけじゃないからなぁ……」
フェンリルの方は大きい犬……サモエドみたいな感じだし、バイコーンの方はちょっといかつい馬くらいな感じで凄みを感じない。といったらファフくんはどんな反応をするのだろう。
こう簡単に目の前に現れたので、凄さがイマイチ理解できない。
「ガゥ、ガゥゥゥゥゥ」
「ブルルルル、ブルル」
「なんて言ってるの?」
言葉が理解できているようで、2匹はこちらになにかを訴えかけているようだった。魔獣の言葉などわかりはしないので、わかってそうなファフくんに助けを求める。
「お役に立てるので、ぜひ従魔に御取立てください……と」
「意外に礼儀正しいなッ!」
と冗談半分で魔獣たちにツッコミを入れてみる。それはもう嬉しそうに尻尾を振ったり、嘶いたり……これは嬉しがっているのだろうか?
にこり、と魔獣相手に愛想笑いを浮かべてみるとさらに嬉しそうな反応を返してくれる。……危険なのだろうけど、この子たち可愛い。この子たちにしようかなと心が揺れ動き始めていると、一旦静まった魔獣たちが再び騒ぎ始めた。
さらにファフくんに通訳を求める。
「……ええと、「抜け駆けをするなただの犬と馬風情が」「私の方がお役に立てれますよ!賢者様」「そこの魔獣より我の方が強い、一度機会を頂ければお役に立てると証明してみせます」……まだあるが、これ全部通訳するのは骨が折れるのだが」
「いや、全部通訳しなくていいよ……ピックアップして通訳して貰えれば」
ファフくんは頷いたが、なにか気になる言動があったのか。その視線を一点に向ける。
「……ん?何?おい、そこの害獣、今なんといった?この僕が暴力以外なんの取り柄もない鈍足ドラゴンだと?大きく物をいったものだな」
ファフくんは急に1匹の魔獣に向けて言い放った。殺気はないがその声には怒りが混じっている。その視線の先にいたのは、ここに集結した魔獣より2周りほど大きい鳥の魔獣だった。
「この子は?」
「寒い地方の山脈に生息するブリザードグリフォンだな。グリフォンの中でも特に飛翔能力が高い。氷魔法も使え、飛ぶ速度が速くプライドが高いだけの取り柄のないただの害獣だ」
鋭い目つきでにらみつけるが、ブリザードグリフォンは怯える素振りもなく毛繕いを始め、余裕の態度を見せつける。
グリフォンや私に一倍のアピールを見せつけてくれた魔獣を除き、魔獣はファフ君が不機嫌な態度に体を震わせていた。
グリフォンの態度が気にくわないファフくんは視線を私に向けた。
「おい、こいつは論外だ。とっとと帰らせろ。というかおまえ……この間湖に行くときに僕を挑発したグリフォンじゃないか!?」
「ギュルルルル」
「……なに?「いつも通る道に大きな岩が浮遊していたのですが、あれはファフニール様だったのですか?失礼しました。とても飛翔速度が遅く、イライラしていたので暴言を吐いてしまいましたお許しを……」って鼻で笑っても説得力がないだろうが!」
まるで一人で漫才でもしているようだ。それにグリフォンの方も、あのファフくんに恐れひとつ見せないとか中々の度量を持っている。空飛べるし、強ければ森から国までの往復も無事戻ってこられるだろうし。
…...でも大きいな。
「私は子供たちに手紙を届けてくれる魔獣を欲してるの。でもあなたたちだとこう......他の魔獣よりも大きいし......都市の往復は目立つかも......」
一段とアピールしてくれた魔獣たちは少なくとも人間形態のファフくんより体が大きい。ギリギリフェンリルシーフくんが妥協点ではあるけど。
あとなんか結構身に宿る魔素の量も多いし。
「......なになに「我らは魔素量の認識阻害の術を持っていますので、一般の従魔を装うことができます。体の大きさや多少の姿見も偽造可能なので、お役に立てれます」......と。おまえが気になっている魔獣たちが言ってるぞ。ブリザードグリフォンを除いて」
「ギャーーーーッ、ギャーーーーーッ」
「うるさい、わめくな。なにが我の通訳をしろだ!おまえは眼中にないからさっさと山に帰れ!」
「......ファフくん、意地悪しないでよ。世界最強のドラゴンなんだから、これくらい多めにみてあげなよ」
非難するとショックを受けたかのように歯切れが悪くなるファフくん。ちょっとガラスのハート過ぎないか? グリフォンは勝ち誇ったかのように鳴いた。
ちょっとプライドが高いし、ファフくんと反りが合わなさそうだけど、私の言うことは聞いてくれそうだし。なにより従魔契約の用途に合う魔獣だ。フェンリルの方もバイコーンの方も、今後子供たちに合いに行く時の交通手段としてはいいかな?
「決めた、そこのブリザードグリフォンと、グレーターバイコーンと......あとフェンリルシーフと契約する!後の魔獣たちは今回はごめんね?またなにかあったら力になってね」
魔獣たちはがっくりと肩を落として、悲しそうに鳴いて自分の住処にかえっていった。反対に残された3匹はそれはもう嬉しそうに全体で気持ちを表現していた。
フェンリルシーフは尻尾を大きく振り、グレーターバイコーンは嘶き、ブリザードグリフォンは羽を広げた。
グレーターグリフォンの反応だけ、ファフくんは過剰に反応し返していたが、ちょっと黙っててもらった。話が先に進まないし。
「じゃあ、従魔契約するけどいいよね?こういうのって約款とか必要?」
「相手の条件と自分の条件を提示して、契約魔法を使った契約をすればいい。一例だが、主となる方は魔獣に条件を提示し、魔獣の方はその条件に対しての見返りを求める。合意すれば契約成立......といった感じだ。立会人が入ればさらに契約魔法に互いは強力に結ばれる。離れていてもお互いの位置、生存の有無が確認できるほどにな。......なので、立ち合い人は僕がなろう」
「お願い。条件の提示なら魔獣たちの条件の通訳よろしくね」
「わかっている。では、まずはフェンリルシーフから――」
33
お気に入りに追加
250
あなたにおすすめの小説

【前編完結】50のおっさん 精霊の使い魔になったけど 死んで自分の子供に生まれ変わる!?
眼鏡の似合う女性の眼鏡が好きなんです
ファンタジー
リストラされ、再就職先を見つけた帰りに、迷子の子供たちを見つけたので声をかけた。
これが全ての始まりだった。
声をかけた子供たち。実は、覚醒する前の精霊の王と女王。
なぜか真名を教えられ、知らない内に精霊王と精霊女王の加護を受けてしまう。
加護を受けたせいで、精霊の使い魔《エレメンタルファミリア》と為った50のおっさんこと芳乃《よしの》。
平凡な表の人間社会から、国から最重要危険人物に認定されてしまう。
果たして、芳乃の運命は如何に?
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】魔女を求めて今日も彼らはやって来る。
まるねこ
ファンタジー
私の名前はエイシャ。私の腰から下は滑らかな青緑の鱗に覆われた蛇のような形をしており、人間たちの目には化け物のように映るようだ。神話に出てくるエキドナは私の祖母だ。
私が住むのは魔女エキドナが住む森と呼ばれている森の中。
昼間でも薄暗い森には多くの魔物が闊歩している。細い一本道を辿って歩いていくと、森の中心は小高い丘になっており、小さな木の家を見つけることが出来る。
魔女に会いたいと思わない限り森に入ることが出来ないし、無理にでも入ってしまえば、道は消え、迷いの森と化してしまう素敵な仕様になっている。
そんな危険を犯してまで森にやって来る人たちは魔女に頼り、願いを抱いてやってくる。
見目麗しい化け物に逢いに来るほどの願いを持つ人間たち。
さて、今回はどんな人間がくるのかしら?
※グロ表現も含まれています。読む方はご注意ください。
ダークファンタジーかも知れません…。
10/30ファンタジーにカテゴリ移動しました。
今流行りAIアプリで絵を作ってみました。
なろう小説、カクヨムにも投稿しています。
Copyright©︎2021-まるねこ
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~
みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】
事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。
神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。
作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。
「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。
※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる