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その後
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親睦パーティーで起こったことは一晩で王都中に知れ渡る事になり、社交界の良い話のネタとなった。
アシュリーはミリアーナという婚約者の存在がありながら、子爵令嬢と不貞行為に及んだ挙句、孕ませてしまったこと。自分の行いを正当化しようと親睦パーティーで、自らでっちあげたミリアーナの悪行を言いふらそうとして失敗したこと。
王族の威厳は地の底まで失墜し、アシュリーとマリアは王国貴族ほとんどから白い目で見られる羽目になる。
王国中は混乱に陥るが、ヴェスターたちのフォローのおかげでアーテル家に風評被害はなく、今回の被害者として話は広まった。
★
それから1週間と少し経過したが、アーテル家はなにごともなく日々を過ごしている。
ヴェスターもひと悶着はあったが、今は普段通りに国営の仕事をしており、シャンデラは社交界シーズンに入るので、その雑務に追われていた。
ミリアーナは学園が休みなのをいいことに、クリフォードとレタと共に早朝から釣りに出かけ、昼前まで楽しみ、今はバケツに今日取れた獲物を入れて木漏れ日の中を歩いていた。
「機嫌がいいな」
「そうですか?いつも通りだと思うのですが......」
「今にもステップを踏みそうな軽やかな足取りではないか。前は錘をつけているかのように重々しい雰囲気だった」
「......こういっては失礼なのですが、やっと肩の荷が降りたので。前より周りが輝いて見えます」
釣り竿を肩にかけ、被っている帽子を被り直しながらにこやかにほほ笑んだ。魚が入ったバケツを持っているクリフォードは笑顔を見せるミリアーナに、ドキリと胸を高鳴らせた。
もう誰の女でもない。目の前の思い人に意識せずには居られなかった。
クリフォードの思いに気づかないミリアーナは視線を外し、何気なく木々の中から差し込む陽の光に目を細めた。
【......鈍感に思いを寄せるなんておまえも大変だな】
レタは足元から憐れむようにクリフォードを見上げ、クリフォードにのみ向けて念話を送る。クリフォードはレタからの憐れみの言葉に深いため息を吐いて、なにか言いたげに眉尻を下げた。
レタは喉から笑いを漏らすと正面を向き歩く。
「どうしたの、二人とも顔を見合わせて」
【「なんでもない」】
二人の声が重なる。意味深な返しに聞こえてミリアーナは余計首を傾げた。
アシュリーはミリアーナという婚約者の存在がありながら、子爵令嬢と不貞行為に及んだ挙句、孕ませてしまったこと。自分の行いを正当化しようと親睦パーティーで、自らでっちあげたミリアーナの悪行を言いふらそうとして失敗したこと。
王族の威厳は地の底まで失墜し、アシュリーとマリアは王国貴族ほとんどから白い目で見られる羽目になる。
王国中は混乱に陥るが、ヴェスターたちのフォローのおかげでアーテル家に風評被害はなく、今回の被害者として話は広まった。
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それから1週間と少し経過したが、アーテル家はなにごともなく日々を過ごしている。
ヴェスターもひと悶着はあったが、今は普段通りに国営の仕事をしており、シャンデラは社交界シーズンに入るので、その雑務に追われていた。
ミリアーナは学園が休みなのをいいことに、クリフォードとレタと共に早朝から釣りに出かけ、昼前まで楽しみ、今はバケツに今日取れた獲物を入れて木漏れ日の中を歩いていた。
「機嫌がいいな」
「そうですか?いつも通りだと思うのですが......」
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「......こういっては失礼なのですが、やっと肩の荷が降りたので。前より周りが輝いて見えます」
釣り竿を肩にかけ、被っている帽子を被り直しながらにこやかにほほ笑んだ。魚が入ったバケツを持っているクリフォードは笑顔を見せるミリアーナに、ドキリと胸を高鳴らせた。
もう誰の女でもない。目の前の思い人に意識せずには居られなかった。
クリフォードの思いに気づかないミリアーナは視線を外し、何気なく木々の中から差し込む陽の光に目を細めた。
【......鈍感に思いを寄せるなんておまえも大変だな】
レタは足元から憐れむようにクリフォードを見上げ、クリフォードにのみ向けて念話を送る。クリフォードはレタからの憐れみの言葉に深いため息を吐いて、なにか言いたげに眉尻を下げた。
レタは喉から笑いを漏らすと正面を向き歩く。
「どうしたの、二人とも顔を見合わせて」
【「なんでもない」】
二人の声が重なる。意味深な返しに聞こえてミリアーナは余計首を傾げた。
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