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親睦パーティー当日

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両国交流会パーティー同日。

いつも以上にめかし込んだ私たちはお互いに馬車に乗り込む。クリフォード様とは同じ馬車。二人……といいたい所だが、レタも一緒だ。横にレタ。対面にクリフォード様。



整備された道を進み、王城へ向かう。がたん、ごとん、と心地よい揺れが続く。



互いに会話がないまま、いつの間にか会場につくと、クリフォード様は先に降り立ち、私の手を取った。

「では、行こう――パーティーへ」







絢爛豪華な装飾、白いテーブルクロスの上でには王国一流シェフたちが腕によりを掛けた料理の品々が並ぶ。ローストビーフ、カルパッチョ、サラダにカプレーゼ……パーティー料理の定番ばかりだ。



料理は国王の祝辞が終わってからだけど、これだけのラインナップだとどれを食べようか迷ってしまう。



「んっ……!?」



色とりどりの料理の品々に目移りしていると、見慣れている物があった。というか大貴族が集まるパーティーで出してもいいものなのかわからないメニューが。



カレーパン、フライドポテト、たこ焼き……ジャンキーなものから、シェフがその場で焼いてくれるクレープまで完備だ。……これって。



そういえば以前こういった料理が徐々に貴族に浸透していっているって話はあったけど。驚きを隠せないでいると、後ろにいたお母様の咳払いが聞こえた。



ちょっと恥ずかしそうにしている……。



「お、……おかあ、さま?」

「別に、奥様方に少し進めただけよ。それが思った以上に好評で流行ってしまったのね。こんなにも早くパーティー料理に取り入れられるとは思わなかった」



センスを口に当てて目を伏せる。いや、お母様方がそういうのであれば、それはそれでいいんだけど……こう、自分の味覚にドンピシャな料理がこんなに並んでいると、結構好き勝手に料理を作っては、布教していたんだな、と思い知らされる。



なんとなく恥ずかしくなってきた。







「ねぇ……あれって」

「クリフォード様だわ!いつ見てもかっこいい……その隣にいるご令嬢は、ミリアーナ様?」

「クリフォード様がミリアーナ様をエスコート?……でも、ミリアーナ様ってアシュリー殿下の……」



クリフォード様と世間話をしていると、壁の花と化している令嬢たちがひそひそ、となにやら話し込んでいる。まぁ、本来あるべき場所にアシュリーがいないんだから当然だろう。



こうも聞こえる距離で話されると、なんだかちょっとだけ変な感じだ。



レタは私の従魔として入場許可を貰い、隣にいてくれる。



【不愉快な人間らだな。言いたいことがあればはっきり言えばいいのに。……噛みついてやろうか】

「駄目だってば。余計悪目立ちするでしょ」

レタを抱き上げる。小型犬サイズのレタはすっぽりと女性の私の腕にも収まるサイズだ。



抱き上げたら抱き上げたで、今度はレタが不機嫌そうに口をゆがめた。



【おい、ペット扱いするな】

「してない。けど、人が多いし、迷子になる。それに背が低いから人に踏まれちゃうでしょ」

【……ふん。勝手にしろ】

「おい、二人だけの世界を作るんじゃない。俺だってミリアーナを守ってやれる」



何に張り合っているんだろうと疑問に思いながら、壇上の方を見る。すると白ベースの豪奢な衣装を身にまとった国王陛下が現われる。その隣には……。



「あれ、あれって……」

隣に軍服っぽい衣装を身にまとう妙齢の男性。……あの人って、クリフォード様の叔父さんじゃ……!



「どのタイミングで言おうか迷ったんだが、あれ、うちの父親なんだ」

「え、えっ、……え~~!いや、まぁ、瓜二つだから……え、でも」

「驚くのも無理はない。実際、そう見えないからな」

「ああ、いや、その……皇帝陛下でもああいう庶民的なお店に行くのかという驚きで……」

「まぁ、父上が特殊だな」



クリフォード様と話し込んでいると、国王陛下の咳払いが。そうして会場が静寂に包まれ、国王陛下と皇帝陛下による挨拶が始まった。
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