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決心
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3日目早朝。
「ミリアーナ、ミリアーナ!無事かッ!!いたら返事をしてくれッ!」
クリフォードとヨシュア、そして引率の教師とゴールした生徒たちを加えていくつかグループを組んでミリアーナの捜索にあたっていた。
声は生い茂る木々の間を反響し、反響した声だけが虚しく帰ってくる。
クリフォードと一緒にいるヨシュアはミリアーナの姿を探しながら、自分たちが遭難しないように目印に木に傷をつけながら、後をついて行く。
クリフォードたちがいるのはちょうど傾斜になっている森の中腹あたりで、ミリアーナが崖から落ちてそう遠くにない場所だった。
ミリアーナが崖から落ち、仮に生きていたとして上がれる場所は実質ここしかないと踏んでそこを重点的に探していた。
もちろん、崖下を探したのだが、そこにはミリアーナの姿がなかった。
しかし、何かを燃やした後と大量の魚の骨が見つかった。燃えカスや魚の骨の渇き具合からみてまだ新しいものだった。
ついさきほどまでは誰かがそこで休憩していたと断定するには十分すぎる材料であり、ミリアーナの死体がないことから、ミリアーナが使ったものである可能性が高かった。
さらに言えば、他にも上がれる場所はあるのだが、それは崖下にある川の反対側であり、女性の身であるミリアーナ一人では過酷すぎる道のりなので、そちらは捜索するにしても山道に慣れた先生に任せた。
一向にみつからない現状についにクリフォードは膝をつく。
「くそ……あの時に俺がついていれば……」
膝をついたクリフォードをなだめるように、ヨシュアはそっと背中を撫でた。
「自分を責めても仕方ありませんよ、僕たちは学園行事の参加途中だったんですし……それにあんな不幸な事故、気を付けていても回避できませんよ」
ヨシュアの言葉にぴくりと反応して、ぎろりと睨み、八つ当たりするように声を荒げる。
「事故?……故意の間違いかもしれない。あの女は以前からミリアーナと対立していて、彼女の婚約者であるアシュリーとは肉体関係をもっているではないか。彼女が目障りで突き落としたのかもしれない。それに普段からミリアーナの印象を下げるような行動と言動をして周りの印象操作をしている……俺はあの女を信用していない」
「それは……」
その言葉をヨシュアは否定しなかった。
現にヨシュアも似たようなことを考えていたからだ。
ヨシュアはラーゼン侯爵家の次期当主であり、家柄的にどの家の派閥にも属さない中立の立ち位置を歴代から保ってきた。
それ故に貴族全体の印象を下げるよう言動は出来るだけ避けてきた。
だからミリアーナが嫌な思いをしていても、例え友人であれ慰めることしかできなかった。
だが、ミリアーナを贔屓目で考えていても、なくても今回のマリアとアシュリーの言動と行動には失望した。
マリアは人一人を殺しているのかもしれないのに、その罪悪感をまったく感じていないとうことを。
アシュリーは自分の婚約者が亡くなっているかもしれない現状に心配する素振りすらしない楽天的で非情な考え方に。
子供でもすぐに理解することをできない二人に対して怒りにもにた感情が胸を渦巻いた。
淡々と装っているが、ヨシュアも実は心の中では現状に苛立ちを感じている者の一人だった。
だが、今することは現状に憤ることではなく、冷静になってミリアーナを見つけることが最優先事項だと自分に言い聞かせる。
ミリアーナはヨシュアが人生で初めて親しい間柄になった女性だった。
ヨシュアは幼い頃からラーゼン家当主となるためにあらゆる必要な教養を学んできた。
女性と接する機会など、母親か使用人しかいなかった。
いや、多少はあった。ヨシュア・ラーゼン個人ではなく、ラーゼン家と懇意にしたい家の令嬢が社交のために開いたお茶会に御呼ばれした程度だが。
そこで自分に集まった女性は自分の将来、そして家の未来のためにヨシュアに言い寄ってくるものばかりだった。
ヨシュアは家のために最低限の会話はしたが、自分の家のために言い寄ってくるのだと思うと本当の自分を見てくれていない気がして、どうしても人間と仲良くできそうになかった。
そんな中で出会ったのはミリアーナだった。
貴族の女性は詩集や刺繍、そしてピアノなどの芸事をたしなむイメージがあったが、ミリアーナの場合、自分の祖父の趣味である釣りを通してのことだった。
そこで、貴族の女性のイメージが少しだけ変わったのだ。
女性は自分がよく見られたいがために虚飾を張るイメージが強かったが、ミリアーナは自分の趣味を周りの目を気にしながらも、変に我慢することなく自分のしたいことを偽らずやってみせる。
そういう在り方にヨシュアは少しだけ元気づけられた。
人間の嫌なところばかりを見てしまうヨシュアだが、好きなことにまっすぐなミリアーナをみていると自分の視野がどれだけ狭かったのか思い知らされる。
初めてできた友人。
そしてこれからもずっと……。
そう思うのと同時に今の自分の立場と態度はこれでいいのかと葛藤する。
ミリアーナと友人としての関係を続けつつ、けれど彼女の危機の時、保身のために何も言えないでいる立場。
自分の保身のために友人の危機を救えないでいる人間は本当の友人と言えるのか。
「俺は……」
心中で問うてもその答えを出せるのは自分しかいない。
初夏の生暖かい風がヨシュアの頬を撫でる。
その時、自分の祖父であるラーゼンのある言葉を思い出す。
それはヨシュアが発端でとある貴族令嬢と令息が言い争いをしている時のこと。ヨシュアはどっちつかずな態度で仲裁をしていたのだが、「おまえはどっちの味方なのか」と言われたのだ。
その時、答えがでなくて適当に言葉を吐いてなんとか誤魔化したのだが、その時の情景が胸の中に残っていて、それをラーゼン公爵に友人間のトラブルとして吐露したのだ。
その時のラーゼンの言葉が......。
『人は深いつながりを求める生き物じゃ。関係を天秤にかければそれだけ関係は薄くなる。じゃがの、その天秤かけるまでもなく守りたい人間がいるのなら、それは友人と呼べる代物ではなかろうかの。互いに許し合い、助け合い、そして損得なしに大切だと思えるのが友人という定義なのではないかとわしは思うんじゃ。そういう友人ができればヨシュアもわかるようになる』
言葉が脳裏をよぎる。
きゅっと瞼をつむり、そして開ける。
(損得なしに大切だと思える関係……か)
開けた時は自分の決心はついていた。
「ミリアーナ、ミリアーナ!無事かッ!!いたら返事をしてくれッ!」
クリフォードとヨシュア、そして引率の教師とゴールした生徒たちを加えていくつかグループを組んでミリアーナの捜索にあたっていた。
声は生い茂る木々の間を反響し、反響した声だけが虚しく帰ってくる。
クリフォードと一緒にいるヨシュアはミリアーナの姿を探しながら、自分たちが遭難しないように目印に木に傷をつけながら、後をついて行く。
クリフォードたちがいるのはちょうど傾斜になっている森の中腹あたりで、ミリアーナが崖から落ちてそう遠くにない場所だった。
ミリアーナが崖から落ち、仮に生きていたとして上がれる場所は実質ここしかないと踏んでそこを重点的に探していた。
もちろん、崖下を探したのだが、そこにはミリアーナの姿がなかった。
しかし、何かを燃やした後と大量の魚の骨が見つかった。燃えカスや魚の骨の渇き具合からみてまだ新しいものだった。
ついさきほどまでは誰かがそこで休憩していたと断定するには十分すぎる材料であり、ミリアーナの死体がないことから、ミリアーナが使ったものである可能性が高かった。
さらに言えば、他にも上がれる場所はあるのだが、それは崖下にある川の反対側であり、女性の身であるミリアーナ一人では過酷すぎる道のりなので、そちらは捜索するにしても山道に慣れた先生に任せた。
一向にみつからない現状についにクリフォードは膝をつく。
「くそ……あの時に俺がついていれば……」
膝をついたクリフォードをなだめるように、ヨシュアはそっと背中を撫でた。
「自分を責めても仕方ありませんよ、僕たちは学園行事の参加途中だったんですし……それにあんな不幸な事故、気を付けていても回避できませんよ」
ヨシュアの言葉にぴくりと反応して、ぎろりと睨み、八つ当たりするように声を荒げる。
「事故?……故意の間違いかもしれない。あの女は以前からミリアーナと対立していて、彼女の婚約者であるアシュリーとは肉体関係をもっているではないか。彼女が目障りで突き落としたのかもしれない。それに普段からミリアーナの印象を下げるような行動と言動をして周りの印象操作をしている……俺はあの女を信用していない」
「それは……」
その言葉をヨシュアは否定しなかった。
現にヨシュアも似たようなことを考えていたからだ。
ヨシュアはラーゼン侯爵家の次期当主であり、家柄的にどの家の派閥にも属さない中立の立ち位置を歴代から保ってきた。
それ故に貴族全体の印象を下げるよう言動は出来るだけ避けてきた。
だからミリアーナが嫌な思いをしていても、例え友人であれ慰めることしかできなかった。
だが、ミリアーナを贔屓目で考えていても、なくても今回のマリアとアシュリーの言動と行動には失望した。
マリアは人一人を殺しているのかもしれないのに、その罪悪感をまったく感じていないとうことを。
アシュリーは自分の婚約者が亡くなっているかもしれない現状に心配する素振りすらしない楽天的で非情な考え方に。
子供でもすぐに理解することをできない二人に対して怒りにもにた感情が胸を渦巻いた。
淡々と装っているが、ヨシュアも実は心の中では現状に苛立ちを感じている者の一人だった。
だが、今することは現状に憤ることではなく、冷静になってミリアーナを見つけることが最優先事項だと自分に言い聞かせる。
ミリアーナはヨシュアが人生で初めて親しい間柄になった女性だった。
ヨシュアは幼い頃からラーゼン家当主となるためにあらゆる必要な教養を学んできた。
女性と接する機会など、母親か使用人しかいなかった。
いや、多少はあった。ヨシュア・ラーゼン個人ではなく、ラーゼン家と懇意にしたい家の令嬢が社交のために開いたお茶会に御呼ばれした程度だが。
そこで自分に集まった女性は自分の将来、そして家の未来のためにヨシュアに言い寄ってくるものばかりだった。
ヨシュアは家のために最低限の会話はしたが、自分の家のために言い寄ってくるのだと思うと本当の自分を見てくれていない気がして、どうしても人間と仲良くできそうになかった。
そんな中で出会ったのはミリアーナだった。
貴族の女性は詩集や刺繍、そしてピアノなどの芸事をたしなむイメージがあったが、ミリアーナの場合、自分の祖父の趣味である釣りを通してのことだった。
そこで、貴族の女性のイメージが少しだけ変わったのだ。
女性は自分がよく見られたいがために虚飾を張るイメージが強かったが、ミリアーナは自分の趣味を周りの目を気にしながらも、変に我慢することなく自分のしたいことを偽らずやってみせる。
そういう在り方にヨシュアは少しだけ元気づけられた。
人間の嫌なところばかりを見てしまうヨシュアだが、好きなことにまっすぐなミリアーナをみていると自分の視野がどれだけ狭かったのか思い知らされる。
初めてできた友人。
そしてこれからもずっと……。
そう思うのと同時に今の自分の立場と態度はこれでいいのかと葛藤する。
ミリアーナと友人としての関係を続けつつ、けれど彼女の危機の時、保身のために何も言えないでいる立場。
自分の保身のために友人の危機を救えないでいる人間は本当の友人と言えるのか。
「俺は……」
心中で問うてもその答えを出せるのは自分しかいない。
初夏の生暖かい風がヨシュアの頬を撫でる。
その時、自分の祖父であるラーゼンのある言葉を思い出す。
それはヨシュアが発端でとある貴族令嬢と令息が言い争いをしている時のこと。ヨシュアはどっちつかずな態度で仲裁をしていたのだが、「おまえはどっちの味方なのか」と言われたのだ。
その時、答えがでなくて適当に言葉を吐いてなんとか誤魔化したのだが、その時の情景が胸の中に残っていて、それをラーゼン公爵に友人間のトラブルとして吐露したのだ。
その時のラーゼンの言葉が......。
『人は深いつながりを求める生き物じゃ。関係を天秤にかければそれだけ関係は薄くなる。じゃがの、その天秤かけるまでもなく守りたい人間がいるのなら、それは友人と呼べる代物ではなかろうかの。互いに許し合い、助け合い、そして損得なしに大切だと思えるのが友人という定義なのではないかとわしは思うんじゃ。そういう友人ができればヨシュアもわかるようになる』
言葉が脳裏をよぎる。
きゅっと瞼をつむり、そして開ける。
(損得なしに大切だと思える関係……か)
開けた時は自分の決心はついていた。
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