転生嫌われ令嬢の幸せカロリー飯

赤羽夕夜

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塩分が恋しいです

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――冬休みも残り半分が過ぎた。

夜食会が禁止になって1週間ちょっと、私の心は雨模様だ。

日ごろの食生活、自堕落な精神が祟ったのかなにもやる気が起きない。

あれから夜食会をどうにか許してもらえないかお母様に直談判をするが全て却下される。

今日もお母様に怒られ、こうして昼下がりの曇り空の中令嬢らしく中庭に設置してあるベンチで紅茶を啜るのであった。

「――はぁ」

「お嬢様、ため息を吐かれますと幸せが逃げてしまいますよ」

「ほら、このクッキー私が焼いたんですよ!今日はうまく焼けたのでぜひ食べてください!」

「アン、メリー......ありがとう」

メリーが差し出したクッキーの皿から一枚とる。

......おいしい。けど今は甘味よりもクッキーの中に入っている塩の味がいつもより濃く感じる。

身体が塩分を欲しているからなのかわからないが、この塩味が夜食会をことを思い出させる。

ああ、私の唯一の楽しみだったのに。

――なんとかしてお母様を説得できないものか。

なんども思考するが状況を打破する案は思い浮かばない。メリーもアンも、他の使用人たちもお母様に掛け合ってくれたみたいだが、一向によい返事がもらえていない。

このまま本当に一生このままなのかな......。



くらいことばかり考えていたせいか、木製のベンチでずっと座っていたからかお尻が痛くなってきたので、暗いひとときを終えて私は部屋へと戻った。
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