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苦くて甘い
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数日後
ててこ: 「良かったねぇ!ななちぃ~♡」
ななち : 「うんっ、めっちゃ
楽しかったよ…/// 」
その日は仕事が忙しかった為
ななちとててこは一旦仕事を止めて
休憩室の自販機の前で話していた
ててこ : 「私もななちが楽しかったなら
嬉しいよ~♡」
ななち : 「ありがとうててこ~!」
ててこ : 「よし、あとひと仕事頑張ろ!」
ななち : 「うん!今日はご飯行こうね!」
ててこ : 「待ってました~っ☆
後で詳しく聞かせてね?♡」
ななち : 「うん!」
彼と出会ってから
毎日が生き生きしてる
やる気の起きない一日も
仕事の時間も頑張ってしまう
_____________________________________________
ててこ : 「はは~ん、それで?
やたらと彼の距離が近いと?」
ななち : 「うん…近すぎて…
ドキドキしちゃうんだよね…/// 」
ててこ : 「なるほど~?…」
仕事を終えた2人は
駅チカのレストランで
夕食を食べながら話していた
ててこ : 「それはさ、彼なりの
アピールなんじゃないの?」
ななち : 「あ、アピール?…」
ててこ : 「そう!気になってるよ~!
っていうさ?」
ななち : 「ま、まさかそんなこと…、
ないと思うんだよなぁ…
常に真顔だし…/// 」
ててこ : 「真顔って、笑
でも彼は好きな人とか彼女とかは
いないんでしょ?」
ななち : 「わ、わからない…、うぬぅ…」
ててこ : 「そっか~、でも彼女がいたら
知らない女の子を家に上げたり
しないか、普通に考えて!」
ななち : 「そうだよね…、」
ててこ : 「普通に聞いてみれば?
好きな人とかいるんですかー?って。」
ななち : 「なっ!?むりむりっ!!
そんなこと聞けないよ~///// 」
ててこ : 「なんでよ~!悪いことでは
ないんだから~!笑」
ななち : 「恥ずかしくて…聞けない…///// 」
ててこ : 「だってななちは
好きなんでしょ?」
ななち : 「え?、、、」
ててこ : 「彼のこと。」
ななち : 「なっ!?…////// 」
ててこの一言に
ななちの顔は一気に熱くなる
ててこ : 「ははっ笑 ななちぃ♡
顔真っ赤だよ!笑」
ななち : 「そ、それは…/// 」
ててこ : 「だって、好きじゃなかったら
気にならないでしょ?♡」
ななち : 「っ…/// 」
ててこがテーブルに
肘をつきながら
ななちを覗き込むように
見つめながら聞いてくる
ててこ : 「でしょ?♡」
ななち : (コクコク…)
ななちは顔を隠しながら
首を縦に振った
ててこ : 「じゃあいいじゃん!でも
聞いたらまるで気になってるって
思われそうで不安なんだよね?
分かるよ。」
ななち : 「うん…/// 」
ててこ : 「何となく大丈夫だと思うよ?
彼なら。」
ななち : 「え?…」
ててこ : 「勘だけどね?彼はきっと
いい人だと思う!」
ななち : 「わ、私もそう思います…///// 」
ててこ : 「焦らなくてもいいしね!
ななちのペースで頑張ってみなよ!
また今度会うんでしょ?♡」
ななち : 「うん…/// 」
ててこ : 「何かあったらまた
いくらでも相談乗るからね!」
ななち : 「うぅ~、ててこ…
ありがとう…泣」
ててこ : 「ほら!ご飯食べよ!」
ななち : 「うんっ!」
ててこ : 「今度その同級生くんとも
会ってみたいな~?♡」
ななち : 「私の家の近くで居酒屋さん
やってるから今度行こう!」
ててこ : 「まじ!? 行く~♡」
気になることは
たくさんあるけど
ててこに相談したら
少し心が落ち着いてほっとした
ててこはいつも前向きな言葉で
私を励ましてくれる
本当に頼りになる存在
ててこ : 「私も好きな人欲しい~♡」
ななち : 「絶対素敵な人に出会えるよ♡」
ててこ : 「え~?そ~かな~?♡♡♡」
2人はその後も
楽しく会話をしながら
夕食の時間を楽しんだ
_____________________________________________
休日
ななち : 「えっと…南改札を出て…
あれ?合ってるよね?…汗」
彼の家でご飯を作った日の
約束通りななちは
彼の楽器屋さんに向かうため
最寄りの駅まで辿り着く
ななち : 「あ、こっちだ!!!
合ってた…良かった…」
ななち : (やっぱり…いざ会うとなると…
めちゃくちゃ緊張しちゃう…/// )
ななちはまた頭の中で
同じようなことを考えながら
彼のお店までの道を歩いていた
ななち : 「あった!ここだ!」
彼のお店に着くと
ななちは店の外から
チラチラと中を覗き込む
ななち : (ギターがいっぱい…!
すごい!きれい!…/// )
ドキドキと緊張しながらも
ななちはゆっくりと
お店の中に足を踏み入れた
「カランッ、♪~ 」
キラ : 「いらっしゃいませ…あ、」
ななち : 「あっ!…/// 」
お店に入った瞬間
目の前のレジにギターを持った
キラが立っていた
キラ : 「いらっしゃい。」
ななち : 「お仕事中にごめんなさい!!
キラくん!!」
キラ : 「いや、暇だし、全然。
ちょっと待ってて?」
ななち : 「はいっ…/// 」
彼はななちにそう一声かけると
お店の裏に入って行ってしまう
彼を待っているだけで
胸がドキドキして止まらない
キラ : 「お待たせ。」
ななち : 「とんでもないです!!」
キラ : 「ななち、楽器屋来るの
初めて?」
ななち : 「あっ、えっと、昔ふらっと
寄ったことがあるくらいで、
ちゃんと見たりするのは
初めてです!!」
キラ : 「そ、じゃあ色々見てみる?」
ななち : 「見たいです!///」
キラ : 「じゃあこっち来て。」
彼は手招きしながら
ななちを店の奥へ誘導していく
ななち : 「え!?でもお店大丈夫?…」
キラ : 「大丈夫、今俺1人だから。」
ななち : 「ひ、ひとりっ!?…」
彼の発言にななちは
敏感に反応してしまった
ななち : (ひ、1人ってことは…
今2人きりってこと!?…/// )
キラ : 「どした?」
ななち : 「あっ!なんでもない!!
行きます!!!…/// 」
ななちは緊張しながらも
彼の背中を追っていく
キラ : 「これ、分かる?」
ななち : 「あ!これは!キラくんの
お家にあったやつ!」
キラ : 「そう、よく覚えてるね。
これはギブソン。」
ななち : 「ぎぶそん…!
なんだか強そうな名前だね!」
キラ : 「ギター弾く人なら
大体持ってるやつ。王道って感じ。」
ななち : 「うぉ~!…
めっちゃかっこいい形ですね!!」
キラ : 「俺も好き。ここは全部
ギブソンが置いてある。」
キラが分かりやすく
ギターを持ったり指を指したり
しながら教えてくれる
ななち : 「うわぁ~綺麗な色…/// 」
キラ : 「じゃあ、この中で好きなやつ、
1つ選んで。」
ななち : 「え?、選ぶ?」
キラ : 「うん。」
ななち : 「ん~っ!迷うけど
これにします!」
キラ : 「おっけ、」
ななちが選んだのは
ブラックカラーのギブソンだった
キラ : 「こっち来て。」
ななち : 「あ、うんっ、、」
キラはそのギターを片手に持ち
再び別の場所へと歩き出す
キラ : 「ここ、座って。」
ななち : 「わぁ、」
そこは恐らくギター専用であろう
機材やアンプが無造作に
置いてある部屋だった
ななち : 「ここは、、?」
キラ : 「ギターとかエフェクターとか
買う前に試し弾きできるとこ。」
ななち : 「なるほど!!!!」
キラ : 「ギター弾けるんだっけ?」
ななち : 「あ、いや、触ったことは
あるけど、使い方は全然…笑」
キラ : 「じゃあ、ちょっと待ってて。」
ななち : 「はいっ!」
キラ : 「、」
ななち : 「っ!…/// 」
キラはそう言うと
ななちの隣に座って
ギターを構える
「~♫ 」
ななち : 「…っ、/// 」
キラは黙ってギターの
チューニングを始める
その彼の姿に
なぜか胸が締め付けられる
ななち : (似合うな~っ…///
キラくんギター似合うな~…/// )
キラ : 「ん、ななち。」
ななち : 「な!はいっ!?…/// 」
ななちがキラの顔に
見とれていると
急に彼と目が合う
キラ : 「音、合わせたから
弾いてみる?」
ななち : 「っ!…、弾いてみたい!!」
キラ : 「どうぞ。」
ななちが答えると
キラはそっとギターを
渡してくれる
「 ~♪ 」
ななち : 「うわぁ~!鳴った~//// 」
キラ : 「鳴ったな。」
ななち : 「いい音!好き!ぎぶ、、?」
キラ : 「ギブソン、気に入った?」
ななち : 「うん!もっと弾けたら
カッコイイんだろうな~…/// 」
キラ : 「じゃあ、コード押さえてみる?」
ななち : 「え?!むりむり!!
私コードなんて分からないよ~っ汗」
突然のキラの発言に
ななちは慌てて答える
キラ : 「無理じゃないよ。
教えてあげる。」
ななち : 「ほぇ!?…/// 」
キラ : 「じゃあ Cコード、
弾いてみっか。」
ななち : 「し、Cコード…」
キラ : 「まず人差し指が…」
「っ、」
ななち : 「っ!!…/// 」
キラ : 「ここ。」
キラが躊躇なく
ななちの指に触れる
その瞬間
心臓が破裂しそうなほど
早く動き出す
ななち : 「~~~~~、//// 」
キラ : 「次ここ、」
ななち : (私、絶対顔赤い…、、
さすがにキラくんにバレてる…///
絶対バレてるっ…///// )
キラ : 「おけ、じゃあ弾いてみ。」
ななち : 「っ!」
「 ~~ ♫ 」
ななち : 「ほわぁっ!!…///
鳴った!音なった!…/// 」
キラ : 「うまいじゃん。」
ななち : 「っ!!…///// 」
彼が微笑みながら
ななちに言う
彼の微かな笑顔に
体が熱くなっていく
ななち : 「うまいは大袈裟だよ…///
あ、でもお世辞でも
嬉しいですね…/// 」
キラ : 「お世辞じゃないけど。
始めからこんなにできる人
少ないし。センスあるよ。」
ななち : 「っ!…/// 」
どうして
彼に言われる言葉は
こんなにも
胸が温かくなるんだろう…
そんな風に言われるのが
私だけだったらいいのに…
とか
考えてしまうよ…
キラ : 「他のコードも、
押さえてみる?」
ななち : 「できるかな…?笑」
キラ : 「今できたじゃん。」
ななち : 「じゃあ、やってみる!
教えてください!!…/// 」
そんなこと考えずに
今はキラくんとの
2人きりの時間を
楽しまなきゃな…
「すみませ~ん!」
ななち : 「っ!」
キラ : 「?、」
そんな風に思っていたとき
お店の入口の方から
男性の声が聞こえる
キラ : 「ごめん、客かも、
ちょっと待ってて。」
ななち : 「あ、はい!」
キラ : 「適当にいじってていいから。」
ななち : 「わ、私のことは
気にしないでいいよ!!…」
彼はななちに一声かけると
戻っていってしまう
ななち : (ふぁ…!緊張した…/// )
(お客さんかな…?
(キラくん本当は忙しいのに
わざわざ時間…
作ってくれたのかな…)
ななち : 「よいしょ、」
ななちは彼の姿を
覗きに行こうと
ギターをスタンドに立て
入口の方へ歩いていく
_____________________________________________
ななち : (キラくんの働く姿が
見たい…/// )
「これ直して。」
キラ : 「お前どんだけ
ギター壊したら気が済むの?笑」
「頼むよ~!明日使うんだよ~笑」
ななち : (なんか仲良さそう…?
お友達かな?…)
ななちは影からそっと
覗き込んでいると
レジの前で白髪の男性と
話しているキラの姿が見える
「キラ~っ!!!♡」
ななち : (っ!?… )
突然店のドアが開くと
キレイな女性が入ってくる
「ぐいっ、」
「キラ~♡ 会いたかった~♡」
キラ : 「お前、ここ店ん中。
やめろ。」
女 : 「いいじゃんいいじゃ~ん♡」
ななち : (ガタンッ!
ななちは動揺のあまり
足元にあった機材に
ぶつかってしまい
音を立ててしまう
女 : 「あれ?誰かいるの~?」
ななち : (やばいっ…!戻ろう!…)
慌ててななちは小走りで
その場から逃げ去る
キラ : 「見せて、ギター。」
男 : 「ほいっ。」
女 : 「私、店の中ぶらぶらして
待ってる~!♡」
男 : 「店荒らすなよ?笑」
女 : 「荒らさないし~!笑」
そういうと女は
2人の元から離れて
店の中を歩き出す
キラ : 「明日までにやっとくよ。」
男 : 「まじ?助かる~!!」
_____________________________________________
ななち : 「はぁ、はあ…汗、」
ななちは元の場所に
戻ってくると同時に
必死に息を整えていた
ななち : (あ、あの女の人って…、
キラくんの友達?…)
(友達にしては…
距離が近かったような…)
ななち : (もしかして…)
“彼女”!?!?
ななち : (あぁあ~っ…!!
いや!!違うかもしれないし!!…)
(っていうか私…なんで…
こんなに
気になってるんだろう…?
ななち : (でも、もしかしたら、、、
彼女もキラくんの事が…、、
す、好きだったりするのかな…)
「ズキ、」
ななち : (なんか…痛いな…。)
ななちの胸に小さな針が
チクッと刺さる
ななち : (だめだめ!!
何考えてるの私!やめよ!!)
ななちはその場に
しゃがみ込み
必死に自分に言い聞かせる
女 : 「あの~?」
ななち : 「はい!?!… 」
突然知らない声が聞こえ
ななちは慌てて振り返ると
そこにはさっきキラに
張り付いていた女性が立っていた
女 : 「お客さん居たの気づかなかった!
大丈夫ですか?」
ななち : 「は、はい!全然!
大丈夫です!!…汗」
ななち : (うわ、なんか…
めちゃくちゃ美人だ…やばい…)
女 : 「ギター、試してるんですか?」
ななち : 「あ、はい!店員さんに…
色々教えてもらってて…、、汗」
女 : 「店員って、キラのこと?」
ななち : 「あ、ああ…はい…、」
女 : 「お姉さんキラのお友達?」
ななち : 「あっ…はい…そうです!
と、友達に、なったばっか…
って言うか…なんと言うか…、/// 」
女 : 「なんだ!そうだったんだ!!
私は”あいな”。」
ななち : 「あいな…さん…!」
あいな : 「キラのライブをね
毎回も見に行ってるんだ~♡
お姉さんも?」
ななち : 「ら、ライブ!?
わ、私は全然…!
行ったことないです!!」
あいな : 「そっか。キラはね
よくライブのギター担当で色んな
バンドマンの手伝いしててね、」
ななち : 「そ、そうなんですか…!」
あいな : 「そう!私ずっとずっと
キラのこと追いかけてるんだよね♡」
ななち : 「っ、、…」
彼女になんとか笑顔を
向けながらななちは
相槌をうつ
あいな: 「いつか絶対振り向いて
もらえるって信じてるんだけど、
全然気づいて貰えなくて~♡」
ななち : 「そ、そうですか…、」
普通に聞けるはずの会話の
はずなのに
なぜか彼女の話を
聞きたくないと思った
ななち : ( 痛いな…、、私…
あいな : 「あ、邪魔してごめんなさい!
あ、キラ呼ぶ?」
ななち : 「い、いえ!お仕事
忙しいと思うので…
私はそろそろ失礼します!…」
あいな : 「え?、ちょっと、
お姉さん?!」
ななちはそう言って
荷物をまとめて
小走りで店内を歩き出す
_____________________________________________
キラ : 「明日、ライブ前に取りに来て。
直しておくから。」
男 : 「まじ助かるっ!おっけー!」
ななち : 「っ、、」
男 : 「!!…え、誰?」
彼の声が聞こえていたが
ななちはそのまま店の外に
向かっていく
キラ : 「?、ななち、どうした?」
ななち : 「あ…その…忙しいかなって…
思ったので…今日はこの辺で
失礼しますっ!」
キラ : 「、、」
ななちは笑顔でキラに
そう言ってお店から出ていく
あいな : 「あれ?さっきの
女の人は~?」
男 : 「なんか焦りながら
小走りで出てったけど?
お前なんか言ったんじゃねーの?笑」
あいな : 「は!?別に普通に
話しかけただけだけどー!!」
男 : 「お前の知り合い?」
キラ : 「うん、悪いけど俺
ちょっと外出るから、
今日は2人とも帰って。」
あいな : 「えー?なんでぇ?
キラに会いに来たのにぃ~!!泣」
キラ : 「じゃあ、ギターは明日
取りに来て。」
男 : 「おう!じゃーなー!」
キラ : 「ん、」
キラは手を挙げながら
2人にそう伝えると
急ぐように店から出ていく
あいな : 「ちぇ…せっかく
会いに来たのに~。」
男 : 「いつでも来れんだろ。笑
へこむなよ。笑」
_____________________________________________
ななち : 「はぁ…、っ、」
ななちは小走りで
最寄りの駅まで戻る
ななち : (最悪だ…、、
なんで逃げちゃったんだ…、、)
あの女の人…
めちゃくちゃ可愛かった
きっと
キラくんのこと好きだ…
それだけで
私は動揺して…
私が行きたいって行ったのに…
キラくんにどんな顔したら
いいのかな…
ななち : (私、余裕ない…最悪…。
もっと普通に出来たはずなのに…)
あの女の人は
きっと私より
色んなキラくんを
知ってるんだろうな…
なんでこんなに
落ち込んでるんだろう…
そっか…
私も
“キラくんが好きだからだ”….
そう確信した瞬間
目が熱くなっていく
ななち : 「っ、なにこんな場所で
落ち込んでるんだ…だめだめっ!
キラくんに連絡しないと…」
「ななち。」
ななち : 「っ!?、」
携帯を取り出した瞬間
後ろから聞こえる
優しい声
ななち : 「キラ…くん?、、」
キラ : 「っ、、」
走って探してくれたのか
彼の肩が少し上下に
動いているのが分かる
キラ : 「大丈夫?なんかあった?」
ななち : 「あ、っ、えっと…、/// 」
「彼女のことが好き?」
「付き合ってるの?」
そんな本音を伝えてしまったら
全てが壊れてしまいそうで
キラ : 「体調悪い?」
ななち : 「ち、違うの!
そうじゃなくて…、、」
キラ : 「?…、」
ななち : 「キラくんの見てる世界は
私には広すぎて…、その…、」
彼の顔が見れない
ななち : 「さっきのお友達さん
達みたいに…私はできないし…
私はその…違うのかなって…、、」
キラ : 「、、、」
たぶん
絶対嫌われたと思う
私には合いませんでしたって
言っているようなものだ
もう仕方ないと思った
キラ : 「同じじゃなきゃ
ダメとかあんの?」
ななち : 「え?」
その一言にななちは
彼を見上げて見つめる
キラ : 「俺は、音楽が好きだからとか
趣味が合うからななちを
誘ったんじゃないよ。」
ななち : 「っ、、」
ななちのことを
まっすぐ見つめながら
彼が言う
キラ : 「欲を言えば、ななちに
俺のことを知って欲しかった。」
ななち : 「えっ?… 」
キラ : 「俺の知らないななちを、
俺はもっと知りたい。」
彼の言葉に
身体中か熱くなってくる
キラ : 「ななちは?違う?」
ななち : 「わっ、あっ…、
えっと…っ、、、///// 」
ななちのことを
覗き込むように
彼は見つめてくる
ななち : 「わ、私も…、、
し、知りたい…です…!…/// 」
ななちは彼を見上げ
緊張で小さく震えながら
そう答える
キラ : 「ん。」
「きゅ、」
ななち : 「っ!?…/////」
突然目の前が真っ暗になる
ななちの体が
彼の腕に包まれる
「さらっ」
ななち : 「….っ、////// 」
彼にそっと
頭を撫でられているのが分かる
彼の腕の隙間から
見える景色が
滲んで見える
悲しくて泣きそうなんじゃない
彼も同じ気持ちだったって…
それが知れて嬉しくて…
何も言葉が出てこない
キラ : 「、?、大丈夫?」
ななち : 「はっ!…/////// 」
彼が聞きながら
ななちを覗き込むように見つめる
ななち : (キラくんって…
いつも覗き込んでくる…、
…クセなのかな…////// )
キラ : 「俺、もうちょっとで
上がるけど、一緒に帰る?」
ななち : 「えっ!…/// 」
キラ : 「先帰る?」
ななち : 「…///」
ずるいな…
そんな究極の2択…
ななち : 「一緒に帰ろっ…かな…//// 」
キラ : 「ん、じゃあ店戻ろ。
もうあいつら帰ったから大丈夫。」
ななち : 「ぁ…、…///」
最悪だな…わたし…
お友達のこと気にしてるの
バレてる…に決まってるか…
こんな風にキラくんに
気を使わせて…
キラ : 「ななちはこの後、暇?」
ななち : 「え、?、あ!うん!
何もないよ…!」
キラ : 「じゃあ、店出たら
飯食って帰ろっか。」
ななち : 「え!、 」
キラ : 「え?」
ななち : 「あ、あの…、どうして…」
キラ : 「?、」
ななち : 「わ、私と、ご飯…
食べるの?…/// 」
キラ : 「、、、?」
絶対変な質問だって
分かってる
でも
彼のことが…
ななち : 「いや!お腹空いたからに
決まってるよね!!…/////
ごめん!変なこと聞いて…///// 」
キラ : 「それは、」
ななち : 「?…/// 」
キラ : 「もっと居たいから。」
ななち : 「っ!?…////// 」
キラ : 「ななちともっと居たいから。」
彼は立ち止まって
振り返りながら
ななちに向かって言う
ななち : 「そ、そうなんだ…、
そっか…////// 」
キラ : 「さっき教えたコード覚えてる?」
ななち : 「忘れたと思います…/// 」
キラ : 「、笑」
小さな蕾が
どんどん膨らんで
大きくなっていくように
彼の存在が
私の中で
いっぱいになっていく
“ねぇ…キラくん”
私…期待しちゃうよ…
期待してもいいよね…?
to be continued…
ててこ: 「良かったねぇ!ななちぃ~♡」
ななち : 「うんっ、めっちゃ
楽しかったよ…/// 」
その日は仕事が忙しかった為
ななちとててこは一旦仕事を止めて
休憩室の自販機の前で話していた
ててこ : 「私もななちが楽しかったなら
嬉しいよ~♡」
ななち : 「ありがとうててこ~!」
ててこ : 「よし、あとひと仕事頑張ろ!」
ななち : 「うん!今日はご飯行こうね!」
ててこ : 「待ってました~っ☆
後で詳しく聞かせてね?♡」
ななち : 「うん!」
彼と出会ってから
毎日が生き生きしてる
やる気の起きない一日も
仕事の時間も頑張ってしまう
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ててこ : 「はは~ん、それで?
やたらと彼の距離が近いと?」
ななち : 「うん…近すぎて…
ドキドキしちゃうんだよね…/// 」
ててこ : 「なるほど~?…」
仕事を終えた2人は
駅チカのレストランで
夕食を食べながら話していた
ててこ : 「それはさ、彼なりの
アピールなんじゃないの?」
ななち : 「あ、アピール?…」
ててこ : 「そう!気になってるよ~!
っていうさ?」
ななち : 「ま、まさかそんなこと…、
ないと思うんだよなぁ…
常に真顔だし…/// 」
ててこ : 「真顔って、笑
でも彼は好きな人とか彼女とかは
いないんでしょ?」
ななち : 「わ、わからない…、うぬぅ…」
ててこ : 「そっか~、でも彼女がいたら
知らない女の子を家に上げたり
しないか、普通に考えて!」
ななち : 「そうだよね…、」
ててこ : 「普通に聞いてみれば?
好きな人とかいるんですかー?って。」
ななち : 「なっ!?むりむりっ!!
そんなこと聞けないよ~///// 」
ててこ : 「なんでよ~!悪いことでは
ないんだから~!笑」
ななち : 「恥ずかしくて…聞けない…///// 」
ててこ : 「だってななちは
好きなんでしょ?」
ななち : 「え?、、、」
ててこ : 「彼のこと。」
ななち : 「なっ!?…////// 」
ててこの一言に
ななちの顔は一気に熱くなる
ててこ : 「ははっ笑 ななちぃ♡
顔真っ赤だよ!笑」
ななち : 「そ、それは…/// 」
ててこ : 「だって、好きじゃなかったら
気にならないでしょ?♡」
ななち : 「っ…/// 」
ててこがテーブルに
肘をつきながら
ななちを覗き込むように
見つめながら聞いてくる
ててこ : 「でしょ?♡」
ななち : (コクコク…)
ななちは顔を隠しながら
首を縦に振った
ててこ : 「じゃあいいじゃん!でも
聞いたらまるで気になってるって
思われそうで不安なんだよね?
分かるよ。」
ななち : 「うん…/// 」
ててこ : 「何となく大丈夫だと思うよ?
彼なら。」
ななち : 「え?…」
ててこ : 「勘だけどね?彼はきっと
いい人だと思う!」
ななち : 「わ、私もそう思います…///// 」
ててこ : 「焦らなくてもいいしね!
ななちのペースで頑張ってみなよ!
また今度会うんでしょ?♡」
ななち : 「うん…/// 」
ててこ : 「何かあったらまた
いくらでも相談乗るからね!」
ななち : 「うぅ~、ててこ…
ありがとう…泣」
ててこ : 「ほら!ご飯食べよ!」
ななち : 「うんっ!」
ててこ : 「今度その同級生くんとも
会ってみたいな~?♡」
ななち : 「私の家の近くで居酒屋さん
やってるから今度行こう!」
ててこ : 「まじ!? 行く~♡」
気になることは
たくさんあるけど
ててこに相談したら
少し心が落ち着いてほっとした
ててこはいつも前向きな言葉で
私を励ましてくれる
本当に頼りになる存在
ててこ : 「私も好きな人欲しい~♡」
ななち : 「絶対素敵な人に出会えるよ♡」
ててこ : 「え~?そ~かな~?♡♡♡」
2人はその後も
楽しく会話をしながら
夕食の時間を楽しんだ
_____________________________________________
休日
ななち : 「えっと…南改札を出て…
あれ?合ってるよね?…汗」
彼の家でご飯を作った日の
約束通りななちは
彼の楽器屋さんに向かうため
最寄りの駅まで辿り着く
ななち : 「あ、こっちだ!!!
合ってた…良かった…」
ななち : (やっぱり…いざ会うとなると…
めちゃくちゃ緊張しちゃう…/// )
ななちはまた頭の中で
同じようなことを考えながら
彼のお店までの道を歩いていた
ななち : 「あった!ここだ!」
彼のお店に着くと
ななちは店の外から
チラチラと中を覗き込む
ななち : (ギターがいっぱい…!
すごい!きれい!…/// )
ドキドキと緊張しながらも
ななちはゆっくりと
お店の中に足を踏み入れた
「カランッ、♪~ 」
キラ : 「いらっしゃいませ…あ、」
ななち : 「あっ!…/// 」
お店に入った瞬間
目の前のレジにギターを持った
キラが立っていた
キラ : 「いらっしゃい。」
ななち : 「お仕事中にごめんなさい!!
キラくん!!」
キラ : 「いや、暇だし、全然。
ちょっと待ってて?」
ななち : 「はいっ…/// 」
彼はななちにそう一声かけると
お店の裏に入って行ってしまう
彼を待っているだけで
胸がドキドキして止まらない
キラ : 「お待たせ。」
ななち : 「とんでもないです!!」
キラ : 「ななち、楽器屋来るの
初めて?」
ななち : 「あっ、えっと、昔ふらっと
寄ったことがあるくらいで、
ちゃんと見たりするのは
初めてです!!」
キラ : 「そ、じゃあ色々見てみる?」
ななち : 「見たいです!///」
キラ : 「じゃあこっち来て。」
彼は手招きしながら
ななちを店の奥へ誘導していく
ななち : 「え!?でもお店大丈夫?…」
キラ : 「大丈夫、今俺1人だから。」
ななち : 「ひ、ひとりっ!?…」
彼の発言にななちは
敏感に反応してしまった
ななち : (ひ、1人ってことは…
今2人きりってこと!?…/// )
キラ : 「どした?」
ななち : 「あっ!なんでもない!!
行きます!!!…/// 」
ななちは緊張しながらも
彼の背中を追っていく
キラ : 「これ、分かる?」
ななち : 「あ!これは!キラくんの
お家にあったやつ!」
キラ : 「そう、よく覚えてるね。
これはギブソン。」
ななち : 「ぎぶそん…!
なんだか強そうな名前だね!」
キラ : 「ギター弾く人なら
大体持ってるやつ。王道って感じ。」
ななち : 「うぉ~!…
めっちゃかっこいい形ですね!!」
キラ : 「俺も好き。ここは全部
ギブソンが置いてある。」
キラが分かりやすく
ギターを持ったり指を指したり
しながら教えてくれる
ななち : 「うわぁ~綺麗な色…/// 」
キラ : 「じゃあ、この中で好きなやつ、
1つ選んで。」
ななち : 「え?、選ぶ?」
キラ : 「うん。」
ななち : 「ん~っ!迷うけど
これにします!」
キラ : 「おっけ、」
ななちが選んだのは
ブラックカラーのギブソンだった
キラ : 「こっち来て。」
ななち : 「あ、うんっ、、」
キラはそのギターを片手に持ち
再び別の場所へと歩き出す
キラ : 「ここ、座って。」
ななち : 「わぁ、」
そこは恐らくギター専用であろう
機材やアンプが無造作に
置いてある部屋だった
ななち : 「ここは、、?」
キラ : 「ギターとかエフェクターとか
買う前に試し弾きできるとこ。」
ななち : 「なるほど!!!!」
キラ : 「ギター弾けるんだっけ?」
ななち : 「あ、いや、触ったことは
あるけど、使い方は全然…笑」
キラ : 「じゃあ、ちょっと待ってて。」
ななち : 「はいっ!」
キラ : 「、」
ななち : 「っ!…/// 」
キラはそう言うと
ななちの隣に座って
ギターを構える
「~♫ 」
ななち : 「…っ、/// 」
キラは黙ってギターの
チューニングを始める
その彼の姿に
なぜか胸が締め付けられる
ななち : (似合うな~っ…///
キラくんギター似合うな~…/// )
キラ : 「ん、ななち。」
ななち : 「な!はいっ!?…/// 」
ななちがキラの顔に
見とれていると
急に彼と目が合う
キラ : 「音、合わせたから
弾いてみる?」
ななち : 「っ!…、弾いてみたい!!」
キラ : 「どうぞ。」
ななちが答えると
キラはそっとギターを
渡してくれる
「 ~♪ 」
ななち : 「うわぁ~!鳴った~//// 」
キラ : 「鳴ったな。」
ななち : 「いい音!好き!ぎぶ、、?」
キラ : 「ギブソン、気に入った?」
ななち : 「うん!もっと弾けたら
カッコイイんだろうな~…/// 」
キラ : 「じゃあ、コード押さえてみる?」
ななち : 「え?!むりむり!!
私コードなんて分からないよ~っ汗」
突然のキラの発言に
ななちは慌てて答える
キラ : 「無理じゃないよ。
教えてあげる。」
ななち : 「ほぇ!?…/// 」
キラ : 「じゃあ Cコード、
弾いてみっか。」
ななち : 「し、Cコード…」
キラ : 「まず人差し指が…」
「っ、」
ななち : 「っ!!…/// 」
キラ : 「ここ。」
キラが躊躇なく
ななちの指に触れる
その瞬間
心臓が破裂しそうなほど
早く動き出す
ななち : 「~~~~~、//// 」
キラ : 「次ここ、」
ななち : (私、絶対顔赤い…、、
さすがにキラくんにバレてる…///
絶対バレてるっ…///// )
キラ : 「おけ、じゃあ弾いてみ。」
ななち : 「っ!」
「 ~~ ♫ 」
ななち : 「ほわぁっ!!…///
鳴った!音なった!…/// 」
キラ : 「うまいじゃん。」
ななち : 「っ!!…///// 」
彼が微笑みながら
ななちに言う
彼の微かな笑顔に
体が熱くなっていく
ななち : 「うまいは大袈裟だよ…///
あ、でもお世辞でも
嬉しいですね…/// 」
キラ : 「お世辞じゃないけど。
始めからこんなにできる人
少ないし。センスあるよ。」
ななち : 「っ!…/// 」
どうして
彼に言われる言葉は
こんなにも
胸が温かくなるんだろう…
そんな風に言われるのが
私だけだったらいいのに…
とか
考えてしまうよ…
キラ : 「他のコードも、
押さえてみる?」
ななち : 「できるかな…?笑」
キラ : 「今できたじゃん。」
ななち : 「じゃあ、やってみる!
教えてください!!…/// 」
そんなこと考えずに
今はキラくんとの
2人きりの時間を
楽しまなきゃな…
「すみませ~ん!」
ななち : 「っ!」
キラ : 「?、」
そんな風に思っていたとき
お店の入口の方から
男性の声が聞こえる
キラ : 「ごめん、客かも、
ちょっと待ってて。」
ななち : 「あ、はい!」
キラ : 「適当にいじってていいから。」
ななち : 「わ、私のことは
気にしないでいいよ!!…」
彼はななちに一声かけると
戻っていってしまう
ななち : (ふぁ…!緊張した…/// )
(お客さんかな…?
(キラくん本当は忙しいのに
わざわざ時間…
作ってくれたのかな…)
ななち : 「よいしょ、」
ななちは彼の姿を
覗きに行こうと
ギターをスタンドに立て
入口の方へ歩いていく
_____________________________________________
ななち : (キラくんの働く姿が
見たい…/// )
「これ直して。」
キラ : 「お前どんだけ
ギター壊したら気が済むの?笑」
「頼むよ~!明日使うんだよ~笑」
ななち : (なんか仲良さそう…?
お友達かな?…)
ななちは影からそっと
覗き込んでいると
レジの前で白髪の男性と
話しているキラの姿が見える
「キラ~っ!!!♡」
ななち : (っ!?… )
突然店のドアが開くと
キレイな女性が入ってくる
「ぐいっ、」
「キラ~♡ 会いたかった~♡」
キラ : 「お前、ここ店ん中。
やめろ。」
女 : 「いいじゃんいいじゃ~ん♡」
ななち : (ガタンッ!
ななちは動揺のあまり
足元にあった機材に
ぶつかってしまい
音を立ててしまう
女 : 「あれ?誰かいるの~?」
ななち : (やばいっ…!戻ろう!…)
慌ててななちは小走りで
その場から逃げ去る
キラ : 「見せて、ギター。」
男 : 「ほいっ。」
女 : 「私、店の中ぶらぶらして
待ってる~!♡」
男 : 「店荒らすなよ?笑」
女 : 「荒らさないし~!笑」
そういうと女は
2人の元から離れて
店の中を歩き出す
キラ : 「明日までにやっとくよ。」
男 : 「まじ?助かる~!!」
_____________________________________________
ななち : 「はぁ、はあ…汗、」
ななちは元の場所に
戻ってくると同時に
必死に息を整えていた
ななち : (あ、あの女の人って…、
キラくんの友達?…)
(友達にしては…
距離が近かったような…)
ななち : (もしかして…)
“彼女”!?!?
ななち : (あぁあ~っ…!!
いや!!違うかもしれないし!!…)
(っていうか私…なんで…
こんなに
気になってるんだろう…?
ななち : (でも、もしかしたら、、、
彼女もキラくんの事が…、、
す、好きだったりするのかな…)
「ズキ、」
ななち : (なんか…痛いな…。)
ななちの胸に小さな針が
チクッと刺さる
ななち : (だめだめ!!
何考えてるの私!やめよ!!)
ななちはその場に
しゃがみ込み
必死に自分に言い聞かせる
女 : 「あの~?」
ななち : 「はい!?!… 」
突然知らない声が聞こえ
ななちは慌てて振り返ると
そこにはさっきキラに
張り付いていた女性が立っていた
女 : 「お客さん居たの気づかなかった!
大丈夫ですか?」
ななち : 「は、はい!全然!
大丈夫です!!…汗」
ななち : (うわ、なんか…
めちゃくちゃ美人だ…やばい…)
女 : 「ギター、試してるんですか?」
ななち : 「あ、はい!店員さんに…
色々教えてもらってて…、、汗」
女 : 「店員って、キラのこと?」
ななち : 「あ、ああ…はい…、」
女 : 「お姉さんキラのお友達?」
ななち : 「あっ…はい…そうです!
と、友達に、なったばっか…
って言うか…なんと言うか…、/// 」
女 : 「なんだ!そうだったんだ!!
私は”あいな”。」
ななち : 「あいな…さん…!」
あいな : 「キラのライブをね
毎回も見に行ってるんだ~♡
お姉さんも?」
ななち : 「ら、ライブ!?
わ、私は全然…!
行ったことないです!!」
あいな : 「そっか。キラはね
よくライブのギター担当で色んな
バンドマンの手伝いしててね、」
ななち : 「そ、そうなんですか…!」
あいな : 「そう!私ずっとずっと
キラのこと追いかけてるんだよね♡」
ななち : 「っ、、…」
彼女になんとか笑顔を
向けながらななちは
相槌をうつ
あいな: 「いつか絶対振り向いて
もらえるって信じてるんだけど、
全然気づいて貰えなくて~♡」
ななち : 「そ、そうですか…、」
普通に聞けるはずの会話の
はずなのに
なぜか彼女の話を
聞きたくないと思った
ななち : ( 痛いな…、、私…
あいな : 「あ、邪魔してごめんなさい!
あ、キラ呼ぶ?」
ななち : 「い、いえ!お仕事
忙しいと思うので…
私はそろそろ失礼します!…」
あいな : 「え?、ちょっと、
お姉さん?!」
ななちはそう言って
荷物をまとめて
小走りで店内を歩き出す
_____________________________________________
キラ : 「明日、ライブ前に取りに来て。
直しておくから。」
男 : 「まじ助かるっ!おっけー!」
ななち : 「っ、、」
男 : 「!!…え、誰?」
彼の声が聞こえていたが
ななちはそのまま店の外に
向かっていく
キラ : 「?、ななち、どうした?」
ななち : 「あ…その…忙しいかなって…
思ったので…今日はこの辺で
失礼しますっ!」
キラ : 「、、」
ななちは笑顔でキラに
そう言ってお店から出ていく
あいな : 「あれ?さっきの
女の人は~?」
男 : 「なんか焦りながら
小走りで出てったけど?
お前なんか言ったんじゃねーの?笑」
あいな : 「は!?別に普通に
話しかけただけだけどー!!」
男 : 「お前の知り合い?」
キラ : 「うん、悪いけど俺
ちょっと外出るから、
今日は2人とも帰って。」
あいな : 「えー?なんでぇ?
キラに会いに来たのにぃ~!!泣」
キラ : 「じゃあ、ギターは明日
取りに来て。」
男 : 「おう!じゃーなー!」
キラ : 「ん、」
キラは手を挙げながら
2人にそう伝えると
急ぐように店から出ていく
あいな : 「ちぇ…せっかく
会いに来たのに~。」
男 : 「いつでも来れんだろ。笑
へこむなよ。笑」
_____________________________________________
ななち : 「はぁ…、っ、」
ななちは小走りで
最寄りの駅まで戻る
ななち : (最悪だ…、、
なんで逃げちゃったんだ…、、)
あの女の人…
めちゃくちゃ可愛かった
きっと
キラくんのこと好きだ…
それだけで
私は動揺して…
私が行きたいって行ったのに…
キラくんにどんな顔したら
いいのかな…
ななち : (私、余裕ない…最悪…。
もっと普通に出来たはずなのに…)
あの女の人は
きっと私より
色んなキラくんを
知ってるんだろうな…
なんでこんなに
落ち込んでるんだろう…
そっか…
私も
“キラくんが好きだからだ”….
そう確信した瞬間
目が熱くなっていく
ななち : 「っ、なにこんな場所で
落ち込んでるんだ…だめだめっ!
キラくんに連絡しないと…」
「ななち。」
ななち : 「っ!?、」
携帯を取り出した瞬間
後ろから聞こえる
優しい声
ななち : 「キラ…くん?、、」
キラ : 「っ、、」
走って探してくれたのか
彼の肩が少し上下に
動いているのが分かる
キラ : 「大丈夫?なんかあった?」
ななち : 「あ、っ、えっと…、/// 」
「彼女のことが好き?」
「付き合ってるの?」
そんな本音を伝えてしまったら
全てが壊れてしまいそうで
キラ : 「体調悪い?」
ななち : 「ち、違うの!
そうじゃなくて…、、」
キラ : 「?…、」
ななち : 「キラくんの見てる世界は
私には広すぎて…、その…、」
彼の顔が見れない
ななち : 「さっきのお友達さん
達みたいに…私はできないし…
私はその…違うのかなって…、、」
キラ : 「、、、」
たぶん
絶対嫌われたと思う
私には合いませんでしたって
言っているようなものだ
もう仕方ないと思った
キラ : 「同じじゃなきゃ
ダメとかあんの?」
ななち : 「え?」
その一言にななちは
彼を見上げて見つめる
キラ : 「俺は、音楽が好きだからとか
趣味が合うからななちを
誘ったんじゃないよ。」
ななち : 「っ、、」
ななちのことを
まっすぐ見つめながら
彼が言う
キラ : 「欲を言えば、ななちに
俺のことを知って欲しかった。」
ななち : 「えっ?… 」
キラ : 「俺の知らないななちを、
俺はもっと知りたい。」
彼の言葉に
身体中か熱くなってくる
キラ : 「ななちは?違う?」
ななち : 「わっ、あっ…、
えっと…っ、、、///// 」
ななちのことを
覗き込むように
彼は見つめてくる
ななち : 「わ、私も…、、
し、知りたい…です…!…/// 」
ななちは彼を見上げ
緊張で小さく震えながら
そう答える
キラ : 「ん。」
「きゅ、」
ななち : 「っ!?…/////」
突然目の前が真っ暗になる
ななちの体が
彼の腕に包まれる
「さらっ」
ななち : 「….っ、////// 」
彼にそっと
頭を撫でられているのが分かる
彼の腕の隙間から
見える景色が
滲んで見える
悲しくて泣きそうなんじゃない
彼も同じ気持ちだったって…
それが知れて嬉しくて…
何も言葉が出てこない
キラ : 「、?、大丈夫?」
ななち : 「はっ!…/////// 」
彼が聞きながら
ななちを覗き込むように見つめる
ななち : (キラくんって…
いつも覗き込んでくる…、
…クセなのかな…////// )
キラ : 「俺、もうちょっとで
上がるけど、一緒に帰る?」
ななち : 「えっ!…/// 」
キラ : 「先帰る?」
ななち : 「…///」
ずるいな…
そんな究極の2択…
ななち : 「一緒に帰ろっ…かな…//// 」
キラ : 「ん、じゃあ店戻ろ。
もうあいつら帰ったから大丈夫。」
ななち : 「ぁ…、…///」
最悪だな…わたし…
お友達のこと気にしてるの
バレてる…に決まってるか…
こんな風にキラくんに
気を使わせて…
キラ : 「ななちはこの後、暇?」
ななち : 「え、?、あ!うん!
何もないよ…!」
キラ : 「じゃあ、店出たら
飯食って帰ろっか。」
ななち : 「え!、 」
キラ : 「え?」
ななち : 「あ、あの…、どうして…」
キラ : 「?、」
ななち : 「わ、私と、ご飯…
食べるの?…/// 」
キラ : 「、、、?」
絶対変な質問だって
分かってる
でも
彼のことが…
ななち : 「いや!お腹空いたからに
決まってるよね!!…/////
ごめん!変なこと聞いて…///// 」
キラ : 「それは、」
ななち : 「?…/// 」
キラ : 「もっと居たいから。」
ななち : 「っ!?…////// 」
キラ : 「ななちともっと居たいから。」
彼は立ち止まって
振り返りながら
ななちに向かって言う
ななち : 「そ、そうなんだ…、
そっか…////// 」
キラ : 「さっき教えたコード覚えてる?」
ななち : 「忘れたと思います…/// 」
キラ : 「、笑」
小さな蕾が
どんどん膨らんで
大きくなっていくように
彼の存在が
私の中で
いっぱいになっていく
“ねぇ…キラくん”
私…期待しちゃうよ…
期待してもいいよね…?
to be continued…
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