17 / 86
第二章 日常、そして非日常
女子会②
しおりを挟む
女子会と言えば恋愛トーク!
レイラも恋バナをしたがっていたし、きっと恋愛の話題から始まって、最初から最後まで終始こういった類の話で終わるのかと思いきや、流石集まったのがオタクと悪役令嬢。恋愛は二の次だった。
「へー、では握手をする時は最後尾に並ぶ方がよろしいと言うことですわね」
「ふふ、レイラちゃんはまだまだだね。考えが生ぬるいよ。鍵閉めは顔を覚えてもらう為。推しに認知されないと始まらないからね。認知してさえ貰えれば鍵開けの方が断然良いよ。誰にも触れていない、まっさらな手で私の手を優しく握ってくれる……まさにそれは恋人と同じなのよ!」
「なんと! 奥が深いですわ。わたくし、何故だかそこにいるだけで皆が道を開けてくれるのですわ。鍵開けのお手伝いが出来るかもですわ」
「レイラのそれはちょっと違うかなぁ。見た目が悪……高貴なお嬢様だから道を開けてくれるだけで、ファンの中に入ると問答無用で叩き出されるよ。握手会とは言わば戦場なのよ」
小夜がドルオタトークを炸裂し、レイラが真剣な眼差しでそれを聞いて返している。そして私がレイラに補足して説明する。これが小一時間程続いている。
「でもさ、小夜ちゃんは魔王様に推し変したんでしょ? もうライブ行かないの?」
「行くわよ。本命は魔王様で二推しが健斗よ」
「ふふ、魔王様は愛されていらっしゃいますわね」
「良かったー。小夜ちゃんが推し活一緒にいってくれなくなったら寂しいもん」
小夜が来れない時に何度か一人で行ったこともあるが、あの感動を誰とも共有せずに帰るのは思いの外寂しいものがあるのだ。
「今度わたくしも御一緒しても宜しいかしら? 小夜様と美羽の話を聞いていたらとても楽しいところのようですし」
レイラの言葉に小夜が前のめりになって応えた。
「もちろん。私の本命は魔王様になったから、健斗推しても良いよ! 顔は魔王様には劣るけど、あのグループの中じゃ一番だと思ってる」
「一番はリクだよ! あの切れ長な瞳に知的なメガネ。神だよ」
「田中そっくりだけどね」
「うっ……やっぱ私も推し変しようかな」
トントントン。
私達三人が口々に話をしていると、扉をノックする音が聞こえた。視線が一斉に扉へ集中し、小夜が返事をした。
「はーい」
「……」
「あれ? 入ってこないね」
今、小夜の家にいるのは私たちを除いて小夜の弟の悠馬だけだ。いつもならノックもせずに入ってくるのにどうしたのだろうか。
「ちょっと見てくるね」
そう言って小夜が立ち上がって扉を開くと土下座をした悠馬がそこにいた。しかもフォーマルなスーツに身を包み、髪もワックスで塗り固められている。
「げ、悠馬何してんの? 頭でも打ったの?」
「まさか。ぼくは元々こんなんだよ。お姉様」
悠馬が顔をあげてニコリと笑えば、小夜が一歩後退りした。
「お姉様ってなに……? キモいんだけど、ガチで。しかも、『ぼく』は格好悪いからって六年生でやめたんじゃなかったの?」
「そんな事を言っていた頃もあったかな……。だけど、ぼくは決めたんだ」
「な、何を?」
悠馬はゆっくりと立ち上がり、部屋に入ってきた。そしてレイラの前に跪いた。どこからともなく薔薇の花を一輪取り出し、レイラに向けて言った。
「ぼくと結婚して下さい」
「は? 悠馬なに言っ……」
「まぁ。どう致しましょう。こんなストレートに求愛されるなんて初めてですわ」
悠馬の行動に、小夜と私は驚きを通り越して呆れを感じていたが、レイラは違った。本気で嬉しそうだ。
「本来だったらお父様に相談してってなるのでしょうが、今はいないのでどういった手順が宜しいのでしょうか。美羽、教えて下さらない?」
「え……わ、私?」
まさか私に振ってくると思わなくて戸惑いが隠せない。だが、聞かれたからには応えねば。
「えっと……とりあえずお互いの事をもっと良く知ってからの方が良いんじゃないかなぁ。友達からとか」
「分かりましたわ」
レイラは一輪の薔薇の花を悠馬から受け取った。
「では、悠馬様、今日からわたくしと悠馬様はお友達と言うことで宜しいでしょうか?」
「はい! よろしくお願いします」
悠馬はとても嬉しそうにレイラと握手をした。そして、悠馬は立ち上がると、私と小夜に向き直って手を振った。
「では、お姉様、美羽様もごきげんよう」
パタンッ。
悠馬は満面の笑みで退室していった——。
「よく分かんないけど、弟がごめんね。レイラちゃんも私に構わず嫌なら嫌って言って良いからね」
「いいえ。真摯に向き合ってくれる方には、わたくしもきちんと向き合いたいのです。それに、歳下男子と言うものは存外可愛いものかもしれませんわ」
薔薇の花を見て微笑むレイラ。私と小夜は目を見合わせて頷いた。
私たちは、一つの恋の始まりを目の当たりにしたかもしれない。
そして、女子会はまだまだ続く——。
レイラも恋バナをしたがっていたし、きっと恋愛の話題から始まって、最初から最後まで終始こういった類の話で終わるのかと思いきや、流石集まったのがオタクと悪役令嬢。恋愛は二の次だった。
「へー、では握手をする時は最後尾に並ぶ方がよろしいと言うことですわね」
「ふふ、レイラちゃんはまだまだだね。考えが生ぬるいよ。鍵閉めは顔を覚えてもらう為。推しに認知されないと始まらないからね。認知してさえ貰えれば鍵開けの方が断然良いよ。誰にも触れていない、まっさらな手で私の手を優しく握ってくれる……まさにそれは恋人と同じなのよ!」
「なんと! 奥が深いですわ。わたくし、何故だかそこにいるだけで皆が道を開けてくれるのですわ。鍵開けのお手伝いが出来るかもですわ」
「レイラのそれはちょっと違うかなぁ。見た目が悪……高貴なお嬢様だから道を開けてくれるだけで、ファンの中に入ると問答無用で叩き出されるよ。握手会とは言わば戦場なのよ」
小夜がドルオタトークを炸裂し、レイラが真剣な眼差しでそれを聞いて返している。そして私がレイラに補足して説明する。これが小一時間程続いている。
「でもさ、小夜ちゃんは魔王様に推し変したんでしょ? もうライブ行かないの?」
「行くわよ。本命は魔王様で二推しが健斗よ」
「ふふ、魔王様は愛されていらっしゃいますわね」
「良かったー。小夜ちゃんが推し活一緒にいってくれなくなったら寂しいもん」
小夜が来れない時に何度か一人で行ったこともあるが、あの感動を誰とも共有せずに帰るのは思いの外寂しいものがあるのだ。
「今度わたくしも御一緒しても宜しいかしら? 小夜様と美羽の話を聞いていたらとても楽しいところのようですし」
レイラの言葉に小夜が前のめりになって応えた。
「もちろん。私の本命は魔王様になったから、健斗推しても良いよ! 顔は魔王様には劣るけど、あのグループの中じゃ一番だと思ってる」
「一番はリクだよ! あの切れ長な瞳に知的なメガネ。神だよ」
「田中そっくりだけどね」
「うっ……やっぱ私も推し変しようかな」
トントントン。
私達三人が口々に話をしていると、扉をノックする音が聞こえた。視線が一斉に扉へ集中し、小夜が返事をした。
「はーい」
「……」
「あれ? 入ってこないね」
今、小夜の家にいるのは私たちを除いて小夜の弟の悠馬だけだ。いつもならノックもせずに入ってくるのにどうしたのだろうか。
「ちょっと見てくるね」
そう言って小夜が立ち上がって扉を開くと土下座をした悠馬がそこにいた。しかもフォーマルなスーツに身を包み、髪もワックスで塗り固められている。
「げ、悠馬何してんの? 頭でも打ったの?」
「まさか。ぼくは元々こんなんだよ。お姉様」
悠馬が顔をあげてニコリと笑えば、小夜が一歩後退りした。
「お姉様ってなに……? キモいんだけど、ガチで。しかも、『ぼく』は格好悪いからって六年生でやめたんじゃなかったの?」
「そんな事を言っていた頃もあったかな……。だけど、ぼくは決めたんだ」
「な、何を?」
悠馬はゆっくりと立ち上がり、部屋に入ってきた。そしてレイラの前に跪いた。どこからともなく薔薇の花を一輪取り出し、レイラに向けて言った。
「ぼくと結婚して下さい」
「は? 悠馬なに言っ……」
「まぁ。どう致しましょう。こんなストレートに求愛されるなんて初めてですわ」
悠馬の行動に、小夜と私は驚きを通り越して呆れを感じていたが、レイラは違った。本気で嬉しそうだ。
「本来だったらお父様に相談してってなるのでしょうが、今はいないのでどういった手順が宜しいのでしょうか。美羽、教えて下さらない?」
「え……わ、私?」
まさか私に振ってくると思わなくて戸惑いが隠せない。だが、聞かれたからには応えねば。
「えっと……とりあえずお互いの事をもっと良く知ってからの方が良いんじゃないかなぁ。友達からとか」
「分かりましたわ」
レイラは一輪の薔薇の花を悠馬から受け取った。
「では、悠馬様、今日からわたくしと悠馬様はお友達と言うことで宜しいでしょうか?」
「はい! よろしくお願いします」
悠馬はとても嬉しそうにレイラと握手をした。そして、悠馬は立ち上がると、私と小夜に向き直って手を振った。
「では、お姉様、美羽様もごきげんよう」
パタンッ。
悠馬は満面の笑みで退室していった——。
「よく分かんないけど、弟がごめんね。レイラちゃんも私に構わず嫌なら嫌って言って良いからね」
「いいえ。真摯に向き合ってくれる方には、わたくしもきちんと向き合いたいのです。それに、歳下男子と言うものは存外可愛いものかもしれませんわ」
薔薇の花を見て微笑むレイラ。私と小夜は目を見合わせて頷いた。
私たちは、一つの恋の始まりを目の当たりにしたかもしれない。
そして、女子会はまだまだ続く——。
11
お気に入りに追加
99
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる