本当に私でいいんですか?

泡沫 呉羽

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一人(二人)で寝たい

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「鍵かけたはずなんですが……一体どこから入ってきたんですか?」

 シェリアは現在寝ようと思い用意された部屋で目の前に正座してニコニコと見上げているセルフィーに叱っていた。

 正直なところもう真夜中なので寝たいのだがセルフィーが離れないためちょっと怒っている。

「ドアが駄目なら窓からはいりますよ?」

「窓………盲点でした………。どこぞの盗賊じゃないんですから………」

「副業で盗賊もしてますよ!安心してください」

「いや、経験者なんですか!?一向に安心する要素が上がりませんよ!?」

 ちなみにセルフィーはいろいろな職業に手を入れており、意外なところでもいたりするのだ。

 なお、彼の言う盗賊は下っ端からスタートし、一気にお頭となり、乗っ取った盗賊団のことだ。

 国で有名な極悪盗賊団なのだがシェリアは知らないのであった。

「……本業って何なんですか?」

 そう聞くとセルフィーは目を思いっきり逸らした。

「そう……ですか。まぁいいです。そろそろ寝たいので出ていってくれませんか?」

「いえ、私と一緒に寝ませんか?シェリー」

 すっと立ち上がり妖艶な表情を作りシェリアを抱きしめつつ耳元で囁いた。

「こ、こ、子供ですか!?私は一人で寝たいんですが!!」

「枕はちゃんと持参しますから駄目……ですか?」

 顔のいいセルフィーに上目遣いでシェリアの頬に片手を当てて言われて少しばかりシェリアは顔が赤くなってしまいぷいっとそっぽを向いた。

「もう!そうゆう問題じゃないですってば!」

 シェリアはセルフィーの方を出来るだけ見ないようにして背中を押して部屋から追い出した。

「では、おやすみなさい。シェリー」

 セルフィーの方もこうなるのが分かっていたので部屋の前でシェリアに声をかけた。




「まぁ、追い出されても入れれば私としては問題ないんですけどね」

 シェリアが寝た真夜中に隠し通路から入り込みちゃっかり一緒に寝ていたセルフィーであった。
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