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ご機嫌?

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「子供は初めて魔法を使った時は上手く操れないといいますし、正気じゃないなら仕方ないのかもしれないです。身体に傷があるのもそのせいなんですか?」

 シェリアは膝枕と頭をなでられ、少しだけご機嫌なセルフィーに聞いた。

「あれ?私身体を見せたことがありましたっけ?お風呂覗きました?」

 パッとふざけたように正座しシェリアを火照った顔で見つめながら真剣な顔で聞いた。
 それに対し一気に顔が熱くなりシェリアはプイッと顔を背け答える。

「覗いてません!!私そこまで非常識じゃないです!前に服の隙間から見えたんです」

「あぁ~なるほど。納得ですが残念な感じがします。そうです。対吸血鬼用のナイフで切られたところがその傷です。回復魔法じゃ治りきれなかったんです。自然治癒でこうなりました」

「もう痛くはないんですか?」

「首付近の傷触りますか?」

 質問を質問でセルフィーは返し、答えを聞く前にシェリアの手をとり少しだけ襟元を緩め傷に手を当てさせた。

「え…ひゃ!?ど、ど、どうして!?だ、だいじょう、ぶでひゅ」

「…ん……シェリアの手、柔らかくてちょっと冷たくて気持ちいいですね。この傷今でも思い出すんですよね。結構致命的な傷でした」

 真っ赤な顔になったシェリアにセルフィーは面白そうに微笑みを強め少し下に当てさせた手をずらした。
 シェリアは魔法使いにしてはかなり男らしい体格だなぁと、思いつつどうするか焦り話をずらした。

「あの…ある人に喋り方とか教えてもらったんですよね?」

 ピタッとセルフィーはシェリアで遊ぶのをやめ、手を離し、考えた。

「そう…ですね。生きるすべも何もかもあの人が初めて教えてくれたのかもしれませんね」

「じゃあ、その人が親代わりなんですね。1度会いに行きませんか?」

「親代わりですか……。あの人、私達が勝手に付きまとってたので修行と称し崖から突き落とすこともあったんですよね。今思えば厄介払いで運良く殺そうとしてますよね。あー、非常に腹が立ってきました。あの人自身褒められる人でもないのになぜか私のシェリーの関心まで持っていきましたね。私が話したわけですが…言わなきゃよかった気がします。殺したいですが会いたいと言ってますし、可愛いいたずらで我慢しましょうか……」

 シェリアはこの情報量の多い独り言に引きつった笑みを浮かべ程々にと声をかけた。
 セルフィーは喋るのをやめ微笑んでシェリアの頭をなでた。

「ええ。あなたが望むなら世界もあげます。私のすべてシェリーのものなのです」

 何故か自己主張を始め、城に帰るまでそばを離れなかったのだった。
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