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偽りの家族

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「「あぁ、言われればそうだ(ですね)」」

 二人は声を揃えて顔を見合わせ言った。

「あー、そうなると脱出準備しとかないとよなぁ」

「もう遅い。全員手を上げろ。王女様ご無事ですか?こちらへ」

 どうやら脱出するより先にお迎えのほうが早かったようだ。

 シェリアはそのまま連れて行かれ、セルフィーらは手を上げたままだ。

「いつまでこの姿勢でいればいいんでしょうか?」

「お前たちは…レッドリストだな。なくすには惜しい種族だが死んでもらう。さよなら」

 持っていた銃でセルフィーらは打たれてしまい、床に落ちた。

「こっちは終了だ。……そうか制圧完了。遺体はどうする?王宮にこの2人だけは持っていくのか。了解」

 騎士は通信機を使いながらセルフィー達を運んだのだった。



「お父様ただいま戻りました。」

「うむ。無事で良かった。」

 国王は安堵した表情で胸をなでおろした。

「あの……器ってなんですか?発信機って……」

「チッ……あやつら余計なことを」

「お父…様?」

 国王の表情がストンとぬけ落ちた。

 よく見ると国王だけではなく兄2人もあざ笑うような表情に変わっていた。

「お前は知らなくても良い。知ってるほうが面倒くさいからな。おい、離宮に閉じ込めておけ」

「お父…様!」

「誰が父だと?ふざけているのか?お前は孤児だぞ?卑しい分際で金輪際父と呼ぶな。反吐が出る」

 その言葉にシェリアは絶句をした。

 シェリアは実の父だと思っていたのもあるが誰もこの状況を助けようとはせず、当たり前だというように見ていた。
 
 二人の兄は面白そうに笑っており、シェリアは信じられない気持ちだった。

 同時に心の空虚はここから来ていたのだと納得をしてしまった。

 騎士は容赦もせず犯罪者のような扱いでシェリアを連れて行ったのであった。
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