転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽

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102話 迎えた朝

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 はっ!!!!寝ちゃってました!!

「よぉ。朝早いんだな……子供はお前らくらいの年頃はもう少し寝ててもいいだぞ?」

 何故かメイク無し、タンクトップなゼルフォードさんが二度寝を推奨してきました……。

「なんか光がずっと当たってると体内感覚がバグるな…………。2回ほどズレかけたぞ…」

 どうやら朝の体操みたいなことをしてるようです。ここは昼のような光がずっと当たってるので確かに分からなくなっちゃうんですよね……。

―おはようございます。今日も頑張ってください。


 律儀に音声さんが朝だと教えてくれました…。時間も教えて欲しかったです!!

 むぅ……エーデルは寂しくて泣いてるのではと少し心配です…。ちゃんと身体を休めることができてると良いのですが。エーデルは疲れたことに気づかずに歩き続けるような気がするんですよね。

「あくまでペナルティだろう?多分ずっとこのままってわけじゃないと思うが一応はこのままの可能性を覚悟しとけよ?」

 はい!!……それにしてもです…身体がちっちゃくなったのに痛みがないのがとても不思議です。身体の時を戻す魔法はあるらしいですが実際、身体中の骨や細胞と呼ばれるものを溶かし壊し再構築するという痛い魔法らしいですし………聞いてたことと違うので不思議だったんです。あ、ちなみに魔力がすごーーく必要なので使える人ってほぼいないに等しいらしいですよ!使えたとしても痛いなら使いたくないですし……何にこの魔法が必要になるんでしょうね…………。


「うーーーーん、肩凝ってるなぁ……念入りにほぐしておかないとな……っとメシはあそこの葉っぱの中に入れてるから食っていいぞ」

「ん!食べる!!」

「!?」

 ぞって言葉と被せてミウ様が元気よく答えました!あれ??寝てたと思うんですが………………。もしかして、食べ物に反応したんですか?

「んー、魚焼いたのある!レティねえも魚食べる?オススメはこっちの紫とピンクのシマシマなやつ!」

 それ、毒がありそうな見た目なんですが……なんで食べ物に含んでるのでしょうか?ミウ様がオススメしてますが私は食べれそうにないです。この見た目の魚を食べる勇気がないのです…………。この世には見た目は美味しくなさそうでも実際は美味しいとされる食材はたくさんありますが……歯がギザギザしてて…コレは目が怖いですよ。

「あっ、わりーな。こいつは猛毒持ちだったわ。すまんすまん。んー、こいつとこいつとこいつは食わなくていいからな?つーか食うなよ?死ぬから」

 そう言いながら猛毒と言った紫とピンクのシマシマ魚さんを食べてます!!!ひゃぁぁぁぁぁあ!!!

「おぉ?人って極限まで驚くと毛を逆立てることもできたのか………すげぇな」

 ペッです!ペッしてください!!死んじゃうのですよね??

「あーーーー!!」

「‥‥….うん、慌て過ぎだな!?私は毒慣れしてるし、毒が効かない体質だから問題はない。毒持ちっつーのはな毒がなければ高級品と大差ないくらいうまいんだぞ?この魚は……体全部が毒だからお前には無理だ!!」

「れてぃねえ……もぐもぐ………ざんねん…もぐもぐ………すごくおいしーよ…もぐもぐ………」

 両手に魚を持ちもぐもぐとしながらリスのように頬を膨らませてミウ様は言いました。
 食べるか喋るかどっちかにしてくれないとききとりにくいです………。ミウ様も毒は大丈夫そうな感じですね。

「たいしつってグレンいった!!」

 体質でしょうか。…毒が効かない体質の人は居るに入るんですけど…珍しいはずなんですが。

「そういや、ココでゲットしたアイテムとか持ってるのか?ちなみに私はコンパスと地図だな」

 ?!地図持ってるそうです!!見せてください!

「ほら、大きさは普通の地図だが…見たい所を指で優しく押すと………拡大するんだ!!凄くね??んで拡大したら右上の矢印を押すともとに戻る!」

 おぉぉ!!魔法が込められた地図でしょうか?凄いです!!あ、でも流石に迷路の構造とかは分かりませんし地図がちょっと粗いですね…。万能っていうのはこの世にはないと私は思ってますから想定内です!んー…私達が居るのは池やらが沢山あるところです…。地図を見る限り…3箇所そういった所があるようですね……。

「なぁ、何する?バカ正直にゴールらしい場所に向かうのも癪に触るしなぁ」

 ゼルフォードさんは両手を合わせ神様に祈るかのようなポーズをとりました。

「………………ゴールらしい場所に向かって着いたとしてそこが本当にゴールなのか……疑問だな。敵が分かりやすいようにゴールの場所を示すのか?普通………ゴールだったとして何を望んでたのかが分からないな……」

 そのとおりですよね。

「でしゅね…」

 ぬっ?!ぷにぷにお手々のままですが少し視線が高くなりました!!ちょっと移動し水面を覗くと……私が映ってます!!え…あ、まぁ私が映るのは普通なんですが、そうじゃなく言いたかったのは2歳くらいの私が映ってたんです!よちよち歩き………………です…。

「お!でかくなった……がその速度は…うん…あー、可愛い………だけだな!うん良かったな!」

 フォローしようとして失敗してませんか?!………言葉を濁すくらいにはやっぱり動きが遅いです。
  むにゅ………むにゅ………
 ミウ様に頰をずっとむにゅってされてます。何故ですか?!痛くはないですがなんか落ち着かないです!!

「もちもちー…………ジュルリ………」

 なんだか凄く身の危険を感じますよ!?

「だっこでしゅ!」

 おぉ!意外にも抱っこがお上手です!!

「なんかなぁ。…私は今、子守してる気分なんだが……」

 あながち間違えではないですよ?ってゼルフォードさんの足元でミウ様が私を引きずり降ろそうと動き回ってます!!!シンプルに怖いんですが?!!
 
「むぅーーー!レティねぇ、いい子!おててつなぐ!歩く!!」

 目がギラギラしてて怖いですって……ミウ様。私と手を繋いで歩いても目に見えない壁にぶつかるだけですよ?

「私は感覚派だからな……こうも風も魔力も流れがないんじゃ困ったもんだ……。とりあえずスモールウルフがいるし戦力的には大物と出会わない限りは大丈夫だな。あと…異様に髪の長い少年を拾うべきか?子供を放置なんて出来ないからな」

 ゼルフォードさんって責任感かなり強いみたいですね。多分エーデルのことだと思うんですが大丈夫な気がします。子供ですし寂しかったり不安を抱いたりするかもですが落ち着いた冷静な性格の持ち主ですしあっちはあっちで何かしら行動してそうな気がします。

 かなりの時間歩いたのですが………なんと草原らしき場所に出てきちゃいました!!大きなマップにもゼルフォードさんの地図にも載ってない場所です!!

 ―おめでとうございます。隠し舞台フロアにレティシア、ミウ、ゼルフォードが到達。サバイバルセットの支給と武器の携帯認めます。 

    
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