転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽

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101話 ゼルフォード

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「つかまーえた!ほらおとなくしく!おちる!………そうレティねえいいこ」

 4歳児に抱っこされる赤ちゃん………。重いと思うんですけど大丈夫でしょうか……。

「ぁぅ……」

 そして、道化師のお兄さん見失いました。

「あれ?うさんくさいひとどこ………」

 ミウ様も今気付いたらしいです!移動したら少し景色変わりましたね。沼やら木ならが多いところです!きっと隠れんぼしたら楽しいはずの場所なのです!

「いないね……わらびはわかるー?」

「きゃん!」

 わらびちゃんは右方面をしめしてますがずっと見えない壁に頭突きしてるような感じになってます………。

「くぅ~ん」

 大丈夫ですよー。なでなで。

「きゃん!」

 たくさんのスモールウルフと一緒なだけ寂しくは……寂しいですが耐えれる気がします!
 ミウ様おろしてください!

「んー。レティねえおりる?とおくいったらダメ!」

 わかってます!だってミウ様いないと何もできないです………。わらびや大福ちゃんもついてきてくれるようです。縦一列で行進してます!

「ぅーー!ぎゃぁぁあ!」
「痛っ!!!なんだ、何なんだ?!……赤ん坊?」

 水の中に手を入れたら人の顔が見えたのでびっくりして強く引っ張ったらゼルフォードさんが出てきました!
 本当にびっくりしました………。

「ふぅ、大漁大漁。クソ眼鏡白服インテリきどり野郎が邪魔しなきゃこんな所に巻き込まれることもなかったつーのに……クソ。あ、お前は…………あー、良い子ちゃんじゃねぇか!よぉ、魚一緒に食うか?」

「ん。たべる!レティねえは?」

「うん?このちびのことか………痛っ……くはないが頭突きやめろ………いや、ポコポコなら良いというわけじゃ……」

 ちび言われたので頭突きしてたらメッて言われました。だからポコポコ叩いてたらそれもメッらしいです……………。なら何なら良いんですか………。

「レティねえペナルティーでちっちゃくなった!」

 むー。足ぶらぶらする持ち方やめてほしいです………。

「ふーん、あ、こいつ魚食わせていいんだろか………」

「……………おなかこわす?……だいふく、おはぎ、わらび、たべれるくだものとかきのみもってきて」
「「「きゃん!」」」

「おー………魔物を操る良い子。健気………」

 謎の感動をゼルフォードさんはしてます……。

「はっ!メイクとれてる!!ちょっ……最悪………はぁ……君達は何してたらここに飛ばされたんだ?」

「あそんでたらここにいた!いま、うさんくさいひと、まいご!」

「………リーダーか。あいつはいつも迷子になるからこっちが迷惑してるんだ。放っておいたら勝手に帰ってくるから問題なし。…………つーことはここに飛ばされた人みんなバラバラの場所から来てるのかもな……一体共通点なんなんだ…リーダーはカフェ。私は武器屋。クソ眼鏡が同じ時間帯にとばされたなら図書館、か?」

 ゼルフォードさんの中ではアンダーさん……凄い嫌われてるんですね……。

「ぅー?」

 おはぎちゃんたちが思ってきてくれたりんごを齧り………かじり………ガジガジ………うん、顎の力が弱かったです。

「お、ちょっと待ってろ。……………うーん謎なんだよなぁ。無差別はなさげだがなぁ………。聖女とひめはどう思うんだ?」

 わーい、りんごを小さくしてくれました!!勢いあまってゼルフォードさんの指までパクってしてしまいました…。

「うおっ?!……………あ、あぁ、ちびって可愛いよな………。私は怖がられる方だし、うん、やっぱ尊いわ…」

 何かに感激したゼルフォードさんが頭をわしゃわしゃしてくれました。ちょっと食べづらいです………。

「むっ!ミウも!………んーとね、わかんない。でも、たぶんだいじょうぶ!」

 もぐもぐ、ごくん。んー、ミウ様って野生の感?とでも言うんでしょうか、その感のおかげか適当に行動してても危ない目に遭うことが少ないそうです。

「自信あるなぁ……って痛いっ!頭突き?!ちょっ、なんでだよ?!」

 ちびと言ったことだけは許さないです。
 私はちびではないです。他の子がちょっと大きいんですからね!そこは間違えちゃ駄目です。

「あー、レティねえつかれた?……へにょーんってなった!!」

 疲れました……。頭突きは私にもダメージがはいりますし、予備動作が大きいので1回でも疲れます。

「うぅ………」

 ひょいっとゼルフォードさんに両手で上に体を持ちあげられました。

「ほへー、綺麗な髪色だなー。まっ、出会えたのも何かの縁だろうよ。お前らはもう寝とけ。体感でもう夜だろう………見張やってやるからさ。つーかなんでこんなに魔物がいたり木の実あったりリアルなんだ……。どっかの島を迷路にしてるのか?……うーん」


 じーーと私の顔を覗いています…………。こてんと首を傾げるとそれに合わせてゼルフォードさんも傾げました。

「まぁ、いいか……帰れなくても資源があるってことは生きられるからな!木も実も岩も……魔物もいるし大丈夫だろ」

 凄いポジティブでちょっと驚きました!でもそう言える人はあんまりいないので頼りになります。なんであんまりいないと言うと……原始的な暮らしは今の人々にとってはきついのです。魔道具や魔法などが発展した便利な暮らしを手放すことになるんですからね………。特に貴族のご婦人方は絶対に言わないでしょうね。

 でも……このゼルフォードさんの発言は私好きになれないかもです……。言葉にしづらいのですが……なんというか生きられればそれでいいって感じなんです………。それ以外はどうでもいいというような……そんな感じに聞こえちゃったんです。勘違いならいいんですが……。

「まぁ、人間って危機的な状況の時に理性が崩れるからなぁ、それを見てるのも有りだな!クソメガネをいじって遊べるわけだ、あっはっはーー」

 Oh………普通に危ない人でした…。ところでミウ様は…?!寝てます!!お腹出して寝ちゃってます!!おろしてもらってとりあえずミウ様を揺さぶります!!

「うみゅ……れてぃねえキャンディもう、にゃいよぉ…こしゅぐったー……ぐぅぐぅ…」

 な、なんの夢ですか?というかホールドされましたよ!抜けれないです!助けてください!!
    
「うぅーー」

「おー、こっちのちびは力強いなぁ。姫さんも寝たほうがいいぞ?体力をどうにかしとかないと明日また動けないだろ?」

 そうなんですけどね………誘拐?と言えばいいんでしょうか?その状態で寝たら本来よくない気がするんです…。

 …………とても眠いですけどね!……はい、眠いです………。

 ふぁぁあ!?スモールウルフたちがよって来て、温めてくれたので更に眠たいでしゅ………

「くぅーん?」

「おぉ……天然の毛布………って私が近づくとコイツら威嚇してくるんだけど?!害無いのに何故だ?!……獣臭い…のか?」

「ガウッ!」

「ま、マジかぁ…野生の本脳で他種族を避けてる感覚なのかぁ………ちょっぴりショックかも知れん…」
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