転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽

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80話 お薬とご褒美タルト

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「どうかな?気に入った?レティシアが世界樹のところへ行ったときに探したんだよ。可愛い孫娘のそばには安心して託せる人でなくてはね」

 抱っこされながら話を聞いてます。陛下ありがとうございます!

「ふふ…。私またあえて嬉しゅうございます。私ユティアはレティシアお嬢様にお仕えすることをここに誓います」

 ふわりと一瞬ひかりちょっとびっくりしました!

「契約の一種だ。この王宮は約束や誓いは契約として結びつくんだ。まぁ、相手が王族である場合に発生するが。破ると大変なことになる。解除は約束を果たした時、王族側が解約を宣言するかだ。覚えておくといい」

 なるほど………。それってかなり重い誓いを立てたことになりませんか!?大丈夫ですか??

「ハッ!……騎士とかつけないよな!?俺が守るから…いらないよな……?父上……」

「………お前は王になるのだろう?どうしても忙しくなるだろう…。そんな時に守る人がいないのは困るはずだ。すまない………」

 わぁ………王子様ショックそうな顔です。

「もう、こんな時間か…。レティー薬を飲もうな」

 はい、私もショックな顔です。ふにゅ……
 ベットの上に優しく降ろされたので素早く下に潜り込み威嚇します!!!!グルルル!

「ぐるるるるる……!」

 このお薬苦いんです…。苦すぎて私には手におえませんから捨ててくれませんか?

「……困ったな」

「レティーが、威嚇してる……」

「うん、ベットの下に潜り込んでしまったようだね…」

「あらあら………」

 私は小さいのでベッド下を器用に動けます。シュッ、シュッ。 ほら動けます。皆の手を避けれるんですよ!

「レティーはこうゆうときだけ素早いし器用で賢さがでるな……どうしたことか」

 諦めました?チラリと様子見してみたら陛下と乳母がなにか話しており、乳母が部屋を退出しました。ムムムッ

「父上……レティー熱上がってるかも。顔がちょっと赤い気がする」

「あぁ……だが…」

 乳母が帰ってきました!手にはメーデのタルトが!!
ジュルリ…………。

「お嬢様…困りましたね。メーデのタルトご用意してもらったんですが……勿体ないですし皆さんで食べませんか?」

 何故か皆顔を見合わせた気がします!メーデのタルト一口ください!!!

「そうだな…」

「俺、それ好きだし頂戴」

「うん、メーデのタルトは専属に作らせてる至高の逸品だからね。私もいただこう」

 皆、1ピースずつ取っていってます!美味しそうに食べてます…………。くだしゃい……うぅ…残り1……

「ちょーだいです!!」

 残りを取ろうと走ったら残りをヒョイッと届かない位置まで王太子殿下が持ち上げました………。ください。

「そう…だな。薬を飲めたとてもいい子には私の分もあげてもいいな」
 
 なるほど………。王太子殿下の分も貰ったらいっぱい食べれます!!薬袋を手にもって薬を取り出し、飲みました!
うげ……苦いです。

「よしっ…よく頑張ったな。ほら、食べてゆっくり寝なさい」

 王太子殿下は椅子に座らせてくれました。けど…今の気分はそうじゃないんです。

「どうしたんだ?食べないのか……?」

 王太子殿下の膝にちょこんと座ります…。1人ずわり気分じゃないのです!大人になったらこうゆうこともできないと思うのでちょっと堪能します!

「そ、そうか…。私の膝が良かったのか」

「ヴィンセント…私とかわらないかい?」

「父上、私に来たので」

「相変わらず父にそっけないね……」

 はむっ。タルト美味しいです!王太子殿下がじーと見てます。もしや欲しいのですか?

「はい、どうぞです」

「え、あ、あぁ。美味しいな」

 あーんしてあげたらちょっとだけ王太子殿下が狼狽えて面白かったです。タルトやっぱり王太子殿下も美味しいと思いますか?私も思います。心があったかくて気持ちいいです。

 
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