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78話 発熱

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「……ねぇ…その子…熱あるんじゃないかしら?……えっとあの……私の言ったこと信じられないと思うけど…なんだかつらそうに見えるもの…」

 風の精霊王さんがじーーと静かに見つめていると思ってましたが熱ですか?ないと思いますよ。自慢じゃないですが風邪などひきにくいみたいですし。

「……ずっと外で走り回ったからな。無理もないだろう……。すぐに帰って医者に見てもらおうな」

 王太子殿下が抱っこしておでこにピタリと手を置きました。ちょっと冷たくて気持ちいいです。……ということは熱あるんでしょうか?

「あわわ!!僕が熱飛ばそうか?!」

「おいっ!人間は抗体をつけるために病気を自力で治すんだよ!大きな祝福スキルも使った影響もあるからそっと補助ぐらいじゃないと……」

「そっかぁ…。世界樹様がそう言うならそうなんだろうね。後でレティシアにお見舞い品贈るよ……」

 ちょっとだけ眠いです。それに力があまり入らない気もします。なんだか前世死ぬ前を思い出してしまい怖いのです。牢屋に入ってる時一人で時々食事も抜かれる時があり、弱っていってるのが私自身分かってしまうのです。弱気はいけないのですがどうしても悲しくなるときがあります。

「私が付いてるから安心するといい。すぐに家につくからな」

「ほんとにいますか?はなれたりしないですか?」

「あぁ。だから寝てていいんだ。今は休みなさい」

 なんだか乳母思い出します………。家族じゃないけどあったかい感じがし…ます。

 むにゃむにゃ…………。

「お休み、レティー」




 ここはどこですか?白い廊下に立っています。私…寝ちゃった気がするんですけど……。

「…なんでここに人間が?死んだわけではなさそうだが……引き寄せられた、か」

 びっくりしました!!後ろから16歳くらいの赤い目が特徴的な男の子に話しかけられました。

「……あいつが原因か……。おい、帰りたいならこっちについて来い」

 …………。知らない人について行っちゃ駄目なんですよ?私それくらい知ってます!

「………はぁ…。ここに知っているやつなんているわけが「何してるのかなぁ?」…いるのかよ!!しかもお前かよ!」

 私はピタリと声をかけてきた男性の足に隠れました!!この人は私知ってるのでいいのです!



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