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69話 風の精霊王とお菓子な攻防戦

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 あれ?じゃあ私がここに来る意味ってあるんでしょうか?今考えたらないような気も…………。陛下は意味のないことを言うタイプには見えないんですが。

「あらあら、可愛い子がいるわ~。切り刻んで持ち帰りたいくらいよ」

 ひゃぁぁぁあ!?怖いこと言う人が現れました!!世界樹さん、精霊王さん達守ってくだしゃい……ムギュッ。

「「「あのなぁ………発想が怖いんだよ!」」」

 呆れたように闇と水の精霊王さんと世界樹さんが言いました。お知り合いでしょうか。ぐるるるるる………

「あら、私に向かって威嚇とはいい度胸ね。やっぱり切ってもいいかしら?」

「「「いや、駄目に決まってるだろが」」」

「レティシア、翻訳すると、私に威嚇するなんてなんて可愛らしいの?大人しく私に持ち帰らせてね、だよ。彼女は風の精霊王なんだけど……あの性格だから無駄に怖がらせちゃうんだよね」

「あと言っておきたいけど切りたいってのは本音だろね。風切り狂いだから」

「この世界に吹く予報にはない突風はほとんどこいつが風を切って遊んでるから起きてるんだ。我もこいつには会いたくはないぞ!時々枝を切られるし…………」

 風の精霊王さんには一人で合わないようにしときますね………。おっとりした表情で言う言葉が怖いですもん。

「ほら、お嬢ちゃんこっちおいでー、お菓子もあるわよ」

 どこからかティーテーブルと椅子とティーセットをだして、手を降って呼んでます!今、行きます!!!!!

「「「忘れてた!!レティシアはお菓子に弱いんだった!!!?」」」

 むっ!眼の前に水の精霊王さんが抱きかかえる体勢で現れました!ダッシュしてそのまま飛び込むと見せかけて………スライディングです!!

「なっ!?」

 私、小さいので小回りや体が柔らかいため出来るんです!あ、今度は闇の精霊王さんですか!?影から狙われてますね!?光の野良精霊さんと闇の野良精霊さん私を隠してみて遊びませんか?

『わー!精霊王様相手に楽しそう!!やるやる!えいっ!』

『僕たちも!えいっ!』

 悪戯好きの精霊さんが今日はいてくれて良かったです!!

「あれ?見えなくなった!!ちょっと早く解いて?!」

 はい、闇の精霊王さんが困惑して、精霊さんを叱ってます!その間にぬぁっ!?世界樹さんがいます!!どうしましょうか…………。

 パキッ!パキッ

 あ、世界樹の木の枝をを遠隔で風の精霊王さんが切ったみたいです。青ざめた顔で走って木の方に行ってしまいました。よいしょと椅子に座ります。

「あらら、枝が何故か折れたみたいね。ふふふ、さぁ、どうぞ。こう見えてね、世界中を回って美味しいお菓子を巡ったのよ。これはお気に入りよ」

 そう言ってお菓子をいっぱい出してくれました!!風の精霊王さんが移動して私の隣に椅子を置き、これどうぞとまかろんと言うお菓子を口に持っていってくれました。あむっ!えへへ、これサクサクしてておいしいです!

「でしょう?私に持ち帰らせてくれたら毎日食べれるわよ?」

「レティシア!水の実は食べなくていいのかい?お菓子だけだとジュースが足りないんじゃない?紅茶よりジュースのほうが良いよね!?最近ジュースの味がする水の実が出来たから一緒に味わおうよ?!」

 むぅ…?確かに…そうですね!ちょっと水の実を取りに水の精霊王さんの方に行ってきますね!半分まで進んだところで足がぷらーんってなっちゃいました。

「お菓子に催眠薬仕組んだのにちっとも効いてないわ………もうっ!ちょっと持ち帰るわね。根暗と変わり者と残念な樹。ばーいばい」

 あ、あれ?一気に高くなりました!!そのうち白い霧に世界樹のある所が囲まれて全く見えなくなりました。

「我は残念な樹じゃーーなーーーいーーぞーー!!」

 見えなくなるちょっと前に世界樹さんの声が響き聞こえました!足がブラブラした状態で高い場所って怖いですね………。ふぇ……。

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