転生幼女は幸せを得る。

泡沫 呉羽

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番外編 ハッピーバレンタインデー到来!

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 皆さん、大変です!!私バレンタインという行事を最近知ったんです!!前世のウィルメシア国ではなかった行事なのでうっかりしてました!絵本をめくってて気づいたんです!いや、貴族に浸透してなかっただけのようです。

「レティー何見てるの?」

 あ、王子様も見ますか?バレンタインがあるそうですよ?知ってましたか?

「バレンタインかぁ。令嬢の花が届くんだよなぁ。俺は苦手だな」

 この反応を見る限り貴族令嬢はお花を贈るのが一般的のようですね。バレンタインという行事自体はあるっぽいです。私が気づかなかっただけなんですね。ちょっとお恥ずかしいです…。

「チョコはもらわないのですか?」

 そう、今回の問題はチョコなんです!国民は親しい人や気になる人などに花やチョコを贈るそうなんです。必ずやらなきゃいけないものでもないそうですが、楽しそうです!

「貰わないな。父上、なんでだっけ?」

 仕事の書類と向き合っていた王太子殿下がこちらを向き、少し考えて言いました。

「そう…だな。毒の可能性もあり王宮には持ち込めないし、令嬢が厨房やキッチンにたつのは良くないという習慣だな。だから代わりに花を大量に贈ってくるんだ」

 なるほど。防犯対策なんですね。王族ですし、やっぱり好機とみて目論む人もいるわけですか。私は厨房にたってもいいと思うんですが……。

「レティーはチョコが欲しいのか?」

 首を横に振ります。あれ?バレンタインって男性から贈るんでしたっけ?女性からでしたっけ?…まぁ、どっちでもいい気がします。あくまで気持ちの問題らしいですし。私はこれからもお世話になるのですから何かを贈りたいです!

「ちゅうぼういってもいいですか?」

 ちょっと声が上擦ったのですが大丈夫でしょうか?王子様は話しに興味がなくなっているのか雨なので室内で折り紙という紙で虫類を淡々と折ってます。全部立体ですし、カブトムシが3体出来上がってます。…器用ですね!

「構わないが、私は今忙しくて…すまないが一人でいけるか?」

 はい!大丈夫です!…………そうは言ったものの案の定迷子になりました。

「おや、一人でどうしたのかい?」

 あ、陛下とフィルさん!厨房何処ですか?

「厨房かい?ちょうどいい!私は暇をしてたところでね、じいじと一緒に行こうか」

 はいっ!抱っこです!なんだか、フィルさんが呆れた顔をしてる気がするのですがいいんでしょうか?

「はぁ、仕方ない…。明日に予定は変更しときますよ…」

 あら、仕事サボりですね!それでフィルさんは呆れてたんですね!

「さあ、ついたよ?……ところで、ここで何をするんだい?」

「チョコをつくりたいのです!」

 そう、作ってみたいんです!背丈も足りませんし、握力も幼女並みですが。あれ?これ思いっきり厨房では邪魔な子では?

「そうか、そうか。経験を積むのはいいことだね。でも危ないから私と一緒にしようねー。フィル、材料と器具用意してー」

「はいはい。レティシアお嬢様、楽しんでくださいね」

「はーい!」

 陛下は1度私をおろして、エプロンをつけてくれました!あ、これ可愛いですね!ハートといちごのマークが素敵です!フィルさんの妹さんが使わなくなったものですか…。ありがとうございます!また、抱っこです!陛下の指示通りにやりました!私は小さい体のわりに上手くできたと思いますよ。たくさん人に渡すのでちょっとだけ苦労しました。

「じゃあデコレーションしようか?ほら、これを使ってレティシアだけのチョコをつくってごらん?」

 デコレーション用のやつって思ったよりありますね!なんだか楽しいです!……はっ!気づいたら全部終わってました!

「さあ、魔法で一気に冷やすからね、はいできあがりー。さぁ、包装作業に入ろう」

 な、なんと、包装容器すらこんなに種類が……王太子殿下にはハートの箱に…王子様はお星さまでしょうか?陛下にはこのお花型の箱でフィルさんも陛下とおそろい。ライトたちは……猫、鳥、亀、丸まった龍の形の箱。水と闇の精霊王さんや世界樹さんは食べるのでしょうか?

『人の姿をしてる時は食べれるよ。水の実食べるくらいだし、気にするだけ無駄だと思うよ』

 あ、たしかにそうですね!じゃあ、このちょうちょの箱に…と。出来ました!

「これ、へいかとフィルさんにあげます!」

「私にかい?あぁ…生きててよかったぁ~~」

「お嬢様……ありがとうございます!」

 陛下は涙を流し、喜んでいる感じです?なんで涙が出たんでしょう?フィルさんも喜んでくれて良かったです!
次は王太子殿下と王子様でしょうか?陛下、抱っこしてくれないとたどり着けないです、お願いします。

「ん?レティー、お祖父様に抱っこしてもらってるのか?お祖父様、見て!カブトムシだぞ!」

 部屋についた瞬間王子様が折り紙のカブトムシ20体と出迎えてくれました。…そんなにつくったんですか……。

「おぉ!良くできているね。レティーが贈り物をしたいそうだよ」

「「…………?」」

 はい、どうぞ!チョコですよ!私と陛下たちで作ったので毒はありません!間違いなく美味しいチョコなのです!

「これは…チョコか?…あぁ、作ったのか?そうか、大変だっただろうに。ありがとう」

 うん?いつもの表情ですが少し嬉しそうに見えます!良かったです!

「まじか!!チョコ!!バレンタインチョコ初めて貰った!!やったー」

 そう嬉しそうに王子様ははしゃぎ唐突に走り出し、部屋から出ていきました!?…え…?

「うん。よほど嬉しかったんだろうね。自慢しに行ってるみたいだよ」

 え、それは恥ずかしいです。っと、精霊王さんたちやライト達のはどうしましょう……。

「「やぁ!レティシアの手作りチョコをくれるって聞いて来たよー」」

 あ、水の精霊王さんと闇の精霊王さんが現れました!……作り終わってからそんなに経ってないですよね?精霊さんの情報網凄いです!はい、どうぞ!

「ありがとう。俺、レティシアが大きくなったら妻にしたいよ」

―― バシン

 あ、アクアに水の精霊王さん、思いっきり頭を殴られ、倒れました。はい、アクアもどうぞ。

「ふん、おまえにやるものか。馬鹿も休み休み…くそ…仕事が早すぎて毎日休みみたいなものだった……あぁ、レティシアありがとう」

 冷たい目を床に伸びてる水の精霊王に向けながらお礼を言いました。大丈夫でしょうか?

「多分大丈夫だよ。僕にも用意してくれるなんてありがとう!」

 闇の精霊王さんが可愛いです!ついでにナデナデしていますね。あ、ライト達が一緒に窓から入ってきました。
はい、他の人の分ありますよ。

「ほぅ、妾の分は赤い鳥の箱かの。よく見ているのぅ。」

 えへへ、頭撫でられました。

「俺様にもあるのか!ありがとな!レティシア」

 色んな角度から箱を嬉しそうに見ています。

「ふふ、私に近い箱見つけるの大変だったでしょうに。ありがとう」

 あ、ほっぺにちゅーされました。皆に喜んでもらえて作ってよかったです!この日、皆が集まったことでちょっとした宴になったんですけど楽しかったです。皆さんこれからもよろしくお願いしますね。私、これからも頑張ります!
















 皆様がいい一日になりますように!

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