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43話 小さな抵抗

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 目が覚めると知らない部屋でした。とても豪華なんですが品が良く必要以上のものが置いていない部屋です。ベットとても広くて驚きました。

「起きたか。調子はどうだ?熱はないな」

 王太子殿下です。おでこに触れて熱があるか確かめているようです。ペシッ! 思い出しました!私、引っ剥がされたんです!むすぅ~!腕を組んで静かに睨みますからね!

「……すまない。食べることが好きだと聞いたのだが、夜ご飯持ってきた。食うか?」

 じゅるり………。はっ!私そんな軽くないですよ!確かにご飯自体は好きですが…。

「父上、失礼します!」

 王子様が入ってきました。王太子殿下の隣に座りました。手には自分の食事を乗せた盆を持ってます。全員で食べるらしいです。

「レティシア、お前お腹すいてないのか?」

「…いらないです」
 
 王子はちょっとどうしたらいいかわからないらしく困った顔を作りました。

「ご飯は元気の素だから、食べたほうがいい。聖獣様達も元気なレティシアでいてくれないと心配させてしまうだろう。私としてもレティシアの父として痩せさせたくないんだ。ほら、口を開けてくれないか?」

 そう言ってちょっとだけ困ったようにご飯を乗せたスプーンを口元に持ってきました。いえ、私一人でも食べれるのですが。それから私に父はいません!!あ、勿論兄もです。でも、心配はさせたくないですが食べちゃうと負けな気がするんです。

「駄目…か。仕方はないか……。暫く席を外す。ルキ、着いてきてくれ。」

「俺も?分かった」

 何か用事が残ってたのでしょうか?王太子とあれば凄く忙しいですからね。二人は部屋を退出しました。食事はそのまま置いていってるのでそこまでかからずに帰って来ると思います。

「たまごやき………」

 多分私専用に作られてるんですよね、これ。王子様や王太子殿下のとはちょっと違いますし、それにしても美味しそうです。じゅるり…………。たまごやき1個だけつまみ食いならバレないでしょうか?パクっ。あ、甘いです。このスープどんな味何でしょうか?あむっ。スプーンが止まらないです!美味しいのです。

「あ、食べちゃいました……?」

 なんと、夢中になってしまい全部食べちゃったのです。ごまかせなくなっちゃいました。えーと、寝ます。とりあえず寝ます。すやーすやー。




---その5分後

「ん?ぐっすり寝てるようだな。ルキ毛布掛け直してあげなさい」

「はーい。レティシアお休みー!明日また会おうな」

 二人は温かい目でレティシアを見てたのだった。

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