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19話 最悪な悪魔
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「おい、悪魔野郎。てめぇは大人しく靴でも舐めて這いつくばってろ。お前はそれが得意なんだろ?なぁ」
ナーガは嫌嫌ながら言い放ち、悪魔の顔を靴で踏みつけグリグリとし、手にワイングラスを持ち這いつくばった姿勢にされた悪魔に頭からぶっかけたのだ。
「ハァ……ハァ………なんという屈辱でしょう!?この快感……!この上なしやも知れません!!」
ナーガは更に顔を歪めて嫌そうにした。
正直言ってこの悪魔が嫌いな理由はここから来ている。
「ほぅ…下僕風情が喋る許可も出してないというのに喋るのか。じゃあお仕置きだな」
ナーガはくるりと背を向け期待する悪魔の目を背に受け鳥肌がたちつつ、反対方向に歩き始めた。
「そ、そんな!寸止めですか!?わたくしめに何もしないのですか!?この騒ぎを止めたいとは思わないと!?」
「そうだな。お前が言った通り飼いならされてる犬の訳だしな。脱走出来るしー」
「そ、そんな……アレは時間がたてば戻りますよ?…もしくはこれです」
悪魔は一本の瓶を取り出した。
ナーガはそれがなにかわかり、趣味が悪いとつぶやいた。
「あぁ…罵りも…イイ!…それよりわたくしめにご褒美ください」
ナーガは瓶を受け取り無言で溝落を殴り気絶させた。
「アァァァァァア!最っ高デスっ!」
両手を広げて幸せそうな顔で気絶したのを見てナーガは顔が引き攣った。
「おい、フェルトラ。この血を飲ませろ。拘束するからさ」
「あ?血…?聞き出せたのか。分かった」
近寄ってきたフェルトラに瓶を渡し、ナーガは大きな魔法陣を出現させた。
その上に追いかけてきたレインが乗ったのを確認し発動させる。
「我、ナーガが力、彼の者を捉え拘束せよ!」
知ってるものは少ないがこのように悪魔が魔法陣を使うのは相手が自分より強いと見切ったときだ。
レインは下から出た鎖に手足を繋がれ、動けなくなった。
「おい、レイン…これを飲め」
フェルトラはナーガの頷きを確認し、レインの口を開け、瓶の中身を入れた。
レインが中身を飲んだのを確認し、フェルトラは悪魔に近寄った。
「おーい、こいつ生きてんのか?」
「当たり前だろ。殺す許可はもらってないからな」
ふと、おきた悪魔が腹を抱えたがら、フェルトラの首を締めようとしたのだが、ペシッと払いのけられてしまう。
「触んな。悪魔が移るだろ。つーか身分が違うだろが」
どうやらフェルトラは怒ってるらしく機嫌が悪い。
ナーガが呆れた目でフェルトラを見たので、フェルトラはなんだか嫌な予感を覚えた。
「ァァァア!素晴らしい!わたくしを菌のように扱うとは。でも、悪魔界一綺麗好きなわたくしは汚れてませんゆえ、触っても大丈夫ですよ、ほら」
そう言ってフェルトラに触れようとし、フェルトラが強く叩いた。
「はぅ~………ゾクゾクします…この嫌悪感。何故皆近づいてくれないのかは理解に苦しみますが、これはこれでイイ…」
「やべぇやつだった!?」
「ああ。こいつ悪魔の世界でも有名だぞ。わざわざ嫌がることを率先するし、喜ぶし、うざいし、気持ち悪いし。地位と見た目と才能はかなりいいから何も言えんのが歯がゆいって誰かしら言ってるな。フェルトラ、飼ってみるか?」
「あ?嫌に決まってんだろ」
「えっ……?!そうは言わずに何でもしますよ?!椅子にでもなりますし、必要なら恋人役にでも!」
フェルトラは悟った。
何がなんでもついてくる気だと。
ならいっそ、ナーガのように反抗できなくしたほうがマシなのかもしれないとも。
「ドーーンマーーイ、フェルトラ」
心の底から嬉しそうな顔を作りナーガはフェルトラの肩に手を置いた。
「チッ………最悪だろがーーーーー!!」
この日誕生日にしてフェルトラは絶叫をしたのだった。
ナーガは嫌嫌ながら言い放ち、悪魔の顔を靴で踏みつけグリグリとし、手にワイングラスを持ち這いつくばった姿勢にされた悪魔に頭からぶっかけたのだ。
「ハァ……ハァ………なんという屈辱でしょう!?この快感……!この上なしやも知れません!!」
ナーガは更に顔を歪めて嫌そうにした。
正直言ってこの悪魔が嫌いな理由はここから来ている。
「ほぅ…下僕風情が喋る許可も出してないというのに喋るのか。じゃあお仕置きだな」
ナーガはくるりと背を向け期待する悪魔の目を背に受け鳥肌がたちつつ、反対方向に歩き始めた。
「そ、そんな!寸止めですか!?わたくしめに何もしないのですか!?この騒ぎを止めたいとは思わないと!?」
「そうだな。お前が言った通り飼いならされてる犬の訳だしな。脱走出来るしー」
「そ、そんな……アレは時間がたてば戻りますよ?…もしくはこれです」
悪魔は一本の瓶を取り出した。
ナーガはそれがなにかわかり、趣味が悪いとつぶやいた。
「あぁ…罵りも…イイ!…それよりわたくしめにご褒美ください」
ナーガは瓶を受け取り無言で溝落を殴り気絶させた。
「アァァァァァア!最っ高デスっ!」
両手を広げて幸せそうな顔で気絶したのを見てナーガは顔が引き攣った。
「おい、フェルトラ。この血を飲ませろ。拘束するからさ」
「あ?血…?聞き出せたのか。分かった」
近寄ってきたフェルトラに瓶を渡し、ナーガは大きな魔法陣を出現させた。
その上に追いかけてきたレインが乗ったのを確認し発動させる。
「我、ナーガが力、彼の者を捉え拘束せよ!」
知ってるものは少ないがこのように悪魔が魔法陣を使うのは相手が自分より強いと見切ったときだ。
レインは下から出た鎖に手足を繋がれ、動けなくなった。
「おい、レイン…これを飲め」
フェルトラはナーガの頷きを確認し、レインの口を開け、瓶の中身を入れた。
レインが中身を飲んだのを確認し、フェルトラは悪魔に近寄った。
「おーい、こいつ生きてんのか?」
「当たり前だろ。殺す許可はもらってないからな」
ふと、おきた悪魔が腹を抱えたがら、フェルトラの首を締めようとしたのだが、ペシッと払いのけられてしまう。
「触んな。悪魔が移るだろ。つーか身分が違うだろが」
どうやらフェルトラは怒ってるらしく機嫌が悪い。
ナーガが呆れた目でフェルトラを見たので、フェルトラはなんだか嫌な予感を覚えた。
「ァァァア!素晴らしい!わたくしを菌のように扱うとは。でも、悪魔界一綺麗好きなわたくしは汚れてませんゆえ、触っても大丈夫ですよ、ほら」
そう言ってフェルトラに触れようとし、フェルトラが強く叩いた。
「はぅ~………ゾクゾクします…この嫌悪感。何故皆近づいてくれないのかは理解に苦しみますが、これはこれでイイ…」
「やべぇやつだった!?」
「ああ。こいつ悪魔の世界でも有名だぞ。わざわざ嫌がることを率先するし、喜ぶし、うざいし、気持ち悪いし。地位と見た目と才能はかなりいいから何も言えんのが歯がゆいって誰かしら言ってるな。フェルトラ、飼ってみるか?」
「あ?嫌に決まってんだろ」
「えっ……?!そうは言わずに何でもしますよ?!椅子にでもなりますし、必要なら恋人役にでも!」
フェルトラは悟った。
何がなんでもついてくる気だと。
ならいっそ、ナーガのように反抗できなくしたほうがマシなのかもしれないとも。
「ドーーンマーーイ、フェルトラ」
心の底から嬉しそうな顔を作りナーガはフェルトラの肩に手を置いた。
「チッ………最悪だろがーーーーー!!」
この日誕生日にしてフェルトラは絶叫をしたのだった。
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