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17話 仕組まれた罠

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「おい、もういいのか?気持ち悪かなくなったか?」

 暫く声をかけながらレインの背中を優しく擦ってたフェルトラは急に立ち上がったレインに声をかけた。

「うん。もう大丈夫。だけど……血が入ったワインは見たくないかなぁ」
「まぁ、分かってて飲みたくないもんでもあるしな。おい、そこのやつワイン入れ替えろ。あ?全部だ」

 フェルトラは近くを歩いていた給仕に入れ替えるよう指示をだしすべてを先程とは違い、白ワインに変えた。
 レインはほっと息を吐き、白ワインを飲んだ。
 
「フェルトラ、ダンス踊るかい?」
「踊る相手なんていねぇよ。一度踊るとマジ集ってきやがるし」
「ナーガなんてどうだい?それとも例の女性?」

 その言葉にフェルトラはワインを落としかけた。

「あ?俺は嫌だぞ主。こんな男と踊りたいとは思わんからな」
「……同じく。そもそも同性だろが」
「ナーガを女性にしてあげようか?短時間ならできるよ?」
「げっ…俺女にされるのか…それはそれで楽しそうだな。女の方が男は油断しやすいし、魂の味見し放題じゃねぇか」
「流石、人生楽しみたいナーガ君!俺と一緒に薬飲んでみる?」
「二人して飲むのかよ!?」
「安全性は大丈夫さ。俺がちゃんと試しておいたから」
「あー、主の女版すげーやばかったよなぁ」

 そう言いながらナーガが最初に薬を含み姿が少し変わる。

「うおっ?!飲んだのは初めてだが、なんか普段と全然違うな。胸が重いんだが………」
「「わー……ナーガ、マジかぁ」」

 一言で言うなら男装をした若干ツリ目の麗しい女性姿だ。
 その姿にいつものナーガの口調がマッチしており、更に、凛とした声音で男性も女性もナーガを見つめている。

「なぁ、俺だけ注目集めるの嫌なんだけど。お前らも飲め!」

 暫くホールが静かになり国王も王妃もみんな見ており、それに耐えきれなくなったナーガはフェルトラの口に飲み薬を突っ込んだ。
 1度口に入れたものを吐き出せるわけもなくそのまま女性化をフェルトラはした。
 レインに至っては自分で薬を口に入れ女体化を果たした。

「お揃いだね」
「おい、俺もかよ。今度は女性同士で踊ることになるんじゃね?」
「なら、この俺が踊ろうか?フェルトラよ」

 国王がしげしげと自身の息子を眺めながらダンスを誘った。
 ナーガを女性騎士のような凛々しい女性とするならフェルトラは気の強いどこかの男装令嬢だろう。
 レインは元々この中の誰よりも綺麗で整ってる顔つきのため、言うまでもない。
 フェルトラでさえ、今まさに目を離せずにいる。

「なぁ?レインだよ…な?」
「そう。一応言っとくけど薬の配合は平等だからね?」
「なっ?主はやべー」
「薬30分ぐらいしかもたないから楽しもう!」

「ねぇ?よければ踊ってくれないかな?」

 暫く雑談をしたあとレインが大胆に他の人にダンスを誘う。

「なぁ、ナーガ。あいつなんで誘い行ったんだ?」
「あー、後で戻ったときに同性だったことを思い出し鳥肌立ててゾワッとする様子を見たいんだとさ」
「貴族が同性で踊るなんて前代未聞もいいとこだしな、頭が硬いからそうなるか……あいつ、いい趣味してんな」
「うわー、2組目じゃん…主と踊るなんて可愛そ」
「店の美麗の薬を使った女、切れてんぞいいのかレイン」
「あははー、睨まれたね。そろそろ効果切れそうだしやめとくよ」

 2分ぐらいあとに効果が切れ3人とも無事にもとに戻りレインと踊った人たちは予想通り鳥肌がたったらしく腕を抑えていた。

「きゃーーーー!!」

 その時1つ照明が上から落ちてきたらしく女性が腕を大きく負傷をした。

「…………レイン?…また体調が良くないのか…?大丈夫か」

 女性に駆け寄ろうとしたフェルトラはレインを見て、驚いたように声をかけた。
 レインはうずくまっており時々肩が震えている。
 相当良くないのかとフェルトラは女性は他の人が手当をしてるのを見て、レインの横にしゃがみ背中をなでた。

「主……悪魔の力の流れが落ちた照明から見えた……俺以外の悪魔がいる!」
「このタイミングでか!?くそ……レイン無理すんなよ」

 その時、フェルトラの腕をいつものレインじゃ考えられないほどの力でレインは掴んだのだった。




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