レインの店へようこそ！

3話 人身売買

　この世界の週は8日であり、花、鳥、風、月、土、火、水、空の順で回っている。

「あれ…？フェルトラその髪はどうしたんだい？」
「しゃーねぇだろ？普通に出歩いたらバレるだろ。カツラだ。そうゆうレインは……モテてんな。」
「それはそうだろ？俺はね魅力的だからね。さぁ、全員ついたし移動しよう。」
「その自信はどっから来てんだろうな…。どこに向かうんだ？」
「え、また、王太子殿下がいる…。」
「んー？死の森。」
「「「そっか、死のも…………え、えぇぇぇえ！！」」」

　死の森というのは強い魔獣が住み着いておりかなりの腕の持ち主でも死んでしまう人が多発していることからつけられた、恐ろしい森だ。
　戦闘狂のフェルトラでさえ、入ることをためらっている森なのである。

「一応、言っとくけど正規ルートで入るから怪我することはないけど、俺から離れないようにね。離れたらルートから外れちゃうから見つけるのが面倒くさいんで。」
「正規ルート…？」

　レインは言うことは言ったというな表情で黙り込み、腰につけてあるカバンから小さなベルを取り出した。

「じゃあ、入るよ？」
「おぅ。」
「「は、はい…。」」

　レインは手に持ったベルを2回鳴らし霧が立ち籠めた森の中に足を踏み入れ、その他全員が後ろに続いた。

　チリンーー　チリンーー

　約30分ぐらい歩いた頃だろうか、レインが一度足を止めた。

「全員いるかい？いるみたいだね。あとは扉を開けるだけだからその場から動かないでね。」

　レインはベルを5回鳴らした。

チリン　チリン　チリンチリン　チリンーー

チリン　チリンー

　どこからかレインが鳴らしたベルじゃないベルの音が聞こえた。

　フェルトラはとっさに後ろを向き木の上にいる者に武器を構えた。

「やぁ、元気かい。久しぶりだね。ざっと20年くらいかな？用意してくれたかい？」
「………………元気。25年ぶり。……用意した。武器降りして欲しい。」

　フェルトラはその言葉でレインの知り合いだということが分かり、武器をおろした。

「……？25？……？？？」
「年については考えちゃ駄目なーんだそ☆」

　黒い笑顔でレインが言うものだからフェルトラは何度も首を縦に振った。

「…………こっち。」

　そう言ってこの紫色の前髪が長め後ろ短髪、青目のエルフ少年は案内をし始めたのだった。
　ふと全員が顔を上げると先程までいた物騒な雰囲気の森だったはずが一本の大きな木の立つ草原のような場所に出ていた。

「すげー…。」　
「さて、どの子がほしいのかな？」

　種族、性別を問わず10人の子供達がこちらに寄ってきていたのだった。