悪魔付ゲーム

本棚に住む猫(アメジストの猫又)

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〜悪魔の足跡は何処〜

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    あれから館の中を探索をした。私達が思う様に動くことが出来る所って、思ったより沢山あった。
    裏庭みたいな所や、庭の奥に小さな教会みたいな所もあった。1つ気付いた事がある。

『時計がどこの部屋にもある』という事。

    館には何階かフロアがある。でも、ほとんどが私達の部屋。
    御手洗の場所が1つのフロアに、2箇所あって私達の部屋にもお風呂の隣の部屋にある。
その他はというと、こんな感じだ。

==============
・玄関
(開く事はなく窓やドアなども、壊れることは無い)

・プレイングルーム
(ダーツや、ビリヤードなどの大人の感じの雰囲気がする。バーもあり、バーテンダーの服をした人が2人くらい居る)

・大浴場
(女湯と男湯は同じ造りのようで、大きなお風呂と洗面台が何個かあって、すごくいい匂いがしてこれはリラックスが出来る)

・図書室
(本が2階までびっしりと4面の壁に敷き詰められてて、木のテーブルや、ストーブなどがあって、読書好きの人ならずっと居てもいいと言える部屋だと思う)

・ダンス出来るような広間
(天井には黒い羽を持つ人が、羽を持たない人達を連れて行く絵画が大きく書かれてあって、窓にはステンドグラスが沢山あった)

・開かない部屋×α
==============

    うん。私達ほとんど収穫ないな…。
    見つけた物は少しある。何かが入ってる小箱や、金庫。
    その時リンリンと朝の鐘の音が鳴って、昼食を食べに会場まで戻った。


    私達は一緒のテーブルに座った。周りは私達の様にグループを作ってる所がチラホラと居る。多分、探索もしてた所がほとんどだと思う。
    私は飲み物を取りに行った時、誰かに肩が当たってしまった。

「す、すみません…」
    少し俯き気味に言う。相手の顔は見えないけど、男の人なのは分かる

「はぁ、いえ、僕も見えてなかったのですみません。」
    うん。怖い。声からすると、私より歳は低いと思う。早めに撤収しよう…

    そんな事があったけど、昼ご飯は食べ終えて私達は私の部屋で考察してみた。

「やっぱり、あいつの考えが分からねぇ。
4階もあるのに、地下が無いのはおかしいんじゃね?」
  やっぱり、そこが私も引っかかる。第1、図書室が大きくあって、プレイングルーム。バーもあって、大浴場もあると来た。
    普通、4階もある建物を建てようとするだろうか?それなら、地下を造って目立たない様にしたらいいと思う。

「陽向(ひなた)さんの言う通りです。私は、開かない部屋が気になります。
鍵穴がある物や、カードで開く物など、ジャンルが沢山ありますし…」
    そうだよね、淑(しと)さんの言う通りだ。鍵を1つにして、マスターキーとか作ったりしたらいいのに…。
    こういうのって、考え出すと止まらないんだよな…

「……あの、もし…。もしですよ?4階だけじゃない可能性ありませんか?
それに、地下がある可能性も捨てきれません。第1、ツリーが何処にいるのか分かりませんし、私達を観察してるなら、近い所に居てもおかしくありません。」
    荊(けい)さんは、小さく手を挙げて言う。私もそう思うけど…

「でも、近い場所って言っても隣の家とかに居るのかもしれないし、全く別の遠くの場所で観てるのかもしれない。」
    私は、思った事をそのまま言うと洋仁(ひろと)に何か気になる事あった?と聞いてみた。

「あのね、ダーツの所の奥の壁に少しだけど色が違ったよ!」
    キラキラした目で、両手を握り締めて言う洋仁に少し固まった。そして、私達の空気は張り詰めた空気になる。

「…そっか、洋仁ありがとう!
ダーツの所の奥って、ダーツの横の壁かな?」
    洋仁の頭を撫でながら、微笑むと「うん!」と元気に返事をしてくれた。

「なぁ、お前は何か気になる事あったのかよ」
    少しピリつく感じにあいつが言うから、キッと睨んであの事を言ってみる。

「朝、メイドさんが来て顔が見えなかったでしょ?殺し合いの前に黒のメイドさんが来た時、見えたんだ。顔じゃないけど、スートみたいなのが…」
    言葉を選びながら言っていると、皆が生唾を飲むのが分かった。

「あのね、少し青く光ったんだ。そして、首の方も光った感じがしたんだけど…、気の所為かもしれない。
もしかしたら、メイドさんやこの館にいる使用人?みたいな人達って、何か知ってるんじゃないかな?」
    よく考えると、館の事じゃないよね…。洋仁は、「メイドさんに聞く!」と、ウキウキしてるみたいだったけど、皆の表情は固くなるばかりだった。

「……じゃあ、プレイングルームに行って調べるついでに、使用人さんに聞いてみる事にしましょうか」
     淑さんが、この空気を破ってくれて少しホッとした。荊さんは、洋仁と「探検だー!」とキャッキャと楽しそうだったから、いいものの…。あいつは、頭を悩ませてるままだった。


    夕食になるまでに、私達はプレイングルームに行くのと、開かない部屋や開かない小箱の事について調べる事にした。

    部屋の奥の壁をあいつと洋仁と荊さんが調べてる間に、私と淑さんはバーテンダーの女の人と男の人に聞いてみた。

─────陽向eyes

    俺らは、二手に別れて調べる事にした。洋仁と荊と俺の3人と、あいつと淑2人で別れた。
    例の壁は、よく見ると普通のドアの広さで隙間があった。色も薄らと濃い色で洋仁には関心した。

    荊は、ペタペタと壁を触ったり押したりとしていたが、壁は変化しなかった。
    洋仁はと言うと、足元をじっと見ている。もし、洋仁に何かあればあいつに絶対怒られるヤツだ、面倒だけど声かけるか…。絶対あいつ、洋仁の保護者だろ!親みたいに接してるし、何かと世話焼いたりしてるし!

「洋仁~、何見てんの?」
洋仁の目線になるまでしゃがんで聞いてみると、洋仁は足元の床を指さして、俺を見てくる。

「あのね!なんかここだけ違うの!」
    元気いっぱいに言ってくる洋仁を横目に、よく見ると正方形のボタンみたいな感じのがある。よく見つけるな、洋仁。

    チラッとあいつの方を見ると、バーテンダーの男に何か喋っている。向き直って、足を乗せてみると正方形の縁から淡い白っぽい光が出て、ドアもどきの横に数字の羅列とEnterの文字、電卓みたいなのが出てきた。

「す、すごい!陽向さん、すごいです!」
荊が少し興奮気味に言う。バーテンダーは気づいてないのか分からないが、ここまで俺らが集まって何かしてる所を、何も聞かないのは可笑しい気もする。

    とりあえず、あいつと合流して報告する時に言ってみよう。


─────鈴(りん)eyes

    私は、淑さんと調べる事になった。私は、男の人のバーテンダーに、淑さんは女の人のバーテンダーに聞くことにした。
    何を聞くかは、皆で決めた。

・なぜ、顔を隠してるのか
・鍵がかかってる所は使用人は開けられるのか
・なぜここで働いてるのか
・この館はどこにあるのか

    この4つは絶対に聞くことになっている。最後のは、ダメ元でっていう感じ。

「あ、あの…」
    緊張して、言い出せない……

「はい。なんでございましょうか?」
    なんだか、暖かい感じの声の男の人だ。よ、よし、言うぞ…!

「あの、なんで皆さんは顔を隠してるんですか?」
    声が震えるのを隠しつつ質問してみると、男の人の雰囲気が少し変わった感じに見えた。

「………さぁ、私も分かりません。」
    少し素っ気ない感じに聞こえたのは気の所為なのかな…?

「な、なら、鍵がかかってる部屋は皆さん開けることが出来るんですか?」
    やっぱり、男の人の雰囲気がだんだん冷たい感じに見えてくる…。

「…さぁ、それは分かりませんね。」
    チラッと淑さんの方を見てみると、淑さんの方も同じ感じの様だ。

「え、えっと…貴方はなんでここで働いてるんですか?働くなら、違う所でもいいと思うんですが…」
    声が震えてしまいそうになる。明らかに、私達は聞いてはならないフレーズを聞いてるんだと思う。

「……はぁ、お答え出来ません。」
    ん?これだけ、お答え出来ませんと返ってきた…?
    ま、まぁ同じフレーズとかはないよね、人間だし!

「…じゃ、じゃあ!最後に、この館はどこにあるんでしょうか?」
    恐る恐る聞いてみると、男の人は手を止めた。

「分かりません。」
    確かにこっちを向いてハッキリと言った。私は怖くて下を向いたから直接じゃないけど、こっちを向いて言ったのはハッキリと聞こえた。

    私は、お礼を言って聞くだけだと悪いから飲み物を貰ってあいつと合流した。



────────────
    ねぇ、冬菜(ふゆな)私の妹。
    お姉ちゃんは、よく分からない館に閉じ込められてます。もし、貴女が私を探しているなら早く見つけ出して下さい。
    この館には、謎が沢山あります。手掛かりが少な過ぎて、私には解けそうにないです。もし、ヒントがあるなら、ゲームであれば、私にヒントを下さい。

    そんな事を真っ白な本に書き留める。誰にも読まれないのは分かってるけど、私の持つ情報は全て書き記そうと決めた。
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