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狂ったモノに生まれる葉
愛して、愛す。極上なカップル。【貴女だけの大樹として愛し守る】
しおりを挟む「あいなの事、ぜんっぜん分かってないっ!」
そう言って俺に包丁を向ける彼女は、俺史上で1番の最高な彼女で、絶対に離さないし離したくないし、むしろ愛彩以外の女も男もそんな風に想いもしない。
愛彩と付き合う前の歴代の彼女達を殺して行ってもいいくらい、俺にとって1番の人だ。
「分かった。
でも、その包丁は何で?
もっと話そう?
俺、愛彩以外と話すの嫌な程、愛彩が好きなの分かってるよな?」
「分かってるけどっ!
分からないのっ!
本当に、あいなの事一番に想ってるの?!」
愛彩はそう言い出すと、何を言っても効かない。そんな所も俺は好きだけど、流石に毎回こんな事されても結構な間愛彩との貴重な時間を共に喋るのが出来ない事になる。
それも愛情の1つだと。喋らない時間も愛だという奴は、俺らとは絶対に合わない奴だ。
言い過ぎたが、恋愛の話を共にしたいような奴では無い。
「愛彩、俺は愛彩の事が1番だよ。」
「……だ。やだっ!!」
「?」
「じゃあ、あいなのこと、刺殺してよっ!」
「え…?!」
そう言う愛彩は、大粒の涙を見せて俺を見つめてくる。
愛彩からのモノはいいけど、流石に俺はそこまで愛彩を傷つけたくないし、大体傷つけたりなんかしたくない。
まぁ、俺以外の奴に傷つけられる方が嫌だしそれなら俺が傷つけたいくらいだ。
「……分かった。
じゃあ…っ…っ?」
少し間を置いて、キッチンに向かおうと愛彩に背を向けると、背中から2回ほど勢い良く手馴れたように刺された。思ったより早く来た事に少し驚きつつ、この手慣れ感は流石だなと考えながら「愛彩。」と笑って愛彩に向き直り手を広げる。
「あっ…。」
俺が抱きしめると、愛彩から小さく愛彩から声が漏れて凄く可愛いな。と感じる。
愛彩は俺に、包丁を胸に押し付けて「愛彩にもして。」と訴える。
「ふっ…。愛彩、いい?」
俺は少し苦笑しながら、嬉しそうにふんにゃりと顔を緩める愛彩のお腹に浅く突き刺して、俺は倒れた。暫く眠るから、最後に愛彩の顔を見ながら眠りにつける事が出来て「嬉しいな」と言葉にして眠りについた。
「……あ……い…な?」
目を開けると、少し泣きそうで少し怒ってるような顔をした愛彩が目の前に居て、「いつもの愛彩がいる」と、何故か安心する。
最初に目にするものが愛彩なのが、本当に嬉しくて「これが当たり前なのだ。」と、心の底から思う俺は優しく微笑んで、愛彩を抱き寄せようとするその前に、ふと俺が眠る前に愛彩にした事を思い出した。
目線を愛彩の顔から、お腹に目を移すと、可愛い愛彩の服に穴が空いていて、そこには血液の染みが付いていた。そこ以外には俺の血液だと思われる物が飛び散った跡があるのを確認して、少し優越感に感じる。
あまり深くしないようにしたが、はやり傷つけた事への罪悪感が拭えない。
「あ、これ?
ふふふ♪莉樹くんが傷つけてくれた跡だよ♪
でも、あいなの身体には痕が残らないのが、本当に嫌だけど…
これも、またこれから付けてくれれば嬉しいなぁ?」
そう言って、俺の手を愛彩に刺した所に持ってきて触らせる。
「でも俺は極力愛彩が傷つくのは嫌かも…
あと、俺を眠る程傷つけるのは二人の時間が少なくなるから嫌だな。」
「えぇ、あいなは傷つけるのも傷つけられるのも嬉しいのにぃ!」
そう言って口を膨らませながら怒る姿は愛おしくて堪らない。
「それでも、俺は嫌だな。」
「えぇ!
あ!これ!」
そう言って複雑そうな顔をしながら愛彩は珈琲を俺に見せる。
自信満々に「作った!!」と言う愛彩が1番可愛いなぁ。と、思いながらお礼を言って早速飲む。
「そういえば!
また依頼が来てたよぉ
あとね、またあいなの事付け回す人が積極的に来てる気がするっ!
あいな、絶対に莉樹くんと離れたくないっ!」
そう言って手紙をぐしゃりと握って俺に抱き着く愛彩を、俺は背中を撫でながら優しく「大丈夫だからな。」と言う。
「あ!この依頼、また国からの極秘らしい!」
「また先に読んだの?」
「え?うん!
だって、変な手紙だったら莉樹くんに見せたくないし、それこそ依頼そっちのけで殺しちゃうもん。」
「それを俺が権力で潰すんだろ?」
「そうとも言うねぇ♪」
そう笑いながら言う俺らは、かつての姫と王子でいて逃亡者であり、世間にはもう居ないものと、存在しないモノとして見られてないといけない存在だ。
「あ!お腹空いた!」
「じゃあ、愛彩の好きなとこ行こっか」
「あそこは?」
「あ~、いつものラーメン屋?」
「うん!」
「じゃあ、支度して愛彩の腹ごしらえしてからラーメン食べよっか。」
【愛彩だけだ。
この俺と釣り合う者なんて、愛彩しか居ない。
今まで居た俺の婚約者なんて、記憶からでも殺したい程愛してる。
俺の愛を全て受け止めて、求めて来てくれるのは愛彩だけだよ。】
かつての人魚姫は〘暗殺屋〙で、かつての不滅のバケモノ王子は〘裏の支配者〙。
俺らには、永遠の身体を持つ者。
何十年何百年経ったとしても、俺らは無限の存在でいて有限を喰らう者だ。
引き裂く者が近づこうものなら絶対に
┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅
俺の 愛彩に 確実に消す。
手を出せば
あいなの 莉樹くんに 絶対殺す。
┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅
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