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追求する想いの葉

死んでも生きてる

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 膝を抱えたまま、僕は顔をあげられないままだった。

 僕は消えた。そう、アイツらへの腹いせに死んでやった。
 これで、復讐出来たんだ。そうずっと思っていた。

 友達も家族も皆悲しんでた。泣いていた。
 僕の為に、ずっと悲しんだ。僕の為に、そこから抜け出せないでいる家族がいた。

 手をのばしても、空を切るだけで、虚しさしか残らなかった。ただ、アイツらの顔はずっと頭に残っている。
 上辺だけの謝罪で、顔は笑っていた。そんなつもりじゃなかったのにと、嘲笑っていた。怒っていた。玩具が無くなったから、また僕みたいなのが出来ていた。

 その時僕のこの、体も心も無い鼓動が痛かった。何も生み出さない僕のこの涙も、この悲鳴も、全部誰にも届かない。
 歩き出しても、僕はどこにも行けないから。


 花を貰っても、悲しいだけなのに、苦しいだけなのに、来てくれる事がただ嬉しくて、でもそう決断した僕が本当は、生きていたいって叫ぶ。
 実体が無いのに、よく言うよ。

 この消えない体は、死んでいて生きてる。僕だけが時が止まって、世界は変わり続けてる。
 僕の隣に咲いていた花も枯れて、また新たな命が芽生える。
 そこの雑草だって、僕とは違って今を生きてる。

 それなら、僕は…?

 それなら僕は、ただ死にたいだけで皆に、家族に悲しみばかりを、足枷を付けただけ。
 アイツらは、僕の死なんかどうでもよかったみたいだった。

 もう辞めたい。そう思っても、この体は何も返してくれないまま。何も生み出さないまま。
 なら、迎えに来てよ。そう言っても、僕には迎えなんか来ない。来てもずっとずっと後で、皆が迎えに来てくれるまで待つしかない。


 知らない土地で知らない場所で、ずっと待ち続けても、僕を心配してくれる人はもう居ない。
 ずっと残るのは、僕と僕を見つけた人のトラウマと、僕を良くしてくれた人みんなだけの事。
 これ以上何も望まなくても、望んでいても僕は僕のまま、このまま待ち続けて、僕は皆と同じ場所に行けないかもしれないから。


 今更僕は後悔したんだ。これからも時間が流れても変わらない日々なのに、僕の心は変わらない。
 ずっと辛い気持ちが強まって、謝りたい気持ちを誰にも言えないまま、僕は迎えに来てくれる人を待ってる。

 今更謝りたいなんて、言えない。
 今更夢であってなんて、言えない。
 今更あの頃に戻っていじめられてた方が良かったなんて、言えない。
 今更死んだ事に腹が立っても何も生まない。


 ずっと、僕の事を忘れられる事はない。なんて、浅はかな考えなんて捨てた。
 僕は僕のまま消える。
 もう忘れてしまった僕の趣味。綺麗な絵を描く事。それでも、綺麗な心じゃない僕に描けるわけもないし、この身体で描けるわけも無い。

 ねぇ、早く迎えに来て。
 僕の手を握って?
 抱きしめて?
 怒ってくれないかな?

 その時は、生まれ変わった僕を見て?
 もう弱い僕じゃないから。泣き虫な僕は居ないから。





だから、早くに僕が去った事を、許さないで。


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