上 下
9 / 73
消えかけた光の葉

忘れる君と君の中だけ死ぬ僕【中】

しおりを挟む
8月2日 雨
 今日は8月なのに少し寒かったから、翔くんは季節外れのコーンスープを作ってくれた♪
 インスタントのやつは楽ちんだね♪



9月22日 くもり
 最近、友達の名前を忘れていたり、翔くんと決めた、昨日何をしたかとか、何をやったかを言うゲーム。
 この頃、なんだか抽象的に伝えてる気がする…
 この日記をよく読んでおかないと…
 今日は、カレーを食べた!
 チーズを先に入れてカレーを入れる何とも、らくな手法で二人で食べた!
 よし、明日はそう言おう。



10月27日 くもり
 最近結構寒くて、そろそろハロウィンになるし、『イタズラするぞ~!』って言ってココアを所望してみた!
 少しだけ病状は安定してる気がする。



12月11日 晴れ
 今日、綺麗な雲を見つけたよ!
 ピンク色をしてて、ハートの形をしてるの♪
 最近翔くんは、ブログを熱心に書いてるけど、どんなこと書いてるんだろう?
 聞いてもまともな返事をもらえない気がする……



12月30日 晴れ
 そろそろ年越しだ~!
 今年も無事に年を越せるみたいでよかった…
 この日記、いつか翔くんにみせるって思ってるんだけど…きっと泣くだろうなぁ‪w



3月20日 雨
 なんだか、最近頭痛がする…
 調子もそこまで良くないし、名前をよく忘れちゃう…、そろそろ…なのかな。嫌だな。
 今日は、そのせいなのか分からないけど、翔くんに当たっちゃった。
 翔くんは、平気みたいだったけど…、本当なら、私が元気で健康だったら、喧嘩しあって仲直りしてたのかな?



6月18日 晴れ
私の名前は 春宮 梅乃(はるみや うめの)、私の大好きな人は 空閑 翔太(くが しょうた)
よし、大丈夫。
今日は、お散歩をしたよ。
翔くんの携帯を取って、色んな写真撮ってみたけど、満更でもない表情をしてて、ふくざつだった‪w



7月1日 晴れ
私の名前は 春宮 梅乃、私の大好きな人は 空閑 翔太
怖いよ。私は、もうそろそろ、翔くんを殺しちゃうのかな?
私の中であなたを死んだ者にしてしまうのかな?
消えちゃうのかな?
怖い。
明日、また明日。いい日になるんだって、病気が発覚した時からずっと思ってる気がする。
今日は、魚料理で、煮付けだった。
すごく美味しく出来てて、料理の腕を上げてるな~!って茶化したよ!



 きっと、そろそろなんだ。もうそろそろ、あなたを、消してしまう気がするの。
 いつもの私を見失ったりしたけど、それでもまた戻って、改善してるように見えたりする事もあったから、これは翔くんのお陰なんだと思う。
 病院の先生にもそう言われたから、私は、本当に恵まれてるね♪
 そう思いながら、あなたの頬に触れるのは、毎日の習慣のような気がする。明日は、何してくれるのかな?何を見せてくれるのかな?そう思いながら、貴方との…翔くんとの夢を見る。
 夢は起きた時忘れる事しかないけど、夢の中なら…忘れない私が居て、普通のカップルの事が出来る。
 私を気にして、公園とか、水族館とか行かせてくれるのは嬉しいけど、最近流行ってるカフェとか沢山人が賑わってる所とか、色んな…今でしか出来ないことをしたいよ。


 そんな事を思いながら、私は翔くんに伝えるの。

 また明日。って
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛しくて悲しい僕ら

寺音
ライト文芸
第6回ライト文芸大賞 奨励賞をいただきました。ありがとうございます。 それは、どこかで聞いたことのある歌だった。 まだひと気のない商店街のアーケード。大学一年生中山三月はそこで歌を歌う一人の青年、神崎優太と出会う。 彼女は彼が紡ぐそのメロディを、つい先程まで聴いていた事に気づく。 それは、今朝彼女が見た「夢」の中での事。 その夢は事故に遭い亡くなった愛猫が出てくる不思議な、それでいて優しく彼女の悲しみを癒してくれた不思議な夢だった。 後日、大学で再会した二人。柔らかな雰囲気を持つ優太に三月は次第に惹かれていく。 しかし、彼の知り合いだと言う宮本真志に「アイツには近づかない方が良い」と警告される。 やがて三月は優太の持つ不思議な「力」について知ることとなる。 ※第一話から主人公の猫が事故で亡くなっております。描写はぼかしてありますがご注意下さい。 ※時代設定は平成後期、まだスマートフォンが主流でなかった時代です。その為、主人公の持ち物が現在と異なります。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

平凡令嬢の婚活事情〜あの人だけは、絶対ナイから!〜

本見りん
恋愛
「……だから、ミランダは無理だって!!」  王立学園に通う、ミランダ シュミット伯爵令嬢17歳。  偶然通りかかった学園の裏庭でミランダ本人がここにいるとも知らず噂しているのはこの学園の貴族令息たち。  ……彼らは、決して『高嶺の花ミランダ』として噂している訳ではない。  それは、ミランダが『平凡令嬢』だから。  いつからか『平凡令嬢』と噂されるようになっていたミランダ。『絶賛婚約者募集中』の彼女にはかなり不利な状況。  チラリと向こうを見てみれば、1人の女子生徒に3人の男子学生が。あちらも良くない噂の方々。  ……ミランダは、『あの人達だけはナイ!』と思っていだのだが……。 3万字少しの短編です。『完結保証』『ハッピーエンド』です!

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

処理中です...