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第1章
第1話 弟子と従者
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サンクトランティッド帝国には、七人の王がいる。
最も南に位置する通称帝都こと、アストライア主国には【王帝】。
サンクトランティッド帝国の七人の王の頂点に立つ宗主で、唯一無二の王。領土の下半分は海に接する。
その帝都の北、上半分を扇状に覆うのは二つの国。西の足摺の森に接する、ノグレー公国。東の海に接するカラール公国。
さらにその二つの国の北、並んで接する三つの国。西のサーティス=ヘッドと呼ばれる魔界との壁である、大陸の南北に渡るクリスタロス山脈の麓にグラナート公国、中央に小さなエカイユ公国、東の広大な空白地帯【蠢く砂漠】に接するアズラク公国。
その三つの国に覆いかぶさるように、東西に広がるザハーブ公国が存在する。この国は三国と接する南を除き、西はクリスタロス山脈、残り周囲を【嘆きの荒野】と呼ばれる空白地帯に囲まれていた。ザハーブ公国からさらに北の海側は人が住める土地ではなかった。
帝都以外の国に存在するそれぞれの地の支配者は、【王侯】と呼ばれる。サンクトランティッド帝国という枠の中から見れば、彼らは王の縁戚である公爵という立場だが、王帝は彼らをそれぞれの地の王として任じている。
王帝、王侯共に元をたどれば騎士王・アトラス=ハイキングが始祖だ。アトラスの血族で、膨大な魔力を持つ者は【単語夜】と呼ばれる濃紺の瞳を持つ。
彼らは王であると同時に祭司でもあり、民の安寧を祈願するのは王族の役割であった。そして、【夜】の末裔が各地で王として君臨している。
プロクスの領地があるのは、元ツァガーン公国の西、帝都とノグレー公国の狭間にある僻地。
ツァガーンはほぼ原っぱと言っていいほど何もないし、数十年ほど前に王侯一族が途絶えたこともあり王帝の直轄地になった。原っぱとはいえ一応村は点在し、その中でもサーティス=ヘッドに接する西の空白地帯、足摺の森を監視する役目を担っていた。
プロクスの本来の名は、プロクス・ハルノート・グラディウス。
ハイキングは、王家から騎士の頂点に立つ者――騎士王のみが許される名称であり、彼女は王や貴族から「プロクス=ハイキング」と呼ばれ、公ではそれを名乗る。
「せんせー!」
怒鳴るような大きな声が聞こえた。
プロクスはびっくりして目を覚ました。顔を上げれば、可愛いアシリータが慈悲深い表情でこちらを見ていた。
「君がかわゆいせいでどこにも行けない……」
プロクスはあっという間に怒鳴り声のことを忘れ、アシリータの首筋にすりすりと顔を寄せた。
「先生!呼んでいるのに!」
プロクスのことを「先生」と呼んだ少年は、どかどかと馬小屋に入ってくる。
「やぁ、新人」
新人、という言葉に少年はただでさえ苛立っていたのに、さらに怒りを露わにする。
「もう!一人で仕事へ行っただろ!俺も連れて行ってくれって行ったのに!」
短い蜜柑色の髪の頭、夜明けを思わせる琥珀色の瞳。がさつな態度だが、身にまとうのはしっかりとした軍の制服。
「でも、君は訓練中だったから。蠅を叩くような仕事より、仲間と交流を深めるほうが良いと思うのだがね。すまなかったな、ルーカス」
少年――ルーカスは、怒り心頭でプロクスを見下ろす。
「弟子を成長させようと思わないわけ?」
「偏屈な老人といるより、たくさんの人と触れあい成長していくことの方が重要だよ」
またそんなことを言う、とルーカスはとうとうあきらめのため息をついた。
「俺もうすぐ十五だし。全然成長しているし」
ほら見ろ、とルーカスはプロクスの横に並んだ。ほんの少しルーカスの方が大きくなっていた。
「いや身長の話じゃないんだがね。でも君が大きくなってうれしい。最初はこんな大きさだったのに」
プロクスは親指と人差し指で豆をつまむような形を作る。そんな師匠を、弟子であるルーカスは呆れて見る。
「……それで先生、大年会があるからアストライアに戻るんだろ、急がなきゃ」
そうだそうだ、とプロクスは立ち上がる。
「タンタンには使い魔を飛ばしたからアッシュクラフトを連れてきてくれるんだ。……浮気じゃないよ、アシリータさん。私はいつだって君が一番だ」
「早く準備しなよ」
未練がましくロバを抱きしめる師匠に、ルーカスは呆れ顔だった。背中を押して家に入れたところで、プロクスはとことこと歩いて布の張られたふかふかのソファーに突っ伏した。ぼわんとクッションがいくつも跳ね飛んで床に落ちる。
「先生、駄目だって!着替えなきゃ」
「服はタンタンが持って来てくれるからな。もう少しだけ寝かせて。――なぜなら!私は!休暇だからだ」
後半にかけて急に口調が力強くなったプロクスに、クッションを拾っていたルーカスはびっくりした。
「お休みなの?珍しいね」
「そうだよ。しばらく国からの仕事の依頼はないんだ。つまり私は騎士王じゃなくて、ただの一般人なのだ。心置きなくアシリータを愛で、惰眠を貪る権利がある」
「え、でも大年会と次の日の王の誕生祝賀会は出るんだろ?それって仕事じゃん」
「それは前々から入っていた予定だから仕方ない……そうだ、麺。私は麺が食べたい。大年会が終わったら麺に行く。おっと、その前にイオダスのところにも行かなければならんな」
先ほどからソファーに突っ伏したままもごもごしゃべり続けるプロクスに、ルーカスは側にしゃがみこんで、再びため息をついた。
「……わかった。麺ね。いつものとこ、席とっといてもらうから」
「さすが我が弟子。席取り名人。君になら春のタイタス山の花見だって任せられる――あ、きたきたきた!」
がばりと体を上げたプロクスに、ルーカスは仰け反って思わず尻餅をつく。ぴょんとソファーから飛び降りたプロクスは、タタタと身軽に駆けていく。
ルーカスは、その後を慌てて追いかけた。
元々プロクスの行動は自由過ぎるが、年を経るごとにさらに予測不可能なものになっている。まるで小さな子供を相手にしているようだ。
だが、幼い頃に地獄とも言える場所から救い出されたルーカスはプロクスに頭が上がらない。
外に出て行ったプロクスの隣に並び、砂煙を上げながら近づいてくる者を見る。
大地を割るように荒々しく近づいてくるのは、巨体の男。猛獣のように険しい顔をしたこれまた大きな黒い馬に跨がり、銀の甲冑に赤いマントを閃かしてやってくる。その兜は水牛のような角があり、顔のところは十字になっており口元だけが見える。
「見てご覧、ルキ。あの素晴らしい馬。ラスボス種の最上級の筋肉を。君もドルゴラスを見習い、体をきちんと鍛えるんだ」
「人の方じゃ無くて馬なんだね」
ルーカスは少しずつ速さを緩める馬を見つめる。覇王のような威厳でもってプロクスらの数歩手前で止まると、がちゃがちゃと音を立てて男は地に降り立つ。それだけで、地面が軽く揺れた。
「タンタン!」
プロクスは両手を広げて駆けていく。そのまま胸に飛び込もうとするのを、男は腕を伸ばし、ぐいっと持ち上げる。無言で、小さい子にするようにその場でくるくると回った。
老人に何てことをするのか、とルーカスは慌てた。
――彼は知らなかった。師匠が不老で、若い十八の時のままの肉体だということを。
「ちょっと、おっさん!それ以上は危ないって」
「全然大丈夫だよ、ルキ。血の巡りがよくなった」
脇を抱えられ足が宙ぶらりんのプロクスは子猫のようで、ルーカスは内心笑いを必死で堪えた。
「そうだな。あまりにうれしくて。ご無事で何より」
男は重々しく言うが、そのままプロクスを片腕に人形のように抱く。
「うん、怪我もしていないよタンタン」
ふむ、とタンタンこと、タイタニスは頷いた。兜を取り、明るい茶色の瞳でプロクスを見つめる。麦の穂のような黄金の髪が、風に揺れた。
「さすが我らの騎士王だ。たった一人で蟲の巣を殲滅するとは」
そう言って、彼はプロクスをそっと下ろす。
タイタニスは、プロクスの身の回りの世話する従者であり、ツァガーン地区の神殿に勤める神官でもあった。黒いマントと甲冑の下に身に付ける赤い衣装がそれを示している。
筋肉の塊のような男は、およそ「タンタン」という名が似合わないが、騎士王は昔から親しい人間に奇妙なあだ名を付けるのが癖だった。
最も南に位置する通称帝都こと、アストライア主国には【王帝】。
サンクトランティッド帝国の七人の王の頂点に立つ宗主で、唯一無二の王。領土の下半分は海に接する。
その帝都の北、上半分を扇状に覆うのは二つの国。西の足摺の森に接する、ノグレー公国。東の海に接するカラール公国。
さらにその二つの国の北、並んで接する三つの国。西のサーティス=ヘッドと呼ばれる魔界との壁である、大陸の南北に渡るクリスタロス山脈の麓にグラナート公国、中央に小さなエカイユ公国、東の広大な空白地帯【蠢く砂漠】に接するアズラク公国。
その三つの国に覆いかぶさるように、東西に広がるザハーブ公国が存在する。この国は三国と接する南を除き、西はクリスタロス山脈、残り周囲を【嘆きの荒野】と呼ばれる空白地帯に囲まれていた。ザハーブ公国からさらに北の海側は人が住める土地ではなかった。
帝都以外の国に存在するそれぞれの地の支配者は、【王侯】と呼ばれる。サンクトランティッド帝国という枠の中から見れば、彼らは王の縁戚である公爵という立場だが、王帝は彼らをそれぞれの地の王として任じている。
王帝、王侯共に元をたどれば騎士王・アトラス=ハイキングが始祖だ。アトラスの血族で、膨大な魔力を持つ者は【単語夜】と呼ばれる濃紺の瞳を持つ。
彼らは王であると同時に祭司でもあり、民の安寧を祈願するのは王族の役割であった。そして、【夜】の末裔が各地で王として君臨している。
プロクスの領地があるのは、元ツァガーン公国の西、帝都とノグレー公国の狭間にある僻地。
ツァガーンはほぼ原っぱと言っていいほど何もないし、数十年ほど前に王侯一族が途絶えたこともあり王帝の直轄地になった。原っぱとはいえ一応村は点在し、その中でもサーティス=ヘッドに接する西の空白地帯、足摺の森を監視する役目を担っていた。
プロクスの本来の名は、プロクス・ハルノート・グラディウス。
ハイキングは、王家から騎士の頂点に立つ者――騎士王のみが許される名称であり、彼女は王や貴族から「プロクス=ハイキング」と呼ばれ、公ではそれを名乗る。
「せんせー!」
怒鳴るような大きな声が聞こえた。
プロクスはびっくりして目を覚ました。顔を上げれば、可愛いアシリータが慈悲深い表情でこちらを見ていた。
「君がかわゆいせいでどこにも行けない……」
プロクスはあっという間に怒鳴り声のことを忘れ、アシリータの首筋にすりすりと顔を寄せた。
「先生!呼んでいるのに!」
プロクスのことを「先生」と呼んだ少年は、どかどかと馬小屋に入ってくる。
「やぁ、新人」
新人、という言葉に少年はただでさえ苛立っていたのに、さらに怒りを露わにする。
「もう!一人で仕事へ行っただろ!俺も連れて行ってくれって行ったのに!」
短い蜜柑色の髪の頭、夜明けを思わせる琥珀色の瞳。がさつな態度だが、身にまとうのはしっかりとした軍の制服。
「でも、君は訓練中だったから。蠅を叩くような仕事より、仲間と交流を深めるほうが良いと思うのだがね。すまなかったな、ルーカス」
少年――ルーカスは、怒り心頭でプロクスを見下ろす。
「弟子を成長させようと思わないわけ?」
「偏屈な老人といるより、たくさんの人と触れあい成長していくことの方が重要だよ」
またそんなことを言う、とルーカスはとうとうあきらめのため息をついた。
「俺もうすぐ十五だし。全然成長しているし」
ほら見ろ、とルーカスはプロクスの横に並んだ。ほんの少しルーカスの方が大きくなっていた。
「いや身長の話じゃないんだがね。でも君が大きくなってうれしい。最初はこんな大きさだったのに」
プロクスは親指と人差し指で豆をつまむような形を作る。そんな師匠を、弟子であるルーカスは呆れて見る。
「……それで先生、大年会があるからアストライアに戻るんだろ、急がなきゃ」
そうだそうだ、とプロクスは立ち上がる。
「タンタンには使い魔を飛ばしたからアッシュクラフトを連れてきてくれるんだ。……浮気じゃないよ、アシリータさん。私はいつだって君が一番だ」
「早く準備しなよ」
未練がましくロバを抱きしめる師匠に、ルーカスは呆れ顔だった。背中を押して家に入れたところで、プロクスはとことこと歩いて布の張られたふかふかのソファーに突っ伏した。ぼわんとクッションがいくつも跳ね飛んで床に落ちる。
「先生、駄目だって!着替えなきゃ」
「服はタンタンが持って来てくれるからな。もう少しだけ寝かせて。――なぜなら!私は!休暇だからだ」
後半にかけて急に口調が力強くなったプロクスに、クッションを拾っていたルーカスはびっくりした。
「お休みなの?珍しいね」
「そうだよ。しばらく国からの仕事の依頼はないんだ。つまり私は騎士王じゃなくて、ただの一般人なのだ。心置きなくアシリータを愛で、惰眠を貪る権利がある」
「え、でも大年会と次の日の王の誕生祝賀会は出るんだろ?それって仕事じゃん」
「それは前々から入っていた予定だから仕方ない……そうだ、麺。私は麺が食べたい。大年会が終わったら麺に行く。おっと、その前にイオダスのところにも行かなければならんな」
先ほどからソファーに突っ伏したままもごもごしゃべり続けるプロクスに、ルーカスは側にしゃがみこんで、再びため息をついた。
「……わかった。麺ね。いつものとこ、席とっといてもらうから」
「さすが我が弟子。席取り名人。君になら春のタイタス山の花見だって任せられる――あ、きたきたきた!」
がばりと体を上げたプロクスに、ルーカスは仰け反って思わず尻餅をつく。ぴょんとソファーから飛び降りたプロクスは、タタタと身軽に駆けていく。
ルーカスは、その後を慌てて追いかけた。
元々プロクスの行動は自由過ぎるが、年を経るごとにさらに予測不可能なものになっている。まるで小さな子供を相手にしているようだ。
だが、幼い頃に地獄とも言える場所から救い出されたルーカスはプロクスに頭が上がらない。
外に出て行ったプロクスの隣に並び、砂煙を上げながら近づいてくる者を見る。
大地を割るように荒々しく近づいてくるのは、巨体の男。猛獣のように険しい顔をしたこれまた大きな黒い馬に跨がり、銀の甲冑に赤いマントを閃かしてやってくる。その兜は水牛のような角があり、顔のところは十字になっており口元だけが見える。
「見てご覧、ルキ。あの素晴らしい馬。ラスボス種の最上級の筋肉を。君もドルゴラスを見習い、体をきちんと鍛えるんだ」
「人の方じゃ無くて馬なんだね」
ルーカスは少しずつ速さを緩める馬を見つめる。覇王のような威厳でもってプロクスらの数歩手前で止まると、がちゃがちゃと音を立てて男は地に降り立つ。それだけで、地面が軽く揺れた。
「タンタン!」
プロクスは両手を広げて駆けていく。そのまま胸に飛び込もうとするのを、男は腕を伸ばし、ぐいっと持ち上げる。無言で、小さい子にするようにその場でくるくると回った。
老人に何てことをするのか、とルーカスは慌てた。
――彼は知らなかった。師匠が不老で、若い十八の時のままの肉体だということを。
「ちょっと、おっさん!それ以上は危ないって」
「全然大丈夫だよ、ルキ。血の巡りがよくなった」
脇を抱えられ足が宙ぶらりんのプロクスは子猫のようで、ルーカスは内心笑いを必死で堪えた。
「そうだな。あまりにうれしくて。ご無事で何より」
男は重々しく言うが、そのままプロクスを片腕に人形のように抱く。
「うん、怪我もしていないよタンタン」
ふむ、とタンタンこと、タイタニスは頷いた。兜を取り、明るい茶色の瞳でプロクスを見つめる。麦の穂のような黄金の髪が、風に揺れた。
「さすが我らの騎士王だ。たった一人で蟲の巣を殲滅するとは」
そう言って、彼はプロクスをそっと下ろす。
タイタニスは、プロクスの身の回りの世話する従者であり、ツァガーン地区の神殿に勤める神官でもあった。黒いマントと甲冑の下に身に付ける赤い衣装がそれを示している。
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