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Let's 親睦会
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魔物であったテストが終わり成績が返されたのが今日の放課後。苦手教科の二つは高橋君と石倉君のおかげで両方四十点台。他の教科は満点なので総合点や順位は悪くなかった
そしてテストが終わってから二週間が経過した今日、初の行事である親睦会が始まる
「はーい、来た人から担任と担当生徒会役員に点呼をとってくださーい」
「おい、聞いてねぇぞ」
「説明はしましたよ。聞いてなかったのはあなた方ですから。乾先輩は三学年の二クラスですのでお願いします」
「チッ...分かったよ」
今回の親睦会は今までにない取り組みをいくつか入れてある。まず朝の点呼。例年ここで地味に時間を食うし朝ということもあり全員動きが遅い。そこで担任だけが行う点呼に生徒会役員をプラスした。狙い通りに全員がテキパキ動いている
そして次にルートの確認。これはいつも学園が使っているバス会社に俺自らおもむき発案したルートと過去のルートを照らし合わせて、より安全により早く移動できるルートを選んだ。渋滞が起きたときの対応もバッチリだ。しかし残念なことが一つだけある
「おい!降谷!全員揃ったぞ!」
「はーい」
「早く乗れ。出発するぞ」
何故か俺だけが職員用のバスに乗らなければならなかった...
この男女別と同じようなバス配分はもとから決まっていたもので生徒は生徒で、先生は先生でってのが伝統らしく生徒側で問題が起これば学級委員長が報告をするという...しかもこの親睦会は教師も全員参加なので理事長の紳也さんもいるのだ
絶対にこの人が裏でなにかしたな...
「雪兎君は俺の隣だよ」
「はぁ...」
「今回は予定時間より早く出発できたね」
「まぁ...いろいろ仕掛けはしましたので...」
今回はいつも高みの見物を決め込んでいる生徒会や風紀委をフルに活用している。今日の日程はこのまま宿泊先のホテルまで行き、既に決めてある部屋割りを発表したのち自由行動。リゾート地内なので問題を起こさない程度で好きにさせるのだ。そしてこの部屋割りにいろんな条件をつけた特典があるのだ
「この極秘の部屋割りは本当に大丈夫ですかね...」
「大丈夫ですよ。これも社会体験です」
俺の仕掛けが失敗することはない。なんやかんや話していたら目的地についたらしい。今回の宿は老舗和風旅館で三日間貸し切りにしてもらった。これに関しては理事長の手腕でなんとかしてもらったのだ。そして過去事例のない部屋割りを発表する
「今回は大部屋六部屋での宿泊とします。一部屋は先生方が使い、他の部屋はこちらで割り当てた部屋に行ってもらいます」
ここまでの説明で真面目に聞いているのは極わずか...いいのか?これからが重要なのになぁ
「生徒が使う部屋には生徒会役員と風紀委員が一人ずつ配置しています。その二人が部屋長となり何かしらの問題が起こった場合、各部屋の部屋長に責任をとってもらいます。では!一年生から部屋割りした表を見てください」
これが俺の考えた案だ。通常なら生徒会も風紀委も別々の一部屋に押し込められるのだが今回は各部屋に押し込めてやった。生徒会と風紀委を神と崇めているコイツらなら彼らに責任を追わせることなんて出来ないだろうし生徒会も風紀委も仕事をサボれば即降格させられ二度と風紀委も生徒会も出来ないように先生方には話を通してある
実際にさっきまで興味無さそうにしていた生徒達は俺の説明をきくなり目の色を変えて我先にと割り当てた部屋に入っていった。まるで蟻のようだ...
「で?なんで俺たちがやらなきゃなんないんだ?」
「?どうすれば良いんだ?」
「お前に命令されたくなーい」
「文句は受け付けませんので早くいってください」
冬馬先輩と時森先輩と羽田先輩の愚痴を無視して俺は荷物をもって部屋に向かった。俺はまだまだ仕事が山積みでこれから自由時間の見回りをする先生方との打ち合わせをしなければならないんだ。そして問題の部屋なんだが...
「なんで俺が凡人と同室なんだよ!!」
「言っときますが部屋割りを考えたのは理事長と先生方です。文句ならそちらにいってください」
風紀委員長の乾冬馬先輩と同じ部屋になってしまったのだ。他の部屋はいっちゃんと隆宏先輩、深道先輩と時森先輩、羽田先輩と青野先輩、有栖川先輩はペアがいないので一人でも大丈夫なような部屋割りにしてある。ちなみに各自の親衛隊はその人と同じ部屋に押し込んである
なので...
「冬馬様!お荷物お持ちします!」
「冬馬様!飲み物です!!」
「凡人が冬馬様の隣にいないでくれる?」
「ホント、邪魔」
うん。酷い言われよう。でも俺はへこたれないぜ☆
なんて、ふざけている場合ではない。人数を確認した後先生方との確認をしなければならない。場合によっては辰兄や紳也さんの相手をしなければならないわけで...やることが多過ぎてチワワなんかに構ってられない
「書類書類...あった。じゃ、俺は失礼すん...でぇ!?」
「おい!なんで俺を無視すんだ!!」
かまってちゃんか!?
部屋を出ていこうとしたら腕を捕まれて思いっきり引っ張られ、変に声をあげてしまった。つか、なんで俺を引き留めるんだ?構ってくれるチワワならわんさかいるだろ!
「すみませんが俺はこれから先生方との打ち合わせがあるので急いでいるんです。離してください」
「あぁ!?俺に命令すんな!!」
「命令じゃなくてお願いです」
振り払おうにもガッチリと捕まれていて振りほどくことができない。それに回りの視線が強すぎて振り払うこと事態許されない状況だ
マジで誰か助けて!!
そしてテストが終わってから二週間が経過した今日、初の行事である親睦会が始まる
「はーい、来た人から担任と担当生徒会役員に点呼をとってくださーい」
「おい、聞いてねぇぞ」
「説明はしましたよ。聞いてなかったのはあなた方ですから。乾先輩は三学年の二クラスですのでお願いします」
「チッ...分かったよ」
今回の親睦会は今までにない取り組みをいくつか入れてある。まず朝の点呼。例年ここで地味に時間を食うし朝ということもあり全員動きが遅い。そこで担任だけが行う点呼に生徒会役員をプラスした。狙い通りに全員がテキパキ動いている
そして次にルートの確認。これはいつも学園が使っているバス会社に俺自らおもむき発案したルートと過去のルートを照らし合わせて、より安全により早く移動できるルートを選んだ。渋滞が起きたときの対応もバッチリだ。しかし残念なことが一つだけある
「おい!降谷!全員揃ったぞ!」
「はーい」
「早く乗れ。出発するぞ」
何故か俺だけが職員用のバスに乗らなければならなかった...
この男女別と同じようなバス配分はもとから決まっていたもので生徒は生徒で、先生は先生でってのが伝統らしく生徒側で問題が起これば学級委員長が報告をするという...しかもこの親睦会は教師も全員参加なので理事長の紳也さんもいるのだ
絶対にこの人が裏でなにかしたな...
「雪兎君は俺の隣だよ」
「はぁ...」
「今回は予定時間より早く出発できたね」
「まぁ...いろいろ仕掛けはしましたので...」
今回はいつも高みの見物を決め込んでいる生徒会や風紀委をフルに活用している。今日の日程はこのまま宿泊先のホテルまで行き、既に決めてある部屋割りを発表したのち自由行動。リゾート地内なので問題を起こさない程度で好きにさせるのだ。そしてこの部屋割りにいろんな条件をつけた特典があるのだ
「この極秘の部屋割りは本当に大丈夫ですかね...」
「大丈夫ですよ。これも社会体験です」
俺の仕掛けが失敗することはない。なんやかんや話していたら目的地についたらしい。今回の宿は老舗和風旅館で三日間貸し切りにしてもらった。これに関しては理事長の手腕でなんとかしてもらったのだ。そして過去事例のない部屋割りを発表する
「今回は大部屋六部屋での宿泊とします。一部屋は先生方が使い、他の部屋はこちらで割り当てた部屋に行ってもらいます」
ここまでの説明で真面目に聞いているのは極わずか...いいのか?これからが重要なのになぁ
「生徒が使う部屋には生徒会役員と風紀委員が一人ずつ配置しています。その二人が部屋長となり何かしらの問題が起こった場合、各部屋の部屋長に責任をとってもらいます。では!一年生から部屋割りした表を見てください」
これが俺の考えた案だ。通常なら生徒会も風紀委も別々の一部屋に押し込められるのだが今回は各部屋に押し込めてやった。生徒会と風紀委を神と崇めているコイツらなら彼らに責任を追わせることなんて出来ないだろうし生徒会も風紀委も仕事をサボれば即降格させられ二度と風紀委も生徒会も出来ないように先生方には話を通してある
実際にさっきまで興味無さそうにしていた生徒達は俺の説明をきくなり目の色を変えて我先にと割り当てた部屋に入っていった。まるで蟻のようだ...
「で?なんで俺たちがやらなきゃなんないんだ?」
「?どうすれば良いんだ?」
「お前に命令されたくなーい」
「文句は受け付けませんので早くいってください」
冬馬先輩と時森先輩と羽田先輩の愚痴を無視して俺は荷物をもって部屋に向かった。俺はまだまだ仕事が山積みでこれから自由時間の見回りをする先生方との打ち合わせをしなければならないんだ。そして問題の部屋なんだが...
「なんで俺が凡人と同室なんだよ!!」
「言っときますが部屋割りを考えたのは理事長と先生方です。文句ならそちらにいってください」
風紀委員長の乾冬馬先輩と同じ部屋になってしまったのだ。他の部屋はいっちゃんと隆宏先輩、深道先輩と時森先輩、羽田先輩と青野先輩、有栖川先輩はペアがいないので一人でも大丈夫なような部屋割りにしてある。ちなみに各自の親衛隊はその人と同じ部屋に押し込んである
なので...
「冬馬様!お荷物お持ちします!」
「冬馬様!飲み物です!!」
「凡人が冬馬様の隣にいないでくれる?」
「ホント、邪魔」
うん。酷い言われよう。でも俺はへこたれないぜ☆
なんて、ふざけている場合ではない。人数を確認した後先生方との確認をしなければならない。場合によっては辰兄や紳也さんの相手をしなければならないわけで...やることが多過ぎてチワワなんかに構ってられない
「書類書類...あった。じゃ、俺は失礼すん...でぇ!?」
「おい!なんで俺を無視すんだ!!」
かまってちゃんか!?
部屋を出ていこうとしたら腕を捕まれて思いっきり引っ張られ、変に声をあげてしまった。つか、なんで俺を引き留めるんだ?構ってくれるチワワならわんさかいるだろ!
「すみませんが俺はこれから先生方との打ち合わせがあるので急いでいるんです。離してください」
「あぁ!?俺に命令すんな!!」
「命令じゃなくてお願いです」
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マジで誰か助けて!!
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