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なぜか懐かれた②
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翌日、お見舞いに来たと乾先輩がきた。入ってくるなり頭を下げてきたから驚いてしまった。なんとか頭をあげてもらい訳を聞くと主犯は乾家の使い者で自分を連れて帰るためにあんな行動をとったらしい
「あなたにメールを送ったのは問題行動を起こさせれば自主退学の名目ができるからかな?」
「そうみたいだな...理事長の計らいで俺とお前に処分はないらしい。お前の怪我についても正当防衛になるしな」
「政治関連は熟知してるからへまはしませんよ~...
それに相手側の親を困らすぐらいがイタズラ電話とか...雑魚のやることですからね」
脅すなら相手が隠さなきゃならない秘密をちらつかせなければならない。イタズラ電話なんて相手にするわけがない。先輩は俺の悪い笑みに引いている
それはおいといて、おがとめなしはありがたい。これで辰兄といっちゃんの説教コースが回避できる
「仕事は俺たちでやっとく。言っとくが生徒会長の座は諦めてないからな」
「はーい、分かってまーす」
「...先に謝っとく...ごめん」
なにいってんだ?と思ったら乾先輩の顔が近づいてきて、唇にフニッと柔らかな感触が当たった。しばらく思考が停止していたがキスをされた、と認識できた頃には乾先輩の顔は離れていた。顔が真っ赤になっているであろう俺は動揺しきった声音しかだせなかった
「な...なにを?」
「...したくなったからしただけ」
「!クソが!!!」
手が出てしまったが仕方がない。バカな考えしかしないアイツらと同じことを言ったのだ。身の危険しか感じない。結局、距離があったため当たらずに終わってしまった
仕方ないので犬に噛まれたと思い忘れることにしよう
「それじゃ、俺いくな」
「オキヲツケテ」
カタコト棒読みで乾先輩を送り出した。一人になっているときにさっきのことを思い出してしまい記憶を振り払うように寝返りをして寝直すことにした
*****************
あの後、生徒会メンバーを筆頭に何人かお見舞いに来てくれた。見舞品も持参してくれたけど高級なお菓子だったり飲み物だったりで俺の胃が受け入れない...
てなわけで病院ないにある自販機で飲むヨーグルティを買おうとしたのだが売り切れになっていた。やっぱり人気なんだな...ヨーグルティ
「ヨーグルティがないとなると...アップルジュースにするか」
ヨーグルティの次に好きなアップルジュースを買って飲んでいると見覚えのある顔が近付いてきた。その人物は俺が足をへし折った二人組だった。慣れていない松葉杖を使いこっちに向かっているってことは自動販売機目的かな?場所を譲るように近くにあるソファーに座れば二人はソファーの方に近付いてきた。それで目的が俺であることがわかった
「あんたが降谷か?」
「えぇ、そうですが?」
「「俺たちを弟子にしてください!!」」
「....は?」
直角とも言えるほど腰を折って最敬礼している二人に首をかしげた。弟子にしてくれって...なに?
武術とかを教えてくれってことか?なんで?
顔をあげるように言えばキラキラした目で俺を見つめている二人に何て言えばいいかわからない
「保険医と華宮先生に聞きました!俺たちの処置をしてくださったんですよね!?」
「応急ならね。ちゃんとした治療は医者がやったでしょ」
「その医者に言われたんです!応急処置がよかったから早くに完治できるって!!」
「それはよかったですね」
報告しなくていい。骨折の応急処置なんて小学校で習ったし、中学の頃なんて姐さん直々に骨折の治療を教えてもらった程だ。あの時、タイミングよく複雑骨折した人が運び込まれてきて手術まで見せてくれた。かなりエグかったことしか覚えてない。気絶しているし別にいいだろうと部分麻酔しかせずに手術をした姐さんの顔はいつもよりイキイキしていたことしか覚えていない
「どうか俺らの師匠になってください!」
「お願いします!!」
「いや、無理」
「「なんでですか!?」」
「なんでって...なんとなく?」
だって、油断してた俺を投げ飛ばすほどの実力があるなら弟子入りする必要なんてないし...それにこれ以上回りを刺激するような人物と関わりを持ちたくない。ただでさえ生徒会長になったせいでこんな怪我させられたんだから...
空になったジュースを捨てて病室に戻ろうとしたが二人に阻まれた。つか、土下座された
「お願いします!!俺たち、空手部と柔道部のエースやってんです!!」
「ふーん...そーなんだ」
「でも最近記録が出せなくて...だから降谷さんの弟子にして欲しいんです!!」
「んなこと言われても...」
正直に言うと俺、柔道も空手もよく知らないんだよな...闘技場での戦い方は真似してるだけだし、型がないみたいで闘技場制覇したときに誠やジンからちゃんとした型とか防御とかを教えてもらった
とにかく俺は教える側にはなれない。怪力なんて生まれつきだし、むしろ力を抜く訓練ばっかしてたからな
「「お願いします!!」」
「ん~...俺は教えるってよりアドバイスしかできないんだけど...」
「!それだけでもいいです!!」
「弟子にしてくれるんですか!?」
「弟子とかじゃなくてただのアドバイス人。といあえず今アドバイスできるのは、早く怪我を直すことですね」
逃げるようにその場を去ったけど...
変なのに懐かれたな...
「あなたにメールを送ったのは問題行動を起こさせれば自主退学の名目ができるからかな?」
「そうみたいだな...理事長の計らいで俺とお前に処分はないらしい。お前の怪我についても正当防衛になるしな」
「政治関連は熟知してるからへまはしませんよ~...
それに相手側の親を困らすぐらいがイタズラ電話とか...雑魚のやることですからね」
脅すなら相手が隠さなきゃならない秘密をちらつかせなければならない。イタズラ電話なんて相手にするわけがない。先輩は俺の悪い笑みに引いている
それはおいといて、おがとめなしはありがたい。これで辰兄といっちゃんの説教コースが回避できる
「仕事は俺たちでやっとく。言っとくが生徒会長の座は諦めてないからな」
「はーい、分かってまーす」
「...先に謝っとく...ごめん」
なにいってんだ?と思ったら乾先輩の顔が近づいてきて、唇にフニッと柔らかな感触が当たった。しばらく思考が停止していたがキスをされた、と認識できた頃には乾先輩の顔は離れていた。顔が真っ赤になっているであろう俺は動揺しきった声音しかだせなかった
「な...なにを?」
「...したくなったからしただけ」
「!クソが!!!」
手が出てしまったが仕方がない。バカな考えしかしないアイツらと同じことを言ったのだ。身の危険しか感じない。結局、距離があったため当たらずに終わってしまった
仕方ないので犬に噛まれたと思い忘れることにしよう
「それじゃ、俺いくな」
「オキヲツケテ」
カタコト棒読みで乾先輩を送り出した。一人になっているときにさっきのことを思い出してしまい記憶を振り払うように寝返りをして寝直すことにした
*****************
あの後、生徒会メンバーを筆頭に何人かお見舞いに来てくれた。見舞品も持参してくれたけど高級なお菓子だったり飲み物だったりで俺の胃が受け入れない...
てなわけで病院ないにある自販機で飲むヨーグルティを買おうとしたのだが売り切れになっていた。やっぱり人気なんだな...ヨーグルティ
「ヨーグルティがないとなると...アップルジュースにするか」
ヨーグルティの次に好きなアップルジュースを買って飲んでいると見覚えのある顔が近付いてきた。その人物は俺が足をへし折った二人組だった。慣れていない松葉杖を使いこっちに向かっているってことは自動販売機目的かな?場所を譲るように近くにあるソファーに座れば二人はソファーの方に近付いてきた。それで目的が俺であることがわかった
「あんたが降谷か?」
「えぇ、そうですが?」
「「俺たちを弟子にしてください!!」」
「....は?」
直角とも言えるほど腰を折って最敬礼している二人に首をかしげた。弟子にしてくれって...なに?
武術とかを教えてくれってことか?なんで?
顔をあげるように言えばキラキラした目で俺を見つめている二人に何て言えばいいかわからない
「保険医と華宮先生に聞きました!俺たちの処置をしてくださったんですよね!?」
「応急ならね。ちゃんとした治療は医者がやったでしょ」
「その医者に言われたんです!応急処置がよかったから早くに完治できるって!!」
「それはよかったですね」
報告しなくていい。骨折の応急処置なんて小学校で習ったし、中学の頃なんて姐さん直々に骨折の治療を教えてもらった程だ。あの時、タイミングよく複雑骨折した人が運び込まれてきて手術まで見せてくれた。かなりエグかったことしか覚えてない。気絶しているし別にいいだろうと部分麻酔しかせずに手術をした姐さんの顔はいつもよりイキイキしていたことしか覚えていない
「どうか俺らの師匠になってください!」
「お願いします!!」
「いや、無理」
「「なんでですか!?」」
「なんでって...なんとなく?」
だって、油断してた俺を投げ飛ばすほどの実力があるなら弟子入りする必要なんてないし...それにこれ以上回りを刺激するような人物と関わりを持ちたくない。ただでさえ生徒会長になったせいでこんな怪我させられたんだから...
空になったジュースを捨てて病室に戻ろうとしたが二人に阻まれた。つか、土下座された
「お願いします!!俺たち、空手部と柔道部のエースやってんです!!」
「ふーん...そーなんだ」
「でも最近記録が出せなくて...だから降谷さんの弟子にして欲しいんです!!」
「んなこと言われても...」
正直に言うと俺、柔道も空手もよく知らないんだよな...闘技場での戦い方は真似してるだけだし、型がないみたいで闘技場制覇したときに誠やジンからちゃんとした型とか防御とかを教えてもらった
とにかく俺は教える側にはなれない。怪力なんて生まれつきだし、むしろ力を抜く訓練ばっかしてたからな
「「お願いします!!」」
「ん~...俺は教えるってよりアドバイスしかできないんだけど...」
「!それだけでもいいです!!」
「弟子にしてくれるんですか!?」
「弟子とかじゃなくてただのアドバイス人。といあえず今アドバイスできるのは、早く怪我を直すことですね」
逃げるようにその場を去ったけど...
変なのに懐かれたな...
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