最強不良は名門学園の生徒会長様

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誰でもいいから②

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起案書が中々出来ないでウンウン唸っていると有栖川先輩が戻ってきた。助け船だと思い顔を上げれば山積みにされた書類を持っていた

「...それは?」

「えっ...と......新しい始末書とサインの必要な書類です...」

「........締め切りは?」

「...明日までです...それと....」

机の上に置かれた書類の山の高さにあっけに取られていると更に三つほど同じぐらいの高い山の書類を机の上にのせられた

「これ全部...明日までです」

「.................」

徹夜決定★
じゃねぇよ、なんで始末書を生徒会でやらなきゃならないんだよ。それは風紀委の仕事だろ、生徒会はサインするだけで終わりだろ!?さっきやったけど初めっから最後までやらなきゃ駄目だったぞ!?
...いっちゃんって風紀員だったよな?

「有栖川先輩、今すぐ風紀委の部屋に案内してください」

「...はい?」

「風紀委に直接注意しに行きます。案内してください」

強い口調で言えば迷いながら頷いてくれたので案内をしてくれらしい。有栖川先輩の後ろをついていくときに思ったけど、俺より少しだけ背が高いけど華奢な体なぁ...七音並みの線の細さだ
そしてさすが生徒会役員、生徒の黄色い声が鳴り止まない。俺への罵倒も鳴り止まない
さすがに気になったのか、有栖川先輩が振り向いて遠慮気味に質問してきた

「...あの」

「なんですか?」

「...すごく罵倒されてますけど...」

「小型犬の戯れ言なんてただの騒音です」

そう、戯れ言なんてただの騒音だ。ほっとけばいい。そう思っていったのだが聞き耳を立てていた生徒がさっき以上に騒ぎ出した。煩すぎて柱を殴りたくなったが我慢した。案内されては罵倒されてさすがにキレようとしたときに風紀委の部屋に着いた

「失礼します。生徒会役員の降谷です」

ノックをしても反応無し。怪しく思いドアを開ければ誰も居なかった。あまり使われていないのか机の上に書類は一切無し。それどころかホコリが机の上に積もっていた

「...............」

「...風紀員は四人います。委員長の乾冬馬いぬいとうま、副委員長の十五君壱谷、書記の時森夏波ときもりなつ羽田毅はぶたつよしですが...誰一人仕事をしません」

「...じゃあ、何してるんですか?」

「......問題行動を...よく起こしています」

「..................」

乾?
副会長の兄弟か?ん?乾ってのは問題しか起こさない家系のか?つか、そんな奴らを重役に選ぶここの生徒は馬鹿なのか?今から問題起こす奴らを解雇して新しい人材入れようかな...
生徒会室に戻るなり言えなかったストレスを書類の片付けにぶつけた。昼も夜もご飯を食べずにひたすら書類をやりまくって悟りすら開けそうになるまでやり続けた。有栖川先輩が帰っても仕事を続けた

*******************

全部の書類が終わったのが翌朝の六時だった。終わるまでに飲んだコーヒーは五杯にまでなり、まわりの雑音を消すためにヘッドホンをして音楽を聞いていた。久しぶりの徹夜で若干頭がボーッとしているが今日ぐらいは何とかなる

「...ふぁ......顔洗お」

生徒会室にはある程度の生活が出来るようにと隣にベッドやお風呂場があり仮眠がとれるように設置されている。正しい使い方をされているかは不明だが今はそんなことどうでもよかった。顔を洗い顔を拭いているときに変なめまいが起こりしゃがみ込んでしまった

「ッ......寝ないと...ヤバい.......かも」

めまいどころか頭痛までしてきて本格的にヤバくなってきた。仮眠に使おうと思ったベッドだが布団の上にコンドームとローションが散らばっていて使う気が失せたので自室に戻ることにした。まだ朝の六時だから誰ともあわないはず...
あ、もう保健室に行くか...
フラフラしながら生徒会室を出て保健室に向かった。生徒会に所属している生徒は授業を免除されているがここの学力についていくには授業を受ける必要がある。外部だからと甘く見られるのは嫌だ

「失礼します......誰も居ないか」

特権の一つ、どの教室にも自由に出入りできるように特別なカードキーを使って保健室に入って窓際のベッドに横たわった。少し寝れば治るはず...
そう思って眠りについた


本当に思う

誰でもいいから手伝えや!!!!!
せめて問題を起こすな!!!!


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