上 下
1 / 60

俺明日から寮入るから

しおりを挟む
宇槍町...
一見普通の町だがヤクザやヤバい薬でもやってそうな奴がウロウロするかなり荒れた町。法に触れる闘技場が四つもあり更なる問題を生み出している。しかし国自体がこれを黙秘している。なぜなら、この街にお忍びできている有名な奴らがいるからだ。何かあれば下っ端数名を捕まえて、真実を知るものを金で黙らせればいい。そんな感じでこの宇槍町は完全無法地帯として名を轟かせている

「でもさぁ、そんなの三年も前の話なんだよね。今では三つの約束があるからね?一つは戦いたいなら闘技場に行くこと。二つは誰かの下につくならちゃんと許可を取ること。そして最低限の常識を持つことです。以上、宇槍町市長代理であってほしい降谷雪兎の話でした」

「兄貴!!兄貴は市長代理じゃなくて市長ですよ!!」

「それさぁ、お前が決めたことじゃん。俺ねんどくさいことしたくないんだけど」

確かに俺がこの町に来てからある程度はマシになったと思っている。おれがこの町に来たのは五歳の時。誰の血筋なのか怪力でケンカばっかしてた俺のせいでこの街に引っ越した。この町に来てからは親はギャンブルと薬に呑み込まれて帰らぬ人になった。七歳の頃だったけど俺はヤクザや売人を狩りながら生活してたから悲しいとかはなかった。むしろいなくなってくれてよかったわ
そんで、ヤクザも売人も殆ど狩り尽くしたから宇槍町に四つある闘技場に殴り込みをした。まぁ、完全勝利して終わりのはずだったのに...

「な~んで、市長なんかにされたんだろ」

「それは雪兎様のカリスマ性に皆が魅了されたからですよ」

「嬉しくないわ~」

「雪兎様、本日の三時のおやつです」

「さんきゅ~」

俺の仕業が政府に報告され、何故か政府の命令とかで俺が十四の時に宇槍町の市長をやることになった。いやね?俺は自分をよく理解してるからな?どこにでもいるモブ顔で怪力しか取り柄のない奴よ?なのに慕う奴がわんさか出てきて大変なことになってんのよ?体とか顔とか声とかは誰が見てもモブって言うぐらいモブなのにオーラと身体能力だけは主人公みたいな?誰がそんなの喜ぶんだ?
しかもさ...

「はぁ...雪兎様のおみ足...ハァハァ.......あぁ...踏まれたいぃ....」

「....ねぇ、七」

「はい!」

「うるさい、黙ってくれない?」

「あぁぁぁ...もっと罵ってください!!」

自称俺の部下を名乗る闘技場の支配人がメッチャクチャ変人なんだけど...
今、おやつを食べている俺のそばでキモいぐらい声を上げているのは小鳥遊七音(たかなしななと)。ダークグレーの少し垂れ目でモデル並みのイケメン。女性だと言っても違和感ないほどの細身の体に男にしては少し高めの声。とにかくイケメンなのだ。そんなイケメンが俺ごときモブに完璧なトロ顔をさらしているのだ
元々、七音は残虐的な行為が大好きなドSでこの町に来たのも自分よりガタイの良い男達を再起不能にするまでいたぶりたかったからだ。そのために闘技場『エキージョ』を作ったのだ。そんな男が何故こうなったかって?

「あの時の責め...忘れることができません...自分がどれほど未熟か思い知らされました...ハァハァハァハァ...」

「責めって...ただ鞭で戦っただけじゃん」

「いいえ!!あんなに快楽を教える鞭使いは雪兎様にしかできません!!」

エキージョでは鞭使用が絶対でそのほかの武器は使用禁止なのだ。そして決着のつけ方が独特で相手を射精させたら勝つというよく分からないルールなのだ。もちろんルールを決めたのは七音だ。慣れないながらも勝ち抜けて七音との戦いになったのだが...
俺はこんな感じか?ってな感覚で鞭を振ったのに歴戦であるはずの七音はあっけなく射精。俺も驚いたし、客も驚いていた
おやつを食べ終え、お茶を飲んでいるときあることを思い出した。結構大切なことを忘れてた

「七音」

「...はい」

「俺、明日から寮のある学園に入学するから」

「..........はい?」

「だーかーらー、明日からこの町離れて寮のある学園に入学する」

「非常事態だあぁぁぁぁあ!!!!!早急に全員あつまりやがれえぇぇぇぇぇえ!!!!!」


おい、そんなに大事なことか?



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性的イジメ

ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。 作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。 全二話 毎週日曜日正午にUPされます。

いろいろ疲れちゃった高校生の話

こじらせた処女
BL
父親が逮捕されて親が居なくなった高校生がとあるゲイカップルの養子に入るけれど、複雑な感情が渦巻いて、うまくできない話

私の事を調べないで!

さつき
BL
生徒会の副会長としての姿と 桜華の白龍としての姿をもつ 咲夜 バレないように過ごすが 転校生が来てから騒がしくなり みんなが私の事を調べだして… 表紙イラストは みそかさんの「みそかのメーカー2」で作成してお借りしています↓ https://picrew.me/image_maker/625951

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~

無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。 自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

風邪をひいてフラフラの大学生がトイレ行きたくなる話

こじらせた処女
BL
 風邪でフラフラの大学生がトイレに行きたくなるけど、体が思い通りに動かない話

学園の天使は今日も嘘を吐く

まっちゃ
BL
「僕って何で生きてるんだろ、、、?」 家族に幼い頃からずっと暴言を言われ続け自己肯定感が低くなってしまい、生きる希望も持たなくなってしまった水無瀬瑠依(みなせるい)。高校生になり、全寮制の学園に入ると生徒会の会計になったが家族に暴言を言われたのがトラウマになっており素の自分を出すのが怖くなってしまい、嘘を吐くようになる ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿です。文がおかしいところが多々あると思いますが温かい目で見てくれると嬉しいです。

わざとおねしょする少年の話

こじらせた処女
BL
 甘え方が分からない少年が、おねしょすることで愛情を確認しようとする話。  

処理中です...