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斎藤福寿、2回目の花火大会。
6 楽しい花火大会と八月二六日の二時五六分
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「もちもちローングポテトの屋台があるよ」
窓華さんは屋台を見つけると走っていくので、僕はも追いかけて屋台に行く。そしてそこの屋台では六百円払った。
「トッピングとかしてないんですけどそれで良いんです?」
「これにトッピングするなんて邪道だよ。そのままが美味しいの」
そう言って、簡易箱に入ったポテトを黙々と食べる。クレープのときはあれだけオプションをつけていた癖に。そのポテトを僕も少しもらった。確かにこれは美味しいと思う。だから屋台にハマる気持ちが分かった。分別するように設置されたゴミ箱は至るところに置いてあって、僕らはそこにポテトの箱を捨てた。
「ポテトはまだまだ食べるからねぇ!」
と窓華さんが言った。屋台はコントロールベーカリーではない。だから、僕も楽しみにはしていた。それからたこ焼きを買ったり、オムそばをシェアして食べたりした。僕は屋台でかき氷機というものを初めて見た。僕はかき氷を買ったが、それについて窓華さんに水を割高で買うようなものだと馬鹿にされた。まぁ、こういった場所で食べるからポテトだって美味しいのだろう。僕はこんな当たり前のことを知らない人生だった。付加価値がここまで食材を美味しくさせるなんて思わなかった。窓華さんは三箇所ぐらいでポテトを買った。なるほど、言われた通り会場に行くほど高くなっている、三店目は七百円した。
「お酒飲みたいなぁ……」
「それはやめてください」
「呪ってケチだね!」
僕は窓華さんがお酒に弱いことを知っている。死にたくないと本音を言って僕を困らせることが分かっている。窓華さんは死にたくない。言えないだけであと四日しか残された時間はない。だからこの花火大会を楽しんで欲しい。この日本で僕らはの立場は弱い。マザーに見捨てられたもの同士だから。
「りんご飴があるよ」
僕は得に気にかけずに話を流した。だってりんご一個食べるなんて、僕には考えられない。ポテトも食べたし、家に帰ったらハンバーグもあると言うのに。
「なんで私のりんご飴欲しさを分かってくれないの?」
「だって、りんご一個ですよ。全部食べられるんですか?」
「やっぱりケチなんじゃない?もし彼女が買ってって言うなら、何も言わずに買うのが良い男ってもんだよ」
「僕は窓華さんの彼氏じゃないです」
それを聞かず、窓華さんはりんご飴の屋台に走って行く。だから僕も仕方なく付いていく。りんご飴の屋台ではたくさんの飴のついた大きな林檎が並べてある。確かにこれはお祭りの感じがする。まるでアニメの中の世界だ。
「これなら食べれるでしょう?」
僕は苺に飴のコーティングはしてあるものを勧めた。
「私はりんご飴が欲しいの!映えるでしょ?それにみんな持っているじゃん」
「みんな持っているから欲しいなんて、子どもの考えですよ」
「良いもん、私はおこちゃまだからりんご飴が欲しいんだもん」
そう言われるとりんご飴を買うしかない。窓華さんは言い出すと聞かないところがあることも僕は分かってきていた。僕はみかん飴を買って、その屋台から離れた。窓華さんは僕にポテトの箱を持たせていた。窓華さんは大きなりんご飴を持って僕の隣を歩いている。そして危なっかしそうに齧った。僕のみかん飴は一口サイズなのですぐに食べ終わった。とりあえず棒を持って歩くのは怖いので早くゴミに捨てたい。
「りんご飴持っていたら、ポテト食べられませんよ」
「良いよ、そのときは呪に持たせるから」
「そうしたら僕がポテトを食べれませんよ」
「さては、もちもちローングポテト気に入ったな?」
窓華さんにからかわれてしまう。僕は初めて食べたあのもちもちのポテトに衝撃を覚えたのは本当のことだ。窓華さんと話していると楽しい。それでもあと四日しか残されていない。喜代也が効かないせいで昔の人間と同じように死ぬ。でも、日本に産まれなければもっと幸せな人生だったのではないだろうか。
「呪は花火大会に来て楽しい?」
「まだ、花火は見てないけど楽しいですよ」
そういうと窓華さんは何故か照れていた。僕はこの屋台での出来事は楽しかった。窓華さんと屋台巡りをするのは台湾から二度目だ。あの時は冥銭を燃やした。今回が花火が燃えるのだ。
「そんな呪みたいな友達居ない人が私の担当なんだよなぁ。そんな人が花火大会なんていうリア充行事に楽しめるなんて思ってなかったからさ」
「もしかして、僕に喧嘩売っているんですか?」
「そんなことはないよ。私も楽しいなって思って」
窓華さんは家族で来た花火大会のことを思い出しているのだろうか。僕は光るジュースを買ってポテトの箱を持っていた。そして、りんご飴を持つ窓華さんと河原を歩いていた。さっきの棒とジュースの容器とポテトの箱を捨てようとしたら窓華さんは言う。
「こういうのジュースの容器は思い出に取っておくものだよ」
僕はその容器を持っていようかと思ったが、捨てることにした。これ以上窓華さんとも思い出を増やしたくなかった。僕はゴミを捨てるちょっとの間だけ窓華さんから離れてしまった。僕はこの花火大会をとても楽しいと思った。僕は今の生き方も悪くないと思った。でも、窓華さんを一人にしたことをふと思い出して焦る。僕は窓華さん担当の寿管士だ。こんなお遊びをするためだけに居るのではない。美容院のときに一人にして不安になったというのに、その失敗をまた繰り返してしまった。だから早く窓華さんの居る大通りに早く戻ることを考えていた。
そして僕らは花火を見る前に三匹の金魚を掬った。窓華さんは本当に下手で僕が取ったようなものだ。僕はもしかしたら金魚掬いは得意なのかもしれない。
窓華さんは屋台を見つけると走っていくので、僕はも追いかけて屋台に行く。そしてそこの屋台では六百円払った。
「トッピングとかしてないんですけどそれで良いんです?」
「これにトッピングするなんて邪道だよ。そのままが美味しいの」
そう言って、簡易箱に入ったポテトを黙々と食べる。クレープのときはあれだけオプションをつけていた癖に。そのポテトを僕も少しもらった。確かにこれは美味しいと思う。だから屋台にハマる気持ちが分かった。分別するように設置されたゴミ箱は至るところに置いてあって、僕らはそこにポテトの箱を捨てた。
「ポテトはまだまだ食べるからねぇ!」
と窓華さんが言った。屋台はコントロールベーカリーではない。だから、僕も楽しみにはしていた。それからたこ焼きを買ったり、オムそばをシェアして食べたりした。僕は屋台でかき氷機というものを初めて見た。僕はかき氷を買ったが、それについて窓華さんに水を割高で買うようなものだと馬鹿にされた。まぁ、こういった場所で食べるからポテトだって美味しいのだろう。僕はこんな当たり前のことを知らない人生だった。付加価値がここまで食材を美味しくさせるなんて思わなかった。窓華さんは三箇所ぐらいでポテトを買った。なるほど、言われた通り会場に行くほど高くなっている、三店目は七百円した。
「お酒飲みたいなぁ……」
「それはやめてください」
「呪ってケチだね!」
僕は窓華さんがお酒に弱いことを知っている。死にたくないと本音を言って僕を困らせることが分かっている。窓華さんは死にたくない。言えないだけであと四日しか残された時間はない。だからこの花火大会を楽しんで欲しい。この日本で僕らはの立場は弱い。マザーに見捨てられたもの同士だから。
「りんご飴があるよ」
僕は得に気にかけずに話を流した。だってりんご一個食べるなんて、僕には考えられない。ポテトも食べたし、家に帰ったらハンバーグもあると言うのに。
「なんで私のりんご飴欲しさを分かってくれないの?」
「だって、りんご一個ですよ。全部食べられるんですか?」
「やっぱりケチなんじゃない?もし彼女が買ってって言うなら、何も言わずに買うのが良い男ってもんだよ」
「僕は窓華さんの彼氏じゃないです」
それを聞かず、窓華さんはりんご飴の屋台に走って行く。だから僕も仕方なく付いていく。りんご飴の屋台ではたくさんの飴のついた大きな林檎が並べてある。確かにこれはお祭りの感じがする。まるでアニメの中の世界だ。
「これなら食べれるでしょう?」
僕は苺に飴のコーティングはしてあるものを勧めた。
「私はりんご飴が欲しいの!映えるでしょ?それにみんな持っているじゃん」
「みんな持っているから欲しいなんて、子どもの考えですよ」
「良いもん、私はおこちゃまだからりんご飴が欲しいんだもん」
そう言われるとりんご飴を買うしかない。窓華さんは言い出すと聞かないところがあることも僕は分かってきていた。僕はみかん飴を買って、その屋台から離れた。窓華さんは僕にポテトの箱を持たせていた。窓華さんは大きなりんご飴を持って僕の隣を歩いている。そして危なっかしそうに齧った。僕のみかん飴は一口サイズなのですぐに食べ終わった。とりあえず棒を持って歩くのは怖いので早くゴミに捨てたい。
「りんご飴持っていたら、ポテト食べられませんよ」
「良いよ、そのときは呪に持たせるから」
「そうしたら僕がポテトを食べれませんよ」
「さては、もちもちローングポテト気に入ったな?」
窓華さんにからかわれてしまう。僕は初めて食べたあのもちもちのポテトに衝撃を覚えたのは本当のことだ。窓華さんと話していると楽しい。それでもあと四日しか残されていない。喜代也が効かないせいで昔の人間と同じように死ぬ。でも、日本に産まれなければもっと幸せな人生だったのではないだろうか。
「呪は花火大会に来て楽しい?」
「まだ、花火は見てないけど楽しいですよ」
そういうと窓華さんは何故か照れていた。僕はこの屋台での出来事は楽しかった。窓華さんと屋台巡りをするのは台湾から二度目だ。あの時は冥銭を燃やした。今回が花火が燃えるのだ。
「そんな呪みたいな友達居ない人が私の担当なんだよなぁ。そんな人が花火大会なんていうリア充行事に楽しめるなんて思ってなかったからさ」
「もしかして、僕に喧嘩売っているんですか?」
「そんなことはないよ。私も楽しいなって思って」
窓華さんは家族で来た花火大会のことを思い出しているのだろうか。僕は光るジュースを買ってポテトの箱を持っていた。そして、りんご飴を持つ窓華さんと河原を歩いていた。さっきの棒とジュースの容器とポテトの箱を捨てようとしたら窓華さんは言う。
「こういうのジュースの容器は思い出に取っておくものだよ」
僕はその容器を持っていようかと思ったが、捨てることにした。これ以上窓華さんとも思い出を増やしたくなかった。僕はゴミを捨てるちょっとの間だけ窓華さんから離れてしまった。僕はこの花火大会をとても楽しいと思った。僕は今の生き方も悪くないと思った。でも、窓華さんを一人にしたことをふと思い出して焦る。僕は窓華さん担当の寿管士だ。こんなお遊びをするためだけに居るのではない。美容院のときに一人にして不安になったというのに、その失敗をまた繰り返してしまった。だから早く窓華さんの居る大通りに早く戻ることを考えていた。
そして僕らは花火を見る前に三匹の金魚を掬った。窓華さんは本当に下手で僕が取ったようなものだ。僕はもしかしたら金魚掬いは得意なのかもしれない。
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